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第六章【事件の見直し】
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「瀬野さん、当時あの店の近くにあった貴金属店には、防犯カメラが設置されていたそうなんですけど……」
七年前の事件当日、牧村先生達が見失ってしまったと思われる場所には貴金属店があったそうだ。
しかし事件からニ年後、その店には金品強奪のために強盗が押し入り、一億円以上の貴金属が盗まれるという事件が発生していたようだった。
「あの事件の店、ここにあったのか……」
「はい。そのようです」
今そこの場所は空き家になっており、テナントを募集している状態であった。
強盗に入られた貴金属店は、その後すぐに経営が悪化して、閉店を余儀なくされたようであった。
「ここがまだ残っていればな……」
「……そう、ですね」
何か時間に繋がるような証拠が出ていたかもしれないと思うと、ものすごく悔しい。
今更どうこう言っても何も始まらないんだ。
「ここの不動産屋はまだあるか?」
と瀬野さんに聞かれたが「いえ、そう思って調べましたが、ここの不動産屋も一年前に倒産しています」と答えた。
「そうか……。倒産してたか」
「はい」
せめて不動産屋に話を聞けたらと思ったんだけどな……。非常に残念だ。
「俺もこの辺で少し聞き込みをしてみたが、この辺りに当時の事件のことを詳しく知る人はいなさそうだったな」
瀬野さんは自販機のそばにある喫煙所でタバコを加えながら、俺にそう言った。
「そうですか」
流石に七年前のことを詳しく知る人は、そう簡単には見つからないか……。
「そもそも今この辺にいる人達は、当時あそこにキャバクラがあったことも知らない人が多かったからな。 七年前のことを覚えている人は、少ないだろうよな」
「……ですよね。ここはだいぶこの七年で変わっているみたいですし」
今と七年前を比べると、今は当時の面影なんてまるでないように感じる。
「ここまで、なんですかね……」
これ以上俺には何も出来ることは、ないのだろうか……。
せっかくここまで小さな欠片を集めて、見つけられたというのに。
ーーーもうこの事件はここで限界、なのか?
「藤嶺、お前はここで諦めるのか?」
「……え?」
瀬野さんはタバコの火を揉み消して、俺にそう問いかけてきた。
「お前は彼女がなぜ殺されたのか、その犯人が誰なのかを知りたくて刑事になったんだろ? なのにここで躓いたからって、諦めるのか?」
瀬野さんのその言葉が、今の俺の胸にずっしりと重くのしかかってくる。
「藤嶺、この事件の真相は必ずどこかにある。 真実は必ずどこかに眠っているんだ。……もしここでお前が諦めたりしたら、お前が今までやってきたことは全て否定されることになるんだぞ。それでもいいのか?」
瀬野さんから熱くそう問いかけられ、俺は唇を噛み締めながら首を横に降った。
「お前のその思い、お前のその気持ちは、俺が全部分かってる。 だから俺がいるんだろ?」
「……はい、瀬野さん」
瀬野さんに助けられた俺は、もう一度その思いを強く胸に抱きしめた。
「捜査の基本は足で稼ぐこと、なんて俺は古臭いことは言わねぇ。 でも捜査において一番大切なことは、憶測で動かないこと。そして基礎を見直すことだ」
「はい」
そうだ。憶測だけで動くことは意味のないことだと、瀬野さんは俺に教えてくれた。
そして立ち止まったら、もう一度基礎に戻ること。そう教えてくれた。
「何か他に見落としてることがないか、もう一度調べるぞ」
「はい!」
俺達はもう一度署に戻り、当時の捜査資料に再び目を通した。
「……ん?」
そしてある事実を見つけたのだった。
「あの、瀬野さん」
「どうした?」
「橘智夏の両親……離婚してたんですね。事件のあった半年後に」
俺は事件の後の橘さんの両親がどうしていたのかなんて全く分からなかったから、まさか離婚しているとは思っていなかった。
……でもその離婚した理由に、俺は正直引っかかった。
「みたいだな。まあ母親は、娘が殺されて精神的に参ってしまっていたようだしな……」
と話す瀬野さんは、缶コーヒーを飲みだす。
