アメジストは夕暮れに神秘に煌めく

十六夜

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第1章 旅立ち

第12話 騎士と冒険者

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「まぁ、お前が悪い奴ではないことは、分かった。ただ、他の奴らにゃあ聞こえなかった神獣の声が聞こえたってことが、よく分かんねぇんだよなぁ」

 第2騎士団長の言葉に、皆がハッとなった。
 よく考えてみれば、フィーリは聖女だから神獣の声が聞こえるのは分かる。けれど、そうすると、俺は一体全体何者なのか。

「ふむ。神獣の声を聞くことの出来る、種族か…。あまり、聞いたことがないのぅ。おいおい、調べてみるとするか。キールのご両親について、何か分かるかもしれんしな」

 ニッコリと微笑んだじっちゃんだったが、その後ろで遠慮がちに側近の一人が意見を述べる。

「そうは言いますが、御館様。昨今性急に調べねばならないことは、そこの少年の出自より、スタンピードの件です。何者がこの件に関わっているか、調べねばなりますまい」
「そうじゃな。王都へも一度、早馬を出さねばなるまい。
 レイゾールらよ、報告ご苦労であった。今日の所は、これで終いとしよう」


 俺達はじっちゃんに挨拶をしてから、辺境伯領主の館を後にした。



「取り敢えず、この後はどうしましょうか」

 カイルが皆を見回して、質問する。

「取り敢えず、第3騎士団は領都で活動だな。他の騎士団の練習場を借りられるか、伺いを立てないといけない」

 ダンケが指を順番に折って、やることを数えていく。

「今日のところスタンピードの件で、御館様は忙しいだろう。しかし、サメノー村の復興に関しても、どうすべきか伺わなければならない。被害は甚大だ。俺達だけでどうこう出来ない。
 他の騎士団に協力を要請するべきか、それとも……」

 ダンケはその先を濁した。
 けれど、言いたかったことは分かる。

 《村を、捨てるか……》

 サメノー村は、何度も言うように、領内の防衛の要ではない。
 辺境伯領というのは、国の境界線を侵されないようにという重要な任務がある。
 が、今まで険しい渓谷と山脈を隔てた隣国からの侵入はなかったので、正直サメノー村がなくとも辺境伯領は大丈夫だ。

 《しかし、今回の事で魔物という例外が出来たんだよな》

 攻めてこない。しかし、分からないのだ。


「それも含め、伺いを立てなきゃならねぇ事ばっかだよな。取り敢えず、暫くはこのまま様子見なんじゃねぇか?」

 ハインリッヒが適当そうで適格な事を言い、皆は頷いた。



 それからは、毎日が意外な程早く過ぎていった。

 ミドは魔道士から義手を作ってもらい、騎士団の籍を抜けた。その後、なんとケビンの妹と結婚した。
 なんでも、ケビンの妹は、以前からミドに求婚を繰り返していたらしい。
 ミドも満更では無かったようだが、辺境伯領の果ての地で、いつ命を失うともしれぬ身で騎士を続けることは、彼女を幸せには出来ないと、断り続けていたそうだ。
 今回、ミドが両腕を失ったと聞き、真っ先に駆けつけて来たのが彼女だった。

 益々彼女に相応しくないと言うミドに、彼女はめげずに口説き続けた。


「私はね、ミド。あなたに守ってもらいたいから、あなたにプロポーズしてるんじゃないの。
 ただ、幸せにして欲しいなんて、思ってない。
 私は、ミドと一緒に、ミドの好きな物を私も傍で見ていたいだけ。

 私、ミドの作るものが大好きよ。
 ミドの腕がないなら、私が代わりにミドの腕になる。もう刺繍や裁縫ができないって言うなら、私が作ってあげる。
 え? 私が不器用?
 し、失礼ね。ミドの為なら、刺繍くらい軽くこなせるわよ。

 私を幸せに出来るのは、ミドだけ。
 ミドを幸せに出来るのも、私だけ。
 だから、ね。私と一緒に、幸せになりましょう。ミド」


 そう言って、日焼けしたそばかすのある顔を満面の笑顔で彩りミドに笑いかけていた彼女と、そんな彼女の前で真っ赤になりながら、「マーシャは格好良過ぎるよ…。こんなに素敵なプロポーズ…受けるしかないじゃないか……」と少し不貞腐れていたミドとが、とても印象的だった。

 俺達は皆で、ミドの幸せを祈り、新たな門出を祝した。
 結婚式は質素だったが、多くの友人達に祝福され、二人は夫婦となった。

 不幸なことばかり続いていた辺境伯領に、一つ、喜びが灯った日だった。


 ミドは結婚してダンケの家を出ていったが、俺達は変わらず、六人で同居生活を送っていた。
 少なくとも俺は出ていくべきじゃないかとも思ったのだが、皆から、「子供は大人に甘えるもんだ」と言われ、一緒に住み続けている。

 俺は、いつになったら彼らにこの感謝を返せるだろう。


 ケビンとムースは、その後も変わらず、騎士を続けていた。変わったことと言えば、彼らと俺と三人で、冒険者登録を行った事くらいだろうか。


「冒険者登録?」

 その日、夕食の席でケビンが言った言葉に、俺は首を傾げる。

「うん。この際だから、やっておいて損は無いかと思う。相変わらず魔物の活性化はとまらないし、冒険者として登録しておけば、休みの日に領外へでて魔物を狩ることも出来るだろ?
 知識も深まるし、一石二鳥かと思って」


 あの後第3騎士団は、駐屯地を領都へと移し、活動内容を領内外の魔物の駆逐に変更された。
 大きなスタンピードは起こらないものの、魔物の活性化は留まることを知らず、徐々に被害件数は増え続けていたからだ。

 辺境伯領のみでの事態なのかと思いきや、国の至る所で…否、各国で同様の被害が確認されていた。

 そこで、各国は急遽、国の自治にそれぞれの貴族のもつ騎士団や傭兵団、冒険者達を総動員し、魔物の駆逐に全力を注ぐこととなる。

 この未曾有の事態に、各国や他組織との連携が必要不可欠であったからだ。


 そんな訳で、魔物の駆逐に関して右に出るものは無いとされる冒険者達の仲間入りを、俺とケビンとムースは果たした。
 ぼぉーっとしていても魔物の脅威からは逃れられないし、正当な報酬も貰えるため、一石二鳥だった。


 ダンケやカイル、ハインリッヒ達も、騎士団を率いて領内の治安維持に邁進した。


 そんなこんなで現在。
 気が付けば、村を追われた日から実に2年半もの月日が流れていた。俺は、あと数日で17歳になる。

 そして今日も、冒険者として魔物狩りを行っていた。


「キール! そっちへ行ったぞ!」
「オーケー、任せろ!」

 ケビンが追い立てた魔物を、挟み撃ちで狩りとる。

「はぁぁぁあああああっ!」

 巨大化した魔物により振り下ろされた鋭い爪を避け、高く跳躍してその脳天に拳を叩き込んだ。

「グギギャャァァア!!!!!」

 断末魔と共に、地響きと砂埃を上げて倒れる魔物の屍を一瞥し、俺は追いついた仲間を振り返った。

「キール、腕を上げたな!」

 そう言って剣を仕舞いながら、ケビンがにこやかに笑いかけてくる。

「ありがとう。ケビンも、さっきの一撃格好良かったよ」
「そうか? いまいち、まだブレがあるように思えるんだ。まだ改良が必要だな」

 俺達は笑い合いながら、慣れた様子で魔物を解体していく。
 と、ムースの姿が見えないので、聞いてみることにした。

「そういえば、ムースは?」
「さっき、別の魔物を追っていたな。もう直ぐ、戻ってくるんじゃないか?」
「そうか。一人で平気かな?」
「ムース様だぞ。平気に決まってる」
「いや、獲物が大きすぎて運べないんじゃないかと」

 ムースならば有り得る話に、俺もケビンも無言になるが、解体する手だけは止めない。
 手早くやらないと、素材の質が悪くなってしまうのだ。それだけは避けたい。

「……」
「……」
「まぁ、無理なら呼ばれるだろ」
「ああ…確かに」
「ケビン、キール。ちょっと、手伝ってくれないか?」
「あ、ムース。また、大物を仕留めたんだな」

 呼ばれて振り返ると、俺達が仕留めたグリズリー熊のような魔物の更に二回り大きい個体を引き摺っているムースがいた。

 グリズリーの皮は剛毛に覆われているため、刃が通りにくい。また、使える素材は皮だけなので、引き摺ったくらいでは剛毛に阻まれ、表皮が傷つくことは無いし、気にする必要もなかった。


