3 / 20
第1章 旅立ち
第2話 少女の秘密
しおりを挟む
《全く、フィーリは優しすぎる。いくら傷の治りが早いからって……》
俺は目の前を歩く少女を見つめる。
フィーリが悪魔の子と呼ばれてしまう理由として、もう一つある。それは、傷の治りが異常に早いという事だ。実の所、他人の傷も軽度なら治せる。だがこれは2人だけの秘密だ。
昔の事だが、フィーリは投げられた石の大きさと打ち所が悪くて、頭を怪我したことがあった。投げた方が真っ青になって逃げ出すくらい血がダラダラと流れて、死んでしまうのではないかと怖いくらいだったのを覚えている。けれど、驚く事に翌朝には傷は綺麗に塞がって普通に元気にしていたのだ。
さすがにバレたら面倒だと思ったので暫く家から出さなかったが、それでも子供だったとはいえ傷の痕が消えるのが早すぎると不審に思われ、擦り傷や切り傷の治りが異常に早すぎることに気づかれてしまった。
健康なのは良い事だろうと俺は思ったんだが、大人はそうでは無いらしい。薄気味悪いと言うようになった。大人になると悪態しか付けなくなるのかと真剣に悩んだものだ。
だが、それ以外は本当に普通の少女とおなじだ。
村の他の同い年の女の子達と比べても、断然フィーリの方が美人だと思う。
肌は色白で、髪も少しウェーブがかかっているのが柔らかそうに見える(実際柔らかい)プラチナブロンドだ。身長はスラッとしていてまだまだ成長しそうだが、フィーリは雰囲気がそもそも優しげなので華奢にも見える。
因みに俺は何の変哲もないブラウンの髪にブラウンの瞳で身長はフィーリよりも拳三つ分ほど高いが、体術をするようになってからぐんぐん伸びているので、多分もっと大きくなれると思う。さすがにフィーリより小さいと悲しい。
最近は筋肉が少しだけついてきたのだが、なかなか辺境伯のじっちゃんのようにはいかない。辺境伯兵の訓練所を覗くと皆格好良い筋肉をしている。羨ましい。
《もっと強くなりたい。いつかフィーリのことを守ってくれるやつが現れるまでは、俺がフィーリの事を守るんだから》
いつか……。
俺の代わりに絶対フィーリを守って、他の誰よりも愛してやれるような、そんなやつが現れて、フィーリをこの村から連れ出してくれるなら。
《……ま、それまでは俺が、目を光らせないとな。そんでもって石投げたやつ。お前はちゃんと川にぶち込んでやるからな。首洗って待ってろよ!》
と、あれこれ考えている間に村の外れの家に着いた。
フィーリは裏庭の井戸で手を洗っている。
俺とフィーリは、俺たちを森で拾って育ててくれた養父の家を譲り受けた。養父は3年ほど前に土に還った。元々心臓を悪くしていたらしい。
養父もフィーリを気味悪がらない内の一人だったが、それ以前に養父も変わり者として村の人から遠巻きにされていたし、本人もあまり、人付き合いをする方じゃなかった。
養父は冒険者だったそうだ。村に奥さんと引っ越してきたらしい。けれど戦争に行っている間に奥さんとまだ赤ん坊だった養父の本当の子供は、流行病で……。
それからは森番として、村の外れの家にひっそりと暮らしていたそうだ。冒険者も引退して。俺は冒険者組合がある大きな町から引退の手続きをした帰りに通った魔物によって壊された町跡を通った時、偶然見つけたそうだ。
フィーリも一年後位に、森で見つけたらしい。
初めてその話をされた時、……何でそんなに赤ん坊ばっかり見つけてくるんだと思った。自分の事だが、それにしても赤ん坊遭遇率が多いような気がする。
しかしまぁ、そのおかげで俺もフィーリも生きている。人生、何が起こるかわからん……、と言うのが養父の口癖だった。
俺もフィーりと同じように井戸の水で手を洗ってから家に入った。フィーリが庭の洗濯物を取り込んでいるうちに、晩飯の支度に取り掛かる。
今日のメニューはキノコとピグーガの肉のチーズ香草焼きである。香草は森で取ってきたもので、ピグーガは肉屋のエレンから買ったものだが、チーズはフィンの所の手伝いをした帰り、おすそ分けに貰ったのだ。
フィンには先日染布を分けてやったから、そのお礼だと思う。