「いえ、俺が気になったのはそこじゃないんです」
「ん?……どういうことだ?」
瀬野さんは俺の方に視線を向ける。
「気になったのは、離婚した理由です」
「離婚した理由?」
「はい。……離婚した理由が、ちょっと引っかかって」
普通の離婚と言えばそうかもしれないが、俺にはちょっとそれが引っかかった。
「どういうことだ?藤嶺」
「ここ見てください。離婚理由の欄」
「どれ。……ん?」
その理由を見て瀬野さんもおかしいと思ったのか、眉間にシワを寄せた。
「どういうこと、ですかね」
「お前これ、まさか……。いやでも……考えてみたらあり得ない話じゃない」
瀬野さんの表情が一気に変わった。
「と言うと……?」
「離婚した理由がもし本当にこれだとしたら、母親はそれを知っていて黙認していたということになる」
「え、黙認していた……?」
いや……瀬野さんの言う通りかもしれない。 もし本当にそれが本当だとしたら……。
「じゃあ……。橘さんはもしかして……」
俺のその言葉に、瀬野さんは少し黙り込んだ。
「あの父親は、橘智夏が自分の娘ではないと知っていた可能性が高いな。……だからそれを知って、橘智夏に対して好意を抱いた、一人の女性として。 だから彼女に性的暴行を加えていた」
「っ……性的、暴行……」
それってまさかーーー。
「恐らくここに書いてある通り、離婚した理由が娘の父親のことで揉めていたということであれば、説明が付く」
「そんな……」
これは知りたくもない事実だった。まさか橘さんの父親が、橘さんに性的暴行を加えていたなんて……。
そして父親はそれを前から知っていた。 だから橘さんを女性として意識して、好意を抱いていた。
そして父親の特権を使って、彼女に性的暴行を働いていたーーー。
「……許せない」
彼女をあんな風に傷付けて、父親なのに……。家族だったのに……。
愛情を持って育てていた娘を、傷付けるようなことをするなんて……。
「絶対に許せない……」
「……落ち着け、藤嶺。 でもこの父親、怪しいニオイがプンプンするな」
腸が煮えくり返るような思いになった俺は、思わず拳をギュッと握りしめた。
「……もしあの日、父親が彼女を殺したとすれば、説明が付きますね」
彼女は殺される前、性的暴行を受けていた。彼女が履いていた下着、そして彼女の身体からは、犯人のものと思われる体液が検出されていた。
もしそれが本当に、父親のものだとすれば……。
「確かにな。 もしそうなら……あの時、彼女が抵抗出来なかった理由も頷けるな」
「……そうですね」
彼女は父親に支配されていた可能性がある。……だから抵抗したくても、出来なかった。
しかもあんな林の中に連れて行かれたら、誰も助けなんて来ないのを父親は分かっていた。 だからわざわざ、あんな林の中を選んだ……。
「彼女が父親に抵抗が出来なかったとしたら、考えられる理由がある。……恐らく父親から、性的暴行を何度も受けていた」
「……それなら、あの日抵抗した形跡がなかったのも頷けますね」
「そうだな。……恐らく当時の警察は、父親は家族であって性的暴行をする加害者だと思ってなかった。だから指紋なども取らなかった」
家族が加害者だと、あの時疑うこともなかったから、父親のことは全く疑われなかった。
だけど母親は、恐らくその事実を知っていた。……だが警察には何も言わなかった。
「母親が警察に何も話さなかったのは、恐らく……」
「父親からの口止め」
だから彼女の母親は、何も話さなかった。……いや、話せなかった。
父親がその事実を口止めしていたから、話すことが出来なかったんだーーー。
「……瀬野さん。明日彼女の母親に、話を聞きに行きましょう」
「そうだな。話を聞くべきだな」
そして今度こそ、事件の真相をこの手で掴み取るんだ。
「ちなみに彼女の父親は、大学で科学鑑定に関する研究を行っていました。……その知識があれば、指紋を拭き取って残さなかったのも頷けますね」
「……なるほど。指紋を残さずに拭き取っていたのも、その知識があったから出来たって訳か」
瀬野さんは再び吸っていたタバコの灰を、灰皿に押し付けた。
「ますます、怪しいですね」
「まずは母親から話を聞いて、そこからだな」
「はい」
橘さん、もうすぐ真実を掴めるかもしれない。 橘さんを殺した犯人を、この手で捕まえれるかもしれない。
橘さん、待たせてごめんね。……必ず捕まえるから、橘さんを殺した犯人を。
だからもう少しだけ、待っててほしいんだ。
七年前の事件当日、牧村先生達が見失ってしまったと思われる場所には貴金属店があったそうだ。
しかし事件からニ年後、その店には金品強奪のために強盗が押し入り、一億円以上の貴金属が盗まれるという事件が発生していたようだった。
「あの事件の店、ここにあったのか……」
「はい。そのようです」
今そこの場所は空き家になっており、テナントを募集している状態であった。
強盗に入られた貴金属店は、その後すぐに経営が悪化して、閉店を余儀なくされたようであった。
「ここがまだ残っていればな……」
「……そう、ですね」
何か時間に繋がるような証拠が出ていたかもしれないと思うと、ものすごく悔しい。
今更どうこう言っても何も始まらないんだ。
「ここの不動産屋はまだあるか?」
と瀬野さんに聞かれたが「いえ、そう思って調べましたが、ここの不動産屋も一年前に倒産しています」と答えた。
「そうか……。倒産してたか」
「はい」
せめて不動産屋に話を聞けたらと思ったんだけどな……。非常に残念だ。
「俺もこの辺で少し聞き込みをしてみたが、この辺りに当時の事件のことを詳しく知る人はいなさそうだったな」
瀬野さんは自販機のそばにある喫煙所でタバコを加えながら、俺にそう言った。
「そうですか」
流石に七年前のことを詳しく知る人は、そう簡単には見つからないか……。
「そもそも今この辺にいる人達は、当時あそこにキャバクラがあったことも知らない人が多かったからな。 七年前のことを覚えている人は、少ないだろうよな」
「……ですよね。ここはだいぶこの七年で変わっているみたいですし」
今と七年前を比べると、今は当時の面影なんてまるでないように感じる。
「ここまで、なんですかね……」
これ以上俺には何も出来ることは、ないのだろうか……。
せっかくここまで小さな欠片を集めて、見つけられたというのに。
ーーーもうこの事件はここで限界、なのか?
「藤嶺、お前はここで諦めるのか?」
「……え?」
瀬野さんはタバコの火を揉み消して、俺にそう問いかけてきた。
「お前は彼女がなぜ殺されたのか、その犯人が誰なのかを知りたくて刑事になったんだろ? なのにここで躓いたからって、諦めるのか?」
瀬野さんのその言葉が、今の俺の胸にずっしりと重くのしかかってくる。
「藤嶺、この事件の真相は必ずどこかにある。 真実は必ずどこかに眠っているんだ。……もしここでお前が諦めたりしたら、お前が今までやってきたことは全て否定されることになるんだぞ。それでもいいのか?」
瀬野さんから熱くそう問いかけられ、俺は唇を噛み締めながら首を横に降った。
「お前のその思い、お前のその気持ちは、俺が全部分かってる。 だから俺がいるんだろ?」
「……はい、瀬野さん」
瀬野さんに助けられた俺は、もう一度その思いを強く胸に抱きしめた。
「捜査の基本は足で稼ぐこと、なんて俺は古臭いことは言わねぇ。 でも捜査において一番大切なことは、憶測で動かないこと。そして基礎を見直すことだ」
「はい」
そうだ。憶測だけで動くことは意味のないことだと、瀬野さんは俺に教えてくれた。
そして立ち止まったら、もう一度基礎に戻ること。そう教えてくれた。
「何か他に見落としてることがないか、もう一度調べるぞ」
「はい!」
俺達はもう一度署に戻り、当時の捜査資料に再び目を通した。
「……ん?」
そしてある事実を見つけたのだった。
「あの、瀬野さん」
「どうした?」
「橘智夏の両親……離婚してたんですね。事件のあった半年後に」
俺は事件の後の橘さんの両親がどうしていたのかなんて全く分からなかったから、まさか離婚しているとは思っていなかった。
……でもその離婚した理由に、俺は正直引っかかった。
「みたいだな。まあ母親は、娘が殺されて精神的に参ってしまっていたようだしな……」
と話す瀬野さんは、缶コーヒーを飲みだす。
「いえ、俺が気になったのはそこじゃないんです」
「ん?……どういうことだ?」
瀬野さんは俺の方に視線を向ける。
「気になったのは、離婚した理由です」
「離婚した理由?」
「はい。……離婚した理由が、ちょっと引っかかって」