 《それより、この巨体を引き摺って来れるムースの凄さよ》

 感嘆しか出て来ない。


 そうして手早く処置を終えた俺達は、拠点にしていた街へと戻り、冒険者ギルドに向かった。


「おかえりなさい、三人とも。今日も大量ですね」
「メリンダさん。依頼内容の確認と、素材の鑑定を頼んでもいいかな」
「ええ勿論。暫くお待ち下さいね」

 そう言って微笑むのは、受付嬢のメリンダさんだ。
 彼女は俺達が冒険者を始めたばかりの頃からの知り合いだった。

 茶髪をきっちりと三つに束ね、頭の後ろに巻き付けていて、ビシッと制服を着こなしている。
 優しげだが芯の強さが窺える青い瞳は知性的で、スタイルも良かった。
 冒険者ギルド一のマドンナと称される程の彼女であるが、ただの受付嬢ではない。

 時に、荒くれ者の冒険者を物理的に諌められる程の実力の持ち主である。


 因みにだが、彼女に年齢を訪ねてはいけない。絶対にいけない。冒険者となって暫くした頃、酒の飲みすぎでうっかり質問した冒険者が、それはもう恐ろしい目にあっていた。
 くわばらくわばら……。

 そんなメリンダさんとの出会いは、今でも思い出せる。


 ***

「いらっしゃいませ。こちらはザウンゲン冒険者ギルドです。何かご依頼ですか?」
「冒険者登録をさせて頂きたいのです。可能ですか?」
「勿論です。すぐに準備させていただきますね。三名様共行われますか?」
「はい、そうです」
「畏まりました。こちらのカウンターにてお待ち下さい」

 俺達は辺境伯領にある、ザウンゲンという街の冒険者ギルドを訪れていた。
 ケビンの勧めであったが、ここは年長者であるムースが声を掛けた。

 受付らしき場所には、とても美人の女性がいる。また、ギルドの一階には、他の冒険者たちが話をしたり、軽く飲食をするスペースがあった。

 明らかに騎士然としているケビンとムース、そして子供の俺という傍から見るとちょっと不自然な取り合わせの俺たちを、その場の冒険者達がジロジロと眺めてくる。

 と、その内の飲食スペースで飲んでいたらしき男が立ち上がり、こちらへ歩いてきた。

「よぉ、騎士様じゃねぇか。こんな所に何の用だぁ?」
「私達は、冒険者登録にきました。それが何か」

 冒険者に話しかけられ、ムースが淡々と答える。ムースはあまり表情筋を動かさないし、その上寡黙なので、言葉尻がかなり冷淡に聞こえてしまう。
 相手もそう思ったのか、おどけたような身振りで続けた。

「何ってこたぁねぇけどよ。何でぇお綺麗な騎士様が、冒険者になろうなんて思ったんだあ? 給料が安かったのかよぉ」

 途端にドっと笑いが起こる。
 俺はケビンと顔を見合せ、ムースを仰ぎみた。
 表情は変わっていない。

 《挑発……されたんだよ、な? 多分。なんともまぁ、安い挑発だな。ムースは流石、全く動じてないけど》

 事実、給料が安かったとして、それが図星で逆上するような騎士、いたら困る。
 騎士はどんな時も冷静でいなければならない。常に群で行動するからだ。命令違反や単独行動は厳罰が下る。
 基本ソロで行動する冒険者とは、違う点だ。


「そうかもしれない。何せ、魔物の活性化で不景気ですから」
「不景気ねぇ…? 兄ちゃん、名前は?」
「ムースと、そう呼んでください」
「ムースか。冒険者は、あんたらが思ってるよりずっと荒っぽいところだぜ? 覚悟は出来てんのか?」

 冒険者がムースに凄んだが、ムースは何処吹く風である。

「荒っぽい上等ですね。私達の専売特許ですし」
「はっはっは! そぉかよ、専売特許か! 気に入ったぜ、俺はザドってんだ。よろしくな新入り!」

 ザドという冒険者とムースが握手したのを皮切りに、歓声が上がり、その場の冒険者達が次々に話しかけてきた。

 揉みくちゃにされて目を白黒させていたのは俺だけで、ムースもケビンも全く動じていなかった。
 後から聞いた話では、王都へ行く時はいつもこんな感じなのだとか。
 忘れていたが、ダンケ達はモテるのである。


「お、メリンダ姐さんがお呼びだぜ。早く行ってきな。姐さんを怒らせたら怖ぇかんな」
「メリンダ姐さん?」

 ザドが俺達にこっそり耳打ちをしてくれたが、そのメリンダ姐さんとやらが誰だか分からない。

「このザウンゲン冒険者ギルドのマドンナ受付嬢だ。怒らせたら、鞭が飛んでくるからな。後、歳は聞くなよ」

 俺達は受付嬢のいるカウンターへと戻り、説明を受けた。

「お待たせ致しました。それでは、こちらの水晶に一名ずつ手を当てて下さい」

 ムース、ケビン、俺の順番に手を当てていくと、それぞれ異なる色に水晶が光った。
 それから、小さい金属のプレートを手渡しされる。

「こちらが冒険者証となります。
 身分証の代わりとなるだけでなく、報酬の受け渡しや依頼の受注確認、冒険者情報などが閲覧できます。
 登録時に登録者の魔素を読み込んでいるので、第三者に盗難・使用される心配はありません。ですが失くした場合、再発行には50ガンツ必要となってしまうのでご注意下さい。

 依頼は案内板に掲載されているので、カウンターに持ってきていただければ対応させて頂きます。
  
 冒険者ランクは上からSSS.SS.S.A.B.C.D.E.F.Gとなっていて、皆さんはGランク冒険者となります。ランクを上げるのには昇任試験が必要ですが、実力さえあれば飛び級も可能です。
 また、受けられる依頼や報酬も上がるので、頑張ってください。

 Bランク以上はいくつかのギルドで昇任試験を受けていただく必要がございますが、これはまた、後日説明させて頂きます。

 何か、ご質問はおありですか?」
「あ、冒険者証って、他の町や国でも使えるんですか?」
「はい、可能です。ただ、国によっては冒険者ギルドの無い場所もございますので、遠征の依頼を受ける際等は事前にご確認していただくと良いかもしれません」

「他にご質問は?」と聞かれた俺達は、首を横に振る。

「以上で簡単な説明を終わらせていただきます。
 私はザウンゲン冒険者ギルドの受付係を務めておりますメリンダと申します。今後も何かございましたら、気軽に質問なさってください。
 それでは、いってらっしゃいませ」

 にこやかな笑みを浮かべるメリンダさんに見送られ、俺達は冒険者ギルドをあとにした。


 ***

「依頼内容の確認と、素材の測量が終了しました。素材は引取りでよろしかったですか?」
「うん。お願いします」

 慣れた様子で、俺はメリンダさんに頷く。
 ムースとケビンは案内板の方にいた。

「はい。それでは報酬ですが、Cランクパーティーの魔物討伐の依頼でしたので、こちらが2万5000ガンツです。
 また素材の引取りが、グリズリーの皮と臓物6点ずつ、ハイイロウルフの毛皮と爪が24点ずつ、サンダースライムの魔核が13点ですので、計3万6800ガンツとなります。
 いつもの様に、三等分なさいますか?」
「そうして下さい」
「畏まりました。それでは、冒険者証をお預かりします。お一人、2万600ガンツです。ご確認下さい」

 俺は二人から預かっていた冒険者証と自分のを纏めてメリンダさんに渡し、受け取った彼女が、それをギルドの大きいプレートの上に置く。
 ほんのりと光ったら、報酬がしっかり受け取れたという合図だ。

 何度見ても不思議な光景である。
 冒険者証とこのギルドごとに置かれている大きいプレートは魔道具の一種だそうで、触れ合わせることで報酬の受け渡しが可能だった。
 冒険者同士のやり取りならばこれで済んでしまうが、現金が必要な時は、カウンターで必要分だけ交換してもらえる。

 昔、エルフの魔道士が考えた技術なのだそうだ。


「そうだ、キールさん。ムースさんとケビンさんに、そろそろBランクの昇任試験を受けてもらうようにと、ギルド長が仰ってましたよ。それとなく、聞いてみてくださいますか?」

 メリンダさんの言葉に、俺は思わず苦笑いをした。

 2年半で、俺はDランク、ムースとケビンはCランクまで上げていき、パーティーを組んで依頼をこなしていった。
 元々騎士として経験が豊富だった二人は、慣れると直ぐにランクを上げていき、一年経つ前くらいには既にCランクだった。
 ただ、Bランクへの昇任試験には最低二つのギルドでの試験が必要なので、騎士団の任務の合間に冒険者をしている彼らにとっては、面倒なようだ。


 伝えておくよと言って、メリンダさんと別れ、俺は二人が待つ場所へと進んだ。
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