ちなみににこの染布、フィーリの拵えた物である。養父に森に生えている植物を教わったフィーリは、その植物を使った染汁で布を染める方法を考えたのである。他所の村でも人気なので、おすそ分けすると、代わりに買うと高い食い物などと交換してもらえることが多いのだ。
フィーリは凄い。
「フィーリ、晩飯できたぞ」
そう呼ぶと、フィーリが洗濯カゴを持って家に入ってきた。カゴを部屋の隅に置き、平鍋の中を覗くと、うっとりとした顔をした。
「これ、チーズ香草焼き? キャア、やった! 私これ大好き!!」
そう。フィーリの好物なのだ。
俺はハハッ、と笑ってから、料理を皿に盛る。フィーリが戸棚からパンを取りだし、テーブルに乗せた。そして椅子に座り、ワクワクとした表情で料理を待つ。
俺が座るのを待ってから、二人で一斉に手を組んだ。
「「大いなる自然の恵みを司る万物の精霊よ。この糧を我らに与えて下さり感謝致します」」
食前の祈りを精霊に捧げてから、カトラリーを手に持った。
フィーリは既に口にしていた様で、身悶えで喜んでいる。
「う……うま……美味しいぃぃ!!!」
「今なんか変なこと言おうとしなかったか」
「ちゃんと美味しいに直したもん。うまいなんていってないよ?」
「……」
「あ、ありゃ?」
フィーリはエヘン!!と咳払いをしてまた食べ始めた。
俺も養父もフィーリには女の言葉遣いをするように言っていたのだが、育った環境が男っ気が多かったもんだから、時々あんな風に言い間違えたりするのだ。
こればっかりは、直してもらうしかない。苦労するのはフィーリなのだから。
俺も一口食べて味を確かめる。
《……うん。上手くできたな》
しばらく2人とも無言で食事をしていたが、ふとフィーリが話し始めた。
「そう言えば、もうすぐ、精霊祭りよね。今日ロジータの所でその話をしてたのよ。キールも行くでしょ?」
「精霊祭り……。もう、そんな時期か。早いな」
フィーリはロジータとエミルダの服屋で働いている。彼女達はフィーりより四つ年上の美人姉妹で、フィーリの裁縫の腕を高く買って雇ってくれたのだ。勿論、フィーリを変に忌避したりなんかしない。寧ろ俺と一緒になって、フィーリに近づく馬鹿を追い払ってくれている。
彼女達曰く、悪魔が裁縫なんか出来るもんですかっ!フィーリは天才よっ!?!?──との事だ。
あそこで働いている限り、フィーリは安全だろう。
それにしても──。
《精霊祭りか。今年は誰が選ばれんだろうな……。ま、俺とフィーリには関係ないけど》
「数年に1度精霊様からのお告げを聞くことが出来る日……だろう? 正直興味無いな。寧ろ、滅多にない休日だから、俺は家で寝てるよ」
精霊祭りの日だけは、村の仕事はほとんどお休みなのだ。露店を出す所だけは、いつも以上に気合が入っているけど。
最近は辺境伯のじっちゃん達のお陰で、森から出てくる魔物の数も殆どないし……。森版としての仕事も少ないから、久しぶりにゆっくりしようかと思う。
そう思って顔を上げると、フィーリが頬を膨らませていた。……可愛いな。
「むぅー! そんな事言わないで、一緒に出ましょうよぉ! 折角、衣装も作ったのにぃ!」
ああ、そういう事か。
「分かった分かった。祭りなんて久しぶりだもんな。偶には遊びたいよな。分ぁったよ」
「もぅ! キールってば、また子供扱いして!一歳しか違わないのに!!」
こうしてプンプンと怒っている様子は、年相応の13歳に見える。そして、その事に安心している俺がいた。
《まだ子供なんだ。本当だったら親がいて、仕事の手伝いの合間に友達と遊んだりしていても、許されたはずなんだ》
俺が一人で頷いていると、フィーリのじとー、っとした視線を感じた。
「なんか、失礼な事考えてない?」
「気の所為だな。それより、フィーリの事だから、俺の分の衣装まで作っているんじゃないのか?」
「そうなの! もうすぐで出来るから、当日を楽しみにしててね!」
フィーリが任せて!と言うように胸を逸らす。
「……。変なのは止めてくれよ?」
「どういう意味よ!!!」
暫く無言で見つめ合う。と、同時に吹き出した。
「プクククッ」「クスクス」
2人の笑い声が、静かな夜の闇にかすかに響いていた。俺はこんな日常が、ずっと続くと信じていた。
俺は目の前を歩く少女を見つめる。