普通の離婚と言えばそうかもしれないが、俺にはちょっとそれが引っかかった。
「どういうことだ?藤嶺」
「ここ見てください。離婚理由の欄」
「どれ。……ん?」
その理由を見て瀬野さんもおかしいと思ったのか、眉間にシワを寄せた。
「どういうこと、ですかね」
「お前これ、まさか……。いやでも……考えてみたらあり得ない話じゃない」
瀬野さんの表情が一気に変わった。
「と言うと……?」
「離婚した理由がもし本当にこれだとしたら、母親はそれを知っていて黙認していたということになる」
「え、黙認していた……?」
いや……瀬野さんの言う通りかもしれない。 もし本当にそれが本当だとしたら……。
「じゃあ……。橘さんはもしかして……」
俺のその言葉に、瀬野さんは少し黙り込んだ。
「あの父親は、橘智夏が自分の娘ではないと知っていた可能性が高いな。……だからそれを知って、橘智夏に対して好意を抱いた、一人の女性として。 だから彼女に性的暴行を加えていた」
「っ……性的、暴行……」
それってまさかーーー。
「恐らくここに書いてある通り、離婚した理由が娘の父親のことで揉めていたということであれば、説明が付く」
「そんな……」
これは知りたくもない事実だった。まさか橘さんの父親が、橘さんに性的暴行を加えていたなんて……。
そして父親はそれを前から知っていた。 だから橘さんを女性として意識して、好意を抱いていた。
そして父親の特権を使って、彼女に性的暴行を働いていたーーー。
「……許せない」
彼女をあんな風に傷付けて、父親なのに……。家族だったのに……。
愛情を持って育てていた娘を、傷付けるようなことをするなんて……。
「絶対に許せない……」
「……落ち着け、藤嶺。 でもこの父親、怪しいニオイがプンプンするな」
腸が煮えくり返るような思いになった俺は、思わず拳をギュッと握りしめた。
「……もしあの日、父親が彼女を殺したとすれば、説明が付きますね」
彼女は殺される前、性的暴行を受けていた。彼女が履いていた下着、そして彼女の身体からは、犯人のものと思われる体液が検出されていた。
もしそれが本当に、父親のものだとすれば……。
「確かにな。 もしそうなら……あの時、彼女が抵抗出来なかった理由も頷けるな」
「……そうですね」
彼女は父親に支配されていた可能性がある。……だから抵抗したくても、出来なかった。
しかもあんな林の中に連れて行かれたら、誰も助けなんて来ないのを父親は分かっていた。 だからわざわざ、あんな林の中を選んだ……。
「彼女が父親に抵抗が出来なかったとしたら、考えられる理由がある。……恐らく父親から、性的暴行を何度も受けていた」
「……それなら、あの日抵抗した形跡がなかったのも頷けますね」
「そうだな。……恐らく当時の警察は、父親は家族であって性的暴行をする加害者だと思ってなかった。だから指紋なども取らなかった」
家族が加害者だと、あの時疑うこともなかったから、父親のことは全く疑われなかった。
だけど母親は、恐らくその事実を知っていた。……だが警察には何も言わなかった。
「母親が警察に何も話さなかったのは、恐らく……」
「父親からの口止め」
だから彼女の母親は、何も話さなかった。……いや、話せなかった。
父親がその事実を口止めしていたから、話すことが出来なかったんだーーー。
「……瀬野さん。明日彼女の母親に、話を聞きに行きましょう」
「そうだな。話を聞くべきだな」
そして今度こそ、事件の真相をこの手で掴み取るんだ。
「ちなみに彼女の父親は、大学で科学鑑定に関する研究を行っていました。……その知識があれば、指紋を拭き取って残さなかったのも頷けますね」
「……なるほど。指紋を残さずに拭き取っていたのも、その知識があったから出来たって訳か」
瀬野さんは再び吸っていたタバコの灰を、灰皿に押し付けた。
「ますます、怪しいですね」
「まずは母親から話を聞いて、そこからだな」
「はい」
橘さん、もうすぐ真実を掴めるかもしれない。 橘さんを殺した犯人を、この手で捕まえれるかもしれない。
橘さん、待たせてごめんね。……必ず捕まえるから、橘さんを殺した犯人を。
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