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4章
黒竜レスト
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空からドラゴンが降りてきました。
そのドラゴンは黒くとても大きな体をしていました。
翼を羽ばたかせ、風を舞わせながらフォノン達の前に降りてきます。
胸には七つの宝玉が黒く光っています。
「旅人か?」
と黒竜は吠えるように言いました。
恐ろしい声です。
「どこへ行く」
ギロリと黄色い目で睨みます。
「僕達は北のモレンド山脈の麓まで」
「僕はそこのスタッフの迷宮へ」
フォノンとハッカはそれぞれ言いました。
「僕達はここを通して欲しいだけなんだけど」
とフォノンは言いました。
「僕は七色のドラゴン達に用がある」
とハッカは言いました。
「どちらも叶わぬ」
と黒いドラゴンは意地悪く笑いました。
「お前達は我に食われる運命だからな」
ローランドがずいと前に出て言いました。
「ずいぶん偉そうなドラゴンだな。相手になってやろうか?」
と赫い目を光らせ剣に手をやります。
あれ、ローランド!話し合いって言ってなかったっけ?とフォノンは思いました。
「ふん。威勢がいいと思えばうさぎごときが何を言う」
と黒いドラゴンは馬鹿にしたように笑いました。
「お前などひと飲みだ!」
「やってみろ。腹の中で暴れてくれる!」
黒いドラゴンとローランドは睨み合います。
その時、シンが言いました。
「待って!あなたはなぞなぞを出すって聞いたわ」
「何故そのことを知っている」
と黒いドラゴンはローランドから視線を外し、シンの方を向いて言いました。
「確かに誓約で人を喰べるには一つなぞなぞを出すことになっている」
「じゃあ、そのなぞなぞを解いたら、願いを三つ聞いてちょうだい」
「なんだと!強欲な娘め!我はランプの魔人では無いぞ!」
黒いドラゴンの口から怒りの炎がチロリと吐かれます。
それにも怯まずにシンは大胆な提案をしました。
「話は最後まで聞いてちょうだい。その代わり答えるのは私達のうち一人だけでいい。もしその一人が間違えたら全員喰べていいわ」
フォノンとハッカは顔を見合わせました。
「なんか、すごいこと言ってる」
ユニがボソリと言いました。
「あのこ、ああ見えて時々度胸いいから」
そして頭を抱えます。
「それになぞなぞマニア……」
黒いドラゴンは考えて、押し黙ってしまいました。
「なんだ、正解されるのが怖いのか?図体はデカいがずいぶんと臆病なことだな」
とローランドは挑発します。
「どうせ大したことない、なぞなぞなんだろ?」
ギロリとドラゴンはローランドを睨みます。
「良かろう、ただし三つの願いというからにはなぞなぞも三つ解いてもらう」
ドラゴンは狡く笑いました。
「一つでも解けなければ、お前達を喰ってやるからな」
ローランドは肩をすくめて言いました。
「セコイやつめ」
黒いドラゴンは鋭い爪を伸ばしでシンを指差しました。
「そして娘!答えるのはお前だ!」
シンは腰に手を当て胸を張って答えます。
「受けてたつ!」
ドラゴンは翼をたたむと四つ足を曲げ座りました。
「では手始めに第一問だ。」
触ることも見ることもできないが小さくも大きくもなるものなーんだ。
「触れなくて見れないということは、聞くことはできるのね。そして小さくも大きくもなるもの。わかった!音ね!」
ドラゴンは前脚を立てて言います。
「ぬぬ、やるな。では第二問だ。」
頭と胴体と尻尾はあるが手と足がなく動物ではないがそれでも鳴くものなーんだ。
「頭と胴体と尻尾があるけれど手と足がなくてヘビ?
動物じゃないから却下。鳴く(音を出す)から音符だわ!」
ドラゴンは四つの足で立ち上がります。
「ぬぬぬ小癪な娘め!これはわかるまい!最後の問題だ」
上にも下にも行けるけれど同じで違う繰り返しで、人は上ることも下るくこともできない階段ってなーんだ
「上にも下にも行けて同じで違うの繰り返しって螺旋階段?でも人は上ることも下ることもできないのね。うーん……音……音符……そうか!音階よ!ドレミファソラシね!」
ビシャーンと小さな雷が黒いドラゴンの周りに落ちました。
「まさか、まさかまさか、まさかまさかまさか、まさかまさかまさかまさか、まさかまさかまさかまさかまさか」
「我のなぞなぞが破られるなんてー」
黒いドラゴンは相当ショックだったようです。
いえ、それだけではありません、体の大きさも半分くらいになってしまいました。
フォノンはユニと一緒にシンに抱きつきました。
「すごいやシン!本当に正解を答えるなんて!」
そして気付きました。シンが小さく震えてることに。
やはり怖かったに違いありません。
ドラゴンが言いました。
「誓約により我が名前を告げねばならない」
「受け取るが良い」
「我の名はレスト」
「確かに名を頂いた黒竜レスト」
と魔法使いの弟子のハッカが言いました。
「名前は契約の基本だからね」
そのドラゴンは黒くとても大きな体をしていました。
翼を羽ばたかせ、風を舞わせながらフォノン達の前に降りてきます。
胸には七つの宝玉が黒く光っています。
「旅人か?」
と黒竜は吠えるように言いました。
恐ろしい声です。
「どこへ行く」
ギロリと黄色い目で睨みます。
「僕達は北のモレンド山脈の麓まで」
「僕はそこのスタッフの迷宮へ」
フォノンとハッカはそれぞれ言いました。
「僕達はここを通して欲しいだけなんだけど」
とフォノンは言いました。
「僕は七色のドラゴン達に用がある」
とハッカは言いました。
「どちらも叶わぬ」
と黒いドラゴンは意地悪く笑いました。
「お前達は我に食われる運命だからな」
ローランドがずいと前に出て言いました。
「ずいぶん偉そうなドラゴンだな。相手になってやろうか?」
と赫い目を光らせ剣に手をやります。
あれ、ローランド!話し合いって言ってなかったっけ?とフォノンは思いました。
「ふん。威勢がいいと思えばうさぎごときが何を言う」
と黒いドラゴンは馬鹿にしたように笑いました。
「お前などひと飲みだ!」
「やってみろ。腹の中で暴れてくれる!」
黒いドラゴンとローランドは睨み合います。
その時、シンが言いました。
「待って!あなたはなぞなぞを出すって聞いたわ」
「何故そのことを知っている」
と黒いドラゴンはローランドから視線を外し、シンの方を向いて言いました。
「確かに誓約で人を喰べるには一つなぞなぞを出すことになっている」
「じゃあ、そのなぞなぞを解いたら、願いを三つ聞いてちょうだい」
「なんだと!強欲な娘め!我はランプの魔人では無いぞ!」
黒いドラゴンの口から怒りの炎がチロリと吐かれます。
それにも怯まずにシンは大胆な提案をしました。
「話は最後まで聞いてちょうだい。その代わり答えるのは私達のうち一人だけでいい。もしその一人が間違えたら全員喰べていいわ」
フォノンとハッカは顔を見合わせました。
「なんか、すごいこと言ってる」
ユニがボソリと言いました。
「あのこ、ああ見えて時々度胸いいから」
そして頭を抱えます。
「それになぞなぞマニア……」
黒いドラゴンは考えて、押し黙ってしまいました。
「なんだ、正解されるのが怖いのか?図体はデカいがずいぶんと臆病なことだな」
とローランドは挑発します。
「どうせ大したことない、なぞなぞなんだろ?」
ギロリとドラゴンはローランドを睨みます。
「良かろう、ただし三つの願いというからにはなぞなぞも三つ解いてもらう」
ドラゴンは狡く笑いました。
「一つでも解けなければ、お前達を喰ってやるからな」
ローランドは肩をすくめて言いました。
「セコイやつめ」
黒いドラゴンは鋭い爪を伸ばしでシンを指差しました。
「そして娘!答えるのはお前だ!」
シンは腰に手を当て胸を張って答えます。
「受けてたつ!」
ドラゴンは翼をたたむと四つ足を曲げ座りました。
「では手始めに第一問だ。」
触ることも見ることもできないが小さくも大きくもなるものなーんだ。
「触れなくて見れないということは、聞くことはできるのね。そして小さくも大きくもなるもの。わかった!音ね!」
ドラゴンは前脚を立てて言います。
「ぬぬ、やるな。では第二問だ。」
頭と胴体と尻尾はあるが手と足がなく動物ではないがそれでも鳴くものなーんだ。
「頭と胴体と尻尾があるけれど手と足がなくてヘビ?
動物じゃないから却下。鳴く(音を出す)から音符だわ!」
ドラゴンは四つの足で立ち上がります。
「ぬぬぬ小癪な娘め!これはわかるまい!最後の問題だ」
上にも下にも行けるけれど同じで違う繰り返しで、人は上ることも下るくこともできない階段ってなーんだ
「上にも下にも行けて同じで違うの繰り返しって螺旋階段?でも人は上ることも下ることもできないのね。うーん……音……音符……そうか!音階よ!ドレミファソラシね!」
ビシャーンと小さな雷が黒いドラゴンの周りに落ちました。
「まさか、まさかまさか、まさかまさかまさか、まさかまさかまさかまさか、まさかまさかまさかまさかまさか」
「我のなぞなぞが破られるなんてー」
黒いドラゴンは相当ショックだったようです。
いえ、それだけではありません、体の大きさも半分くらいになってしまいました。
フォノンはユニと一緒にシンに抱きつきました。
「すごいやシン!本当に正解を答えるなんて!」
そして気付きました。シンが小さく震えてることに。
やはり怖かったに違いありません。
ドラゴンが言いました。
「誓約により我が名前を告げねばならない」
「受け取るが良い」
「我の名はレスト」
「確かに名を頂いた黒竜レスト」
と魔法使いの弟子のハッカが言いました。
「名前は契約の基本だからね」
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