フィーリが悪魔の子と呼ばれてしまう理由として、もう一つある。それは、傷の治りが異常に早いという事だ。実の所、他人の傷も軽度なら治せる。だがこれは2人だけの秘密だ。
昔の事だが、フィーリは投げられた石の大きさと打ち所が悪くて、頭を怪我したことがあった。投げた方が真っ青になって逃げ出すくらい血がダラダラと流れて、死んでしまうのではないかと怖いくらいだったのを覚えている。けれど、驚く事に翌朝には傷は綺麗に塞がって普通に元気にしていたのだ。
さすがにバレたら面倒だと思ったので暫く家から出さなかったが、それでも子供だったとはいえ傷の痕が消えるのが早すぎると不審に思われ、擦り傷や切り傷の治りが異常に早すぎることに気づかれてしまった。
健康なのは良い事だろうと俺は思ったんだが、大人はそうでは無いらしい。薄気味悪いと言うようになった。大人になると悪態しか付けなくなるのかと真剣に悩んだものだ。
だが、それ以外は本当に普通の少女とおなじだ。
村の他の同い年の女の子達と比べても、断然フィーリの方が美人だと思う。
肌は色白で、髪も少しウェーブがかかっているのが柔らかそうに見える(実際柔らかい)プラチナブロンドだ。身長はスラッとしていてまだまだ成長しそうだが、フィーリは雰囲気がそもそも優しげなので華奢にも見える。
因みに俺は何の変哲もないブラウンの髪にブラウンの瞳で身長はフィーリよりも拳三つ分ほど高いが、体術をするようになってからぐんぐん伸びているので、多分もっと大きくなれると思う。さすがにフィーリより小さいと悲しい。
最近は筋肉が少しだけついてきたのだが、なかなか辺境伯のじっちゃんのようにはいかない。辺境伯兵の訓練所を覗くと皆格好良い筋肉をしている。羨ましい。
《もっと強くなりたい。いつかフィーリのことを守ってくれるやつが現れるまでは、俺がフィーリの事を守るんだから》
いつか……。
俺の代わりに絶対フィーリを守って、他の誰よりも愛してやれるような、そんなやつが現れて、フィーリをこの村から連れ出してくれるなら。
《……ま、それまでは俺が、目を光らせないとな。そんでもって石投げたやつ。お前はちゃんと川にぶち込んでやるからな。首洗って待ってろよ!》
と、あれこれ考えている間に村の外れの家に着いた。
フィーリは裏庭の井戸で手を洗っている。
俺とフィーリは、俺たちを森で拾って育ててくれた養父の家を譲り受けた。養父は3年ほど前に土に還った。元々心臓を悪くしていたらしい。
養父もフィーリを気味悪がらない内の一人だったが、それ以前に養父も変わり者として村の人から遠巻きにされていたし、本人もあまり、人付き合いをする方じゃなかった。
養父は冒険者だったそうだ。村に奥さんと引っ越してきたらしい。けれど戦争に行っている間に奥さんとまだ赤ん坊だった養父の本当の子供は、流行病で……。
それからは森番として、村の外れの家にひっそりと暮らしていたそうだ。冒険者も引退して。俺は冒険者組合がある大きな町から引退の手続きをした帰りに通った魔物によって壊された町跡を通った時、偶然見つけたそうだ。
フィーリも一年後位に、森で見つけたらしい。
初めてその話をされた時、……何でそんなに赤ん坊ばっかり見つけてくるんだと思った。自分の事だが、それにしても赤ん坊遭遇率が多いような気がする。
しかしまぁ、そのおかげで俺もフィーリも生きている。人生、何が起こるかわからん……、と言うのが養父の口癖だった。
俺もフィーりと同じように井戸の水で手を洗ってから家に入った。フィーリが庭の洗濯物を取り込んでいるうちに、晩飯の支度に取り掛かる。
今日のメニューはキノコとピグーガの肉のチーズ香草焼きである。香草は森で取ってきたもので、ピグーガは肉屋のエレンから買ったものだが、チーズはフィンの所の手伝いをした帰り、おすそ分けに貰ったのだ。
フィンには先日染布を分けてやったから、そのお礼だと思う。
ちなみににこの染布、フィーリの拵えた物である。養父に森に生えている植物を教わったフィーリは、その植物を使った染汁で布を染める方法を考えたのである。他所の村でも人気なので、おすそ分けすると、代わりに買うと高い食い物などと交換してもらえることが多いのだ。
フィーリは凄い。
「フィーリ、晩飯できたぞ」
