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1.王子様
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夕日の差し込む、だんだんと人が少なくなっていく教室
荷物を整理して、僕は帰路につかず別の教室に向かった
今日は委員会全体で集まる日だった
クラスの人に押し付けられるような形で入った美化委員
断る理由もなかったので、入っただけだった
でも入ってから思いもよらない嬉しいことがあったのだ
片思いしている凉白先輩が美化委員に所属したことだった
学園の王子様である凉白先輩
爽やかで、誰にでも分け隔てなく優しくて、かっこよくて、文武両道
凉白先輩が美化委員と知った女の子たちから、嫌がらせで荷物を隠されるほど、凉白先輩は魅力的で素敵な人だった
普通は憂鬱でもおかしくない委員会活動に弾む心で向かう
叶わない恋だ
女の子じゃない。可愛くない。地味。クラスメイトには、喋れない人に口をあげたら?と言われるほどに口下手。
先輩との唯一の繋がりだった
だから数えるほどしかない委員会活動を、ずっと楽しみにしていた
叶わない恋でも、凉白先輩のことがずっと好きだから
_________
3年前、中学に入学してすぐの頃だった
入ったばかりの中学で、地味で大人しそうな僕は雑用をたくさん任されていた
職員室まで持っていくプリント、宿題だった理科のドリル、2教科分の全員のノートやその他色々を1人で運ばなければいけなかった
次の授業まであまり時間がない
怖いけど早く済ませるため、前の見えないまま荷物を持って、階段を降りていく
フラフラとした足取りで降りているとき、当然だけど階段を踏み外してしまった
「っ……!!」
「危ないっ!」
がしっと腕を掴まれ、転げ落ちずに済む
ばさばさとノート類が落ちていく音を聞きながら、反射的にに後ろを向く
すると輝かんばかりの美形がすぐにあったのだ
「ひゃあッ!?」
驚いて階段の上にいることも忘れて、後ずさろうとしてしまう
そんな僕を抱きとめて、踊り場まで連れていってくれた
綺麗なアーモンドアイが、僕に身長を合わせて屈んでくれて、まっすぐこちらを見つめる
「こんな荷物1人で持てるわけないよ。誰かに任されたの?俺も一緒に運ぶね」
そのまま凉白先輩は僕を手伝ってくれた
さらに教室まで着いてきてくれて、こんなことは辞めるようにとクラスの人に告げてくれたのだ
初めて会った僕を助けてくれて、僕のために叱ってくれた
今でも思い出すだけで、ドキドキと胸が高鳴る
凉白先輩が好き
人前で堂々とまっすぐ発言する涼白先輩
その大きな背中の影で、僕の震える手を安心させるようにぎゅっと握ってくれたあたたかい手
あの日から、凉白先輩は僕の光だった
___________
凉白先輩を追うように入った高校でも、凉白先輩は人気者で周りにはたくさん人がいる
当然全く関わりがないまま、眺めるだけの日々を送っている
ドアをゆっくりと開けて教室に入る
「……し、しつれいしますっ」
「わ、千歳くん。お疲れ様」
「!?…………ぉ、おっ!おお疲れ様で、す……!」
ドアの前にはドアを開けようとする凉白先輩がいた
凉白先輩との初めての会話に、実感が湧かないくらい嬉しい
しかも、名前を何故か知っててくれた……!
すごい!こんな幸運なことが……!
凉白先輩の邪魔にならないように、急いでドアの前からどいて、反射的に高鳴る胸に手を当てる
信じられないくらいドキドキしていて、ちょっとバカみたいだなと思った
そんな僕に、ドアを開けて出ていくかと思われた凉白先輩が耳元で内緒話をした
「俺、千歳くんと仲良くなりたくて。今日一緒に帰ってくれるなら、委員会の後ちょっと残っててほしいな」
「っへ……?」
そう言い残して、教室から去っていった
荷物を整理して、僕は帰路につかず別の教室に向かった
今日は委員会全体で集まる日だった
クラスの人に押し付けられるような形で入った美化委員
断る理由もなかったので、入っただけだった
でも入ってから思いもよらない嬉しいことがあったのだ
片思いしている凉白先輩が美化委員に所属したことだった
学園の王子様である凉白先輩
爽やかで、誰にでも分け隔てなく優しくて、かっこよくて、文武両道
凉白先輩が美化委員と知った女の子たちから、嫌がらせで荷物を隠されるほど、凉白先輩は魅力的で素敵な人だった
普通は憂鬱でもおかしくない委員会活動に弾む心で向かう
叶わない恋だ
女の子じゃない。可愛くない。地味。クラスメイトには、喋れない人に口をあげたら?と言われるほどに口下手。
先輩との唯一の繋がりだった
だから数えるほどしかない委員会活動を、ずっと楽しみにしていた
叶わない恋でも、凉白先輩のことがずっと好きだから
_________
3年前、中学に入学してすぐの頃だった
入ったばかりの中学で、地味で大人しそうな僕は雑用をたくさん任されていた
職員室まで持っていくプリント、宿題だった理科のドリル、2教科分の全員のノートやその他色々を1人で運ばなければいけなかった
次の授業まであまり時間がない
怖いけど早く済ませるため、前の見えないまま荷物を持って、階段を降りていく
フラフラとした足取りで降りているとき、当然だけど階段を踏み外してしまった
「っ……!!」
「危ないっ!」
がしっと腕を掴まれ、転げ落ちずに済む
ばさばさとノート類が落ちていく音を聞きながら、反射的にに後ろを向く
すると輝かんばかりの美形がすぐにあったのだ
「ひゃあッ!?」
驚いて階段の上にいることも忘れて、後ずさろうとしてしまう
そんな僕を抱きとめて、踊り場まで連れていってくれた
綺麗なアーモンドアイが、僕に身長を合わせて屈んでくれて、まっすぐこちらを見つめる
「こんな荷物1人で持てるわけないよ。誰かに任されたの?俺も一緒に運ぶね」
そのまま凉白先輩は僕を手伝ってくれた
さらに教室まで着いてきてくれて、こんなことは辞めるようにとクラスの人に告げてくれたのだ
初めて会った僕を助けてくれて、僕のために叱ってくれた
今でも思い出すだけで、ドキドキと胸が高鳴る
凉白先輩が好き
人前で堂々とまっすぐ発言する涼白先輩
その大きな背中の影で、僕の震える手を安心させるようにぎゅっと握ってくれたあたたかい手
あの日から、凉白先輩は僕の光だった
___________
凉白先輩を追うように入った高校でも、凉白先輩は人気者で周りにはたくさん人がいる
当然全く関わりがないまま、眺めるだけの日々を送っている
ドアをゆっくりと開けて教室に入る
「……し、しつれいしますっ」
「わ、千歳くん。お疲れ様」
「!?…………ぉ、おっ!おお疲れ様で、す……!」
ドアの前にはドアを開けようとする凉白先輩がいた
凉白先輩との初めての会話に、実感が湧かないくらい嬉しい
しかも、名前を何故か知っててくれた……!
すごい!こんな幸運なことが……!
凉白先輩の邪魔にならないように、急いでドアの前からどいて、反射的に高鳴る胸に手を当てる
信じられないくらいドキドキしていて、ちょっとバカみたいだなと思った
そんな僕に、ドアを開けて出ていくかと思われた凉白先輩が耳元で内緒話をした
「俺、千歳くんと仲良くなりたくて。今日一緒に帰ってくれるなら、委員会の後ちょっと残っててほしいな」
「っへ……?」
そう言い残して、教室から去っていった
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