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第2章 vs陸王
第2章25話 陸王襲来! 陸王の正体
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氷室らそれぞれが新技の訓練を初めて3日がたった。それぞれが新技の感覚を掴んでいく中、第1の基地内に警報が鳴り響く。
「彩音、数と距離は?」
「はい、それが・・・。」
彩音はなぜか困惑しているようだ。
「どうした?」
「いえ、距離はここから5時の方向約10km先の市民立ち入り禁止区域です。数は1体です。」
「1体?周辺の避難状況は?」
「一番近い住宅街の人たちの避難はもう間もなく完了します。」
「わかった。俺たちが現場に行く。他の団員は市民の避難を最優先で進めろ。」
「かしこまりました。」
「涼介兄たち行くよ。」
「おう。」
悠・氷室・スターク・ソフィアの4人はすぐに現場へ急行した。この時、悠はかなり嫌な予感がしていた。
「みんな今回かなり気合入れないといけないかもしれない。」
「どういうことだ?」
「このタイミングで1体だけで攻め込んで来るのなんて恐らく。」
「そういうことか。」
スタークは何か察したかのように言った。そして、現場に到着した師団長達は霧を前にしてすでに臨戦態勢に入っていた。
「出てくる前でこんな威圧感があるなんて。こんなの初めて。」
「そうだろうな。恐らく相手は・・・。」
霧から出てきたのは平安貴族のような衣服を身にまとった身長180cm近くある男性であった。右手に扇子を持ち、首には大きな珠が12個付いた数珠をつけていた。
「なんと、すでにいるとはな。流石と言っておくべきか。」
「悠こいつは。」
「あぁ、眷属の時点で予想はしていたがビンゴだったな。強力な式神を使役し陸地を支配する陸王『陰陽師 安倍晴明《あべのせいめい》』。」
「ほぉよく余のことを調べたなそこの小僧。褒めてやる。」
「悠、安倍晴明って?」
「安倍晴明は昔の東部が平安時代と言われていた頃にいた天才陰陽師の事だ。式神を使役しありとあらゆる怪事件を解決したとされている。」
「そんな奴がなんで魔王の眷属なんかに。人助けが生業なんんじゃ。」
「表向きはな。」
「表向き?」
「陰陽師が使役する式神っていうのは主に悪霊や妖怪の類だ。そんな式神を強くするには人の命や不幸を集めるのが手っ取り早い。そして、こいつが解決した怪事件は解決するまでにかなりの犠牲が出ている。」
「まさか!」
「あぁ表向きは苦労して解決したように見せて本当は自分の式神を暴れさせて十分な犠牲が出た段階で回収してただけ。こうして出来上がったのが『十二天将《じゅうにてんしょう》』最強の12体の式神だ。」
安倍晴明は頷きながら拍手し答えた。
「正解だ。よくわかったな。」
「お前の伝承は不可解な点がいくつかあったからな。」
「ほぉ。」
「まずは、さっき言った犠牲が多すぎる点。明らかに事前に防げていた犠牲が多すぎる。そして、事件の最後が大体討伐じゃなくて追い払ったり和解が多かった。流石にこれは不自然すぎる。」
「なるほど、なかなか賢いようだ。あいつらがやられるわけだ。」
安倍晴明は一瞬、殺気を少しだし、さらに威圧感が増した。遠く離れた避難している市民や団員たちはその威圧感を感じ取り、一瞬自身の死を悟った。
「なんつう威圧感してんだよ。流石三王ってわけか。」
「これは一筋縄ではいかねぇな。」
「基からそのつもりよ。」
「ほぉこの圧に屈しないか。楽しめそうだ。」
安倍晴明は数百体のキメラ型を召喚した。
「まずはお前たちの力を試させてもらう。」
「舐めるなよ。」
4人の師団長の連携により2分としないうちに数百体いたキメラ型を殲滅した。
「やるなぁ。流石にキメラ型ごときじゃ苦戦しないか。では。」
安倍晴明は4枚のお札を懐から取り出して
「『騰蛇《とうだ》』・『天空《てんくう》』・『天后《てんこう》』・『大裳《たいも》』救急如律令。」
4体の式神を呼び出して四方に散らせた。
「さぁ守って見せろ。」
「みんな頼んだ。」
「任せろ。」
「気張れよ。」
「やってやるわ。」
悠を除いた師団長達は安倍晴明の呼び出した式神を各々追いかけた。
「お前は行かなくてもいいのか?師団長はお前を除いて3人。1人足りないぞ。」
「あぁ、大丈夫だ。残りの方角には俺の優秀な部下がいるからな。それよりお前をここでフリーにする方が危険だ。」
「お前1人で余を倒せるとでも?」
「簡単には無理だろうな。でも、やらなきゃみんなが死ぬだけだ。」
悠は指輪から『桜』を呼び出した。
「行くぞ。」
「来い!」
「彩音、数と距離は?」
「はい、それが・・・。」
彩音はなぜか困惑しているようだ。
「どうした?」
「いえ、距離はここから5時の方向約10km先の市民立ち入り禁止区域です。数は1体です。」
「1体?周辺の避難状況は?」
「一番近い住宅街の人たちの避難はもう間もなく完了します。」
「わかった。俺たちが現場に行く。他の団員は市民の避難を最優先で進めろ。」
「かしこまりました。」
「涼介兄たち行くよ。」
「おう。」
悠・氷室・スターク・ソフィアの4人はすぐに現場へ急行した。この時、悠はかなり嫌な予感がしていた。
「みんな今回かなり気合入れないといけないかもしれない。」
「どういうことだ?」
「このタイミングで1体だけで攻め込んで来るのなんて恐らく。」
「そういうことか。」
スタークは何か察したかのように言った。そして、現場に到着した師団長達は霧を前にしてすでに臨戦態勢に入っていた。
「出てくる前でこんな威圧感があるなんて。こんなの初めて。」
「そうだろうな。恐らく相手は・・・。」
霧から出てきたのは平安貴族のような衣服を身にまとった身長180cm近くある男性であった。右手に扇子を持ち、首には大きな珠が12個付いた数珠をつけていた。
「なんと、すでにいるとはな。流石と言っておくべきか。」
「悠こいつは。」
「あぁ、眷属の時点で予想はしていたがビンゴだったな。強力な式神を使役し陸地を支配する陸王『陰陽師 安倍晴明《あべのせいめい》』。」
「ほぉよく余のことを調べたなそこの小僧。褒めてやる。」
「悠、安倍晴明って?」
「安倍晴明は昔の東部が平安時代と言われていた頃にいた天才陰陽師の事だ。式神を使役しありとあらゆる怪事件を解決したとされている。」
「そんな奴がなんで魔王の眷属なんかに。人助けが生業なんんじゃ。」
「表向きはな。」
「表向き?」
「陰陽師が使役する式神っていうのは主に悪霊や妖怪の類だ。そんな式神を強くするには人の命や不幸を集めるのが手っ取り早い。そして、こいつが解決した怪事件は解決するまでにかなりの犠牲が出ている。」
「まさか!」
「あぁ表向きは苦労して解決したように見せて本当は自分の式神を暴れさせて十分な犠牲が出た段階で回収してただけ。こうして出来上がったのが『十二天将《じゅうにてんしょう》』最強の12体の式神だ。」
安倍晴明は頷きながら拍手し答えた。
「正解だ。よくわかったな。」
「お前の伝承は不可解な点がいくつかあったからな。」
「ほぉ。」
「まずは、さっき言った犠牲が多すぎる点。明らかに事前に防げていた犠牲が多すぎる。そして、事件の最後が大体討伐じゃなくて追い払ったり和解が多かった。流石にこれは不自然すぎる。」
「なるほど、なかなか賢いようだ。あいつらがやられるわけだ。」
安倍晴明は一瞬、殺気を少しだし、さらに威圧感が増した。遠く離れた避難している市民や団員たちはその威圧感を感じ取り、一瞬自身の死を悟った。
「なんつう威圧感してんだよ。流石三王ってわけか。」
「これは一筋縄ではいかねぇな。」
「基からそのつもりよ。」
「ほぉこの圧に屈しないか。楽しめそうだ。」
安倍晴明は数百体のキメラ型を召喚した。
「まずはお前たちの力を試させてもらう。」
「舐めるなよ。」
4人の師団長の連携により2分としないうちに数百体いたキメラ型を殲滅した。
「やるなぁ。流石にキメラ型ごときじゃ苦戦しないか。では。」
安倍晴明は4枚のお札を懐から取り出して
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4体の式神を呼び出して四方に散らせた。
「さぁ守って見せろ。」
「みんな頼んだ。」
「任せろ。」
「気張れよ。」
「やってやるわ。」
悠を除いた師団長達は安倍晴明の呼び出した式神を各々追いかけた。
「お前は行かなくてもいいのか?師団長はお前を除いて3人。1人足りないぞ。」
「あぁ、大丈夫だ。残りの方角には俺の優秀な部下がいるからな。それよりお前をここでフリーにする方が危険だ。」
「お前1人で余を倒せるとでも?」
「簡単には無理だろうな。でも、やらなきゃみんなが死ぬだけだ。」
悠は指輪から『桜』を呼び出した。
「行くぞ。」
「来い!」
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