そう呼ぶと、フィーリが洗濯カゴを持って家に入ってきた。カゴを部屋の隅に置き、平鍋の中を覗くと、うっとりとした顔をした。
「これ、チーズ香草焼き? キャア、やった! 私これ大好き!!」
そう。フィーリの好物なのだ。
俺はハハッ、と笑ってから、料理を皿に盛る。フィーリが戸棚からパンを取りだし、テーブルに乗せた。そして椅子に座り、ワクワクとした表情で料理を待つ。
俺が座るのを待ってから、二人で一斉に手を組んだ。
「「大いなる自然の恵みを司る万物の精霊よ。この糧を我らに与えて下さり感謝致します」」
食前の祈りを精霊に捧げてから、カトラリーを手に持った。
フィーリは既に口にしていた様で、身悶えで喜んでいる。
「う……うま……美味しいぃぃ!!!」
「今なんか変なこと言おうとしなかったか」
「ちゃんと美味しいに直したもん。うまいなんていってないよ?」
「……」
「あ、ありゃ?」
フィーリはエヘン!!と咳払いをしてまた食べ始めた。
俺も養父もフィーリには女の言葉遣いをするように言っていたのだが、育った環境が男っ気が多かったもんだから、時々あんな風に言い間違えたりするのだ。
こればっかりは、直してもらうしかない。苦労するのはフィーリなのだから。
俺も一口食べて味を確かめる。
《……うん。上手くできたな》
しばらく2人とも無言で食事をしていたが、ふとフィーリが話し始めた。
「そう言えば、もうすぐ、精霊祭りよね。今日ロジータの所でその話をしてたのよ。キールも行くでしょ?」
「精霊祭り……。もう、そんな時期か。早いな」
フィーリはロジータとエミルダの服屋で働いている。彼女達はフィーりより四つ年上の美人姉妹で、フィーリの裁縫の腕を高く買って雇ってくれたのだ。勿論、フィーリを変に忌避したりなんかしない。寧ろ俺と一緒になって、フィーリに近づく馬鹿を追い払ってくれている。
彼女達曰く、悪魔が裁縫なんか出来るもんですかっ!フィーリは天才よっ!?!?──との事だ。
あそこで働いている限り、フィーリは安全だろう。
それにしても──。
《精霊祭りか。今年は誰が選ばれんだろうな……。ま、俺とフィーリには関係ないけど》
「数年に1度精霊様からのお告げを聞くことが出来る日……だろう? 正直興味無いな。寧ろ、滅多にない休日だから、俺は家で寝てるよ」
精霊祭りの日だけは、村の仕事はほとんどお休みなのだ。露店を出す所だけは、いつも以上に気合が入っているけど。
最近は辺境伯のじっちゃん達のお陰で、森から出てくる魔物の数も殆どないし……。森版としての仕事も少ないから、久しぶりにゆっくりしようかと思う。
そう思って顔を上げると、フィーリが頬を膨らませていた。……可愛いな。
「むぅー! そんな事言わないで、一緒に出ましょうよぉ! 折角、衣装も作ったのにぃ!」
ああ、そういう事か。
「分かった分かった。祭りなんて久しぶりだもんな。偶には遊びたいよな。分ぁったよ」
「もぅ! キールってば、また子供扱いして!一歳しか違わないのに!!」
こうしてプンプンと怒っている様子は、年相応の13歳に見える。そして、その事に安心している俺がいた。
《まだ子供なんだ。本当だったら親がいて、仕事の手伝いの合間に友達と遊んだりしていても、許されたはずなんだ》
俺が一人で頷いていると、フィーリのじとー、っとした視線を感じた。
「なんか、失礼な事考えてない?」
「気の所為だな。それより、フィーリの事だから、俺の分の衣装まで作っているんじゃないのか?」
「そうなの! もうすぐで出来るから、当日を楽しみにしててね!」
フィーリが任せて!と言うように胸を逸らす。
「……。変なのは止めてくれよ?」
「どういう意味よ!!!」
暫く無言で見つめ合う。と、同時に吹き出した。
「プクククッ」「クスクス」
2人の笑い声が、静かな夜の闇にかすかに響いていた。俺はこんな日常が、ずっと続くと信じていた。
0
読んで下さり、ありがとうございます。宜しければお気に入り登録、また「こんな所が良かった」「◯◯可愛い!」等々、感想も頂けると励みになります(´˘`*)
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる