4 / 9
第三話
しおりを挟む 他に売れそうなものはないかと聞かれたので、特にこれといったものはないんだけど、しいて言えば革のベルトもいいんじゃないかと言ってみた。あと、革パンツやベストで、もちろんポケット付き。
「ふむ……ベルトですか」
「あい。しょのままもいいんでしゅけろ、しゃりげにゃいおしゃれとして、かわをほしょくしゃいてあみこんでもいいとおもうんでしゅよ」
「なるほど……。そうねぇ……こんな感じかしら?」
「お~、しゃしゅがキャシーしゃん! しょうでしゅ!」
「あら、これなら女性もさり気ないおしゃれとして腰に巻けるわね」
編み込んだベルトという言葉でなにやら思いついたのか、革の切れ端をベルトのように細長くしたあと、さらにそこに切れ込みを入れて器用に編んでいく。すると、日本でも見たことがある、編み込みの革ベルトが出来上がっていた。
とはいえ、あくまでも試作なので切り込みを入れた部分の処理やほつれないようにするにはどうするかとか、革によっての耐久性を調べなければわからないが、そこは鎧にもなっちゃうくらい頑丈な革。なので、耐久性は合格なわけで。
あとはほつれなどの問題を解決すればOKとなった。
他にも、ポンチョの提案をしてみた。外套よりは短いけれど、ケープよりも長いサイズで、マントよりは動きやすいと思うんだよね。
特に、新人冒険者の女の子にはいいと思う。
「うしゅいかわにゃら、しゅしょにししゅうをしてもいいとおもうんでしゅ」
「しゅしょ? ああ、裾ね。そうねぇ、オークなら比較的薄い皮だし、蜘蛛の糸ならできるわね」
「女の子だもの、おしゃれはしたいわよね」
「そうよね! 町の中用と、冒険用に分けてもいいんじゃないかしら! アタシが頑張って作るわよ!」
「「てことで、ステラ、デザインよろしくね!」」
「あ、あい!」
キャシーさんとセレスさんの圧が凄い……! 言い出しっぺなので、頑張ってデザインするさ!
そんな話から、トートバッグももうちょっと可愛いデザインが欲しいだの、男性用のマジックバッグも、もっといろんなデザインがあってもいいだのと、私の提案が呼び水になったのか、いろんな意見が出てくる。
なぜかポーションホルダーも欲しいと、バトラーさんとテトさんから意見が出た。
ポーションホルダーとはなんぞやと疑問に思いつつ、彼らの話聞きながら、若干圧がかかったにっこにこ笑顔で紙とペンをセバスさんに渡された私は、ポンチョの基本的な形と二、三点のデザインを起こす。そこに大きく作ればリュックを背負ったまま歩けること、雨を弾く素材なら雨合羽になることも明記しておく。
刺繍についてはまだこの世界の基準がわからないので、そこは丸投げした。
あとは鞄の形も描いてと言われ、日本や海外で見た形を描いていく。マチの幅はもちろんのこと、縦横の長さ、ポケットはどの位置か、リュックも女性や少年少女が背負えるサイズを描いたり、冒険者だけではなく小さなお子さんが背負えるようなものまで描いてみた。
幼児な私でも背負えるようなものだ。
たとえばデフォルメした人気のある魔物や神獣を模したものをリュックにしたりね。これはぬいぐるみを見て、そういえば日本にそんなリュックがあったなあと思い出したからこそ、描いたものだったり。
おかあさんもさ、子どもが背負ってる中にタオルやハンカチ、水筒やお菓子を入れられる鞄があれば楽だと思うんだよね。三歳くらいになれば自分でやってみたい! と言うだろうし。
そうなった時に、これに入れておでかけしましょうと言えば、率先してやってくれる気がする。とはいえ、ここは異世界なので、甥っ子や姪っ子たちがやっていたことがこの世界で通用するかどうかは聞いてみなければ。
そんなことをしているとアルバートさんが帰ってきた。のはいいが、私をほったらかしてセバスさん以外が白熱したように意見を出し合っていたものだから、アルバートさんが唖然とした顔をして目を白黒させてた。
すぐに我に返って大人たちをとめたあと、どうしてそんなことになったのか話を聞いたアルバートさんは、私が描いたデザイン画を眺めて一言。
「腕のいい職人と工房を紹介しようか?」
その言葉に、渡りに船とばかりにセバスさんが頷いた。
そこからは着替えなどを渡されたセバスさんがアルバートさんにお金を払い、やっとのことで晩ご飯。宝石のカットに関しては簡単そうなものを二点ほど描いたところでストップがかかり、残りは明日以降となった。
「ふむ……ベルトですか」
「あい。しょのままもいいんでしゅけろ、しゃりげにゃいおしゃれとして、かわをほしょくしゃいてあみこんでもいいとおもうんでしゅよ」
「なるほど……。そうねぇ……こんな感じかしら?」
「お~、しゃしゅがキャシーしゃん! しょうでしゅ!」
「あら、これなら女性もさり気ないおしゃれとして腰に巻けるわね」
編み込んだベルトという言葉でなにやら思いついたのか、革の切れ端をベルトのように細長くしたあと、さらにそこに切れ込みを入れて器用に編んでいく。すると、日本でも見たことがある、編み込みの革ベルトが出来上がっていた。
とはいえ、あくまでも試作なので切り込みを入れた部分の処理やほつれないようにするにはどうするかとか、革によっての耐久性を調べなければわからないが、そこは鎧にもなっちゃうくらい頑丈な革。なので、耐久性は合格なわけで。
あとはほつれなどの問題を解決すればOKとなった。
他にも、ポンチョの提案をしてみた。外套よりは短いけれど、ケープよりも長いサイズで、マントよりは動きやすいと思うんだよね。
特に、新人冒険者の女の子にはいいと思う。
「うしゅいかわにゃら、しゅしょにししゅうをしてもいいとおもうんでしゅ」
「しゅしょ? ああ、裾ね。そうねぇ、オークなら比較的薄い皮だし、蜘蛛の糸ならできるわね」
「女の子だもの、おしゃれはしたいわよね」
「そうよね! 町の中用と、冒険用に分けてもいいんじゃないかしら! アタシが頑張って作るわよ!」
「「てことで、ステラ、デザインよろしくね!」」
「あ、あい!」
キャシーさんとセレスさんの圧が凄い……! 言い出しっぺなので、頑張ってデザインするさ!
そんな話から、トートバッグももうちょっと可愛いデザインが欲しいだの、男性用のマジックバッグも、もっといろんなデザインがあってもいいだのと、私の提案が呼び水になったのか、いろんな意見が出てくる。
なぜかポーションホルダーも欲しいと、バトラーさんとテトさんから意見が出た。
ポーションホルダーとはなんぞやと疑問に思いつつ、彼らの話聞きながら、若干圧がかかったにっこにこ笑顔で紙とペンをセバスさんに渡された私は、ポンチョの基本的な形と二、三点のデザインを起こす。そこに大きく作ればリュックを背負ったまま歩けること、雨を弾く素材なら雨合羽になることも明記しておく。
刺繍についてはまだこの世界の基準がわからないので、そこは丸投げした。
あとは鞄の形も描いてと言われ、日本や海外で見た形を描いていく。マチの幅はもちろんのこと、縦横の長さ、ポケットはどの位置か、リュックも女性や少年少女が背負えるサイズを描いたり、冒険者だけではなく小さなお子さんが背負えるようなものまで描いてみた。
幼児な私でも背負えるようなものだ。
たとえばデフォルメした人気のある魔物や神獣を模したものをリュックにしたりね。これはぬいぐるみを見て、そういえば日本にそんなリュックがあったなあと思い出したからこそ、描いたものだったり。
おかあさんもさ、子どもが背負ってる中にタオルやハンカチ、水筒やお菓子を入れられる鞄があれば楽だと思うんだよね。三歳くらいになれば自分でやってみたい! と言うだろうし。
そうなった時に、これに入れておでかけしましょうと言えば、率先してやってくれる気がする。とはいえ、ここは異世界なので、甥っ子や姪っ子たちがやっていたことがこの世界で通用するかどうかは聞いてみなければ。
そんなことをしているとアルバートさんが帰ってきた。のはいいが、私をほったらかしてセバスさん以外が白熱したように意見を出し合っていたものだから、アルバートさんが唖然とした顔をして目を白黒させてた。
すぐに我に返って大人たちをとめたあと、どうしてそんなことになったのか話を聞いたアルバートさんは、私が描いたデザイン画を眺めて一言。
「腕のいい職人と工房を紹介しようか?」
その言葉に、渡りに船とばかりにセバスさんが頷いた。
そこからは着替えなどを渡されたセバスさんがアルバートさんにお金を払い、やっとのことで晩ご飯。宝石のカットに関しては簡単そうなものを二点ほど描いたところでストップがかかり、残りは明日以降となった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

目覚めれば異世界!ところ変われば!
秋吉美寿
ファンタジー
体育会系、武闘派女子高生の美羽は空手、柔道、弓道の有段者!女子からは頼られ男子たちからは男扱い!そんなたくましくもちょっぴり残念な彼女もじつはキラキラふわふわなお姫様に憧れる隠れ乙女だった。
ある日体調不良から歩道橋の階段を上から下までまっさかさま!
目覚めると自分はふわふわキラキラな憧れのお姫様…なにこれ!なんて素敵な夢かしら!と思っていたが何やらどうも夢ではないようで…。
公爵家の一人娘ルミアーナそれが目覚めた異なる世界でのもう一人の自分。
命を狙われてたり鬼将軍に恋をしたり、王太子に襲われそうになったり、この世界でもやっぱり大人しくなんてしてられそうにありません。
身体を鍛えて自分の身は自分で守ります!
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる