奪われし者の強き刃

ゆうさん

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第2章 vs陸王

第2章4話 大統領登場 ソフィアの『ギフト』

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悠たちが大臣にデモの真実を聞き出そうとしているとき、とある人物が書斎にやってきた。

 「なにやら、盛り上がってるな。」

 「あなたは!」

大臣が驚いた様子で声を上げ、悠たちは扉のほうに目を向けた。

 「久しぶりだな悠坊。」

 「お久しぶりです。大統領。」

現れたのは南部の現大統領のルーカス・ムーア。前第4師団の師団長で現第4師団の師団長、ソフィアの戦闘の師匠であった人物だ。

 「師匠、お久しぶりです。」

 「おう、ソフィア。ちゃんと修行してるか。」

 「もちろんです。」

 「大統領、どうしてこのようなところに。」

スタークが話を切り出した。

 「ん?あぁ、悠坊が南部に来ているって報告を受けたから会いにな。それと、デモ活動のことも気になってたからな。」

 「まぁ、やっとこさ仕事を終わらせて止めるために行ったらデモは終わってたんだけどな。市民を守ってくれたんだってな、ありがとな悠坊。」

ルーカス大統領は悠の頭を撫でた。悠は少し恥ずかしそうに

 「いえ、市民を守るのは当然なことなので。」

 「それはそうと、大臣。お前デモが起きるように市民を煽ったそうじゃないか。」

 「いえ、決してそのようなことは。」

大臣は冷や汗をかきながら話そうとした時

 「じゃあ市民が俺に嘘を言ったってことか?」

 「すみません。」

大臣はルーカス大統領の気迫に負けてすべてを自白した。

 「まったく。そんな子供じみた理由でしょうもないこと市民にさせるなよ。」

 「お前の処分はおいおい話すから待っとけよ。」

 「はい。」

 「迷惑かけてすまなかったな。後はこっちで対処するから。」

 「はい、ありがとうございます。」

 「にしても、総司令殿はさぞお怒りだっただろうな。一度謝罪に行かなきゃな。」

 「いえ、千代さんにはこちらから話をしておきますからご心配なく。」

 「そういうわけにもいかないんだよ。」

ルーカス大統領は何かを思い出したかのように暗い顔をして

 「総司令殿は悠坊のことに関しては厳しいからな。謝罪に行くことと日時は改めて連絡するって言っておいてくれ。」

 「?わかりました。」

悠たちは大使館を後にした。

 「とりあえず、解決してよかったな悠。」

 「そうだなスターク。」

何とか解決した束の間、再び警報が鳴り響いた。

 「またか、彩音。場所は?」

 「はい、ここから第3の基地の方向に5キロ地点ですね。かなり大きい霧が発生しています。」

 「了解。彩音はここから状況を報告してくれ。行くぞ、スターク、ソフィア。」

 「あぁ。」

 「うん。」

3人は魔物の出現地点に向かって走り出した。

 「団長まもなく目的地です。周辺の避難は完了しています。」

 「わかった、異変があったら報告してくれ。」

 「了解。」

 「悠、いたわ。人型が20体と人獣型が10体。」

 「OK、1人ノルマ10体ね。」

 「「了解」」

それぞれが殲滅へとむかった。ソフィアは地面から剣を作り出し、次々と魔物を殲滅していった。

第4師団長ソフィア・スミスの『ギフト』は【錬金術師】《アルケミスト》。物質を別の物質へと変換、分解、創造することができる『ギフト』。ただし、質量は同じ物しか作れず、未知の物質を作り出すことはできない。

 「こっちは終わったよ。」

 「こっちもだ。」

 「こっちも今終わった。」

あっという間に殲滅してしまった。

 「油断するなよ。また合体するかも知れないからな。」

 「「了解。」」

そこに彩音から通信がきた。

 「団長お疲れ様です。生体反応が消滅しました。先程のように合体する恐れはないかと。」

 「わかった。」

 「合体する恐れはないそうだ。回収して基地に戻るか。」

 「そうだな、ソフィアはどうする?自分の基地に戻るか?」

 「いえ、そちらに一回お邪魔するわ。久しぶりに悠と稽古したいし。」

 「わかった。じゃあ戻るか。」

3人は魔物と彩音を回収して第3の基地へと戻っていった。帰り着くころには日の暮れていて悠たちは第3、第4の師団員と夕食をとった後、ソフィア、スタークと稽古をすることになった。

 「スターク、ソフィア。ルールはどうする?」

 「『ギフト』ありで一本取ったほうの勝ちっていうのはどうだ?」

 「私はそれでいいわよ。」

 「わかったそれでいこう。」

 「師団員が見学するけどいいよな。」

 「いいぞ。1人ずつか?」

 「あぁ。とりあえずな。」

 「了解。どっちから来る?」

 「私から行くわ。」

そう言って、ソフィアは前に出て、見学している師団員に

 「あなた達よく見てなさい。今から見るのは師団最強の男の戦いよ。」

ソフィアは地面から剣を作り出し構えた。

 「おいで『姫』」

悠は指輪から2本の小太刀を出した。

 「ソフィア、準備はいいか?」

 「えぇ、いつでも。」

 「スターク、合図をくれ。」

 「わかった。」

 「それでは模擬戦、始め!」
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