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第五章【真相の裏側】
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「牧村勇吾先生、ですよね?」
そしてその数日後、俺は瀬野さんと一緒に牧村先生の所へ訪れた。
牧村先生は今、地元から数キロ離れた高校で数学の教師をしているという話を聞き、今日ここにやってきた。
「……藤嶺? 藤嶺、なのか?」
牧村先生は俺を見て、驚いていたような表情をした。
「はい。俺、藤嶺颯(かける)です。……お久しぶりです、先生」
牧村先生は当時と比べてもあまり変わっていないような気がした。
元々から爽やかでイケメンで、かつ女子生徒からは人気のある先生だった。……それは今も変わらないようだ。
「藤嶺、お前ちょっと大人になったな。イケメンになったな」
「ありがとうございます。 先生には敵いませんけどね」
と一言余分に付け加えてしまった気もするが……。
ここは気づかぬふりをしよう。
「で、お前今何やってるんだ?」
と聞かれた俺は、先生のコーヒーを淹れる背中を見ながら「捜査一課の刑事です」と答えた。
「……刑事?」
そう答えた瞬間、牧村先生の手が止まったようにもみえた。
「はい。 今隣にいるこの人が俺の相棒で……」
「瀬野祥平(しょうへい)と言います。……よろしくお願いします」
瀬野さんを紹介した後、牧村先生は「どうも、牧村です」と言葉を発し、再びその手が動き出した。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「すみません、ありがとうございます」
牧村先生からコーヒーを受け取る。
「所で、藤嶺は俺に何か用があるんだよな?」
コーヒーを口にした俺に、牧村先生が問いかける。
「はい。牧村先生、今日はあなたに聞きたいことがあって来ました」
「聞きたいこと?」
「これは元生徒してではありません。……一警察官として聞きます」
俺がそう言うと牧村先生は、顔を上げて俺達を見た。
「牧村先生……牧村先生は七年前に俺達の学校で起きた橘智夏の事件のことを、覚えてますか?」
「橘智夏の事件……?ああ、覚えてるよ。お前のクラスメイトだったんだよな」
牧村先生はコーヒーを口にしながらそう答える。
「そうです。 七年前の10月、俺のクラスメイトの橘智夏が突然亡くなったんです。……林の中で、遺体となって発見された状態で見つかりました」
「そうか……。そうだったな」
牧村先生の表情は、あまりさっきと変わらないようにも見える。
「俺は橘智夏の死の真相を確かめるために、刑事になりました。そしてその事件を再捜査することにしたんです」
「……再捜査?」
牧村先生は不思議そうに俺を見る。
「はい。橘智夏の事件は、犯人が捕まらずに未解決事件となりました。……俺は橘智夏の死の真相を必ず突き止める覚悟を持って、再捜査に挑んでいます」
牧村先生、あなたには本当のことを話してもらいますよ。……本当のことを。
「……そうか。再捜査、してるのか」
「はい。 それで牧村先生、あなたに聞きたいことがあるんです」
「俺に聞きたいこと?……まああまり覚えてるかどうかも分からないが、俺で良ければ協力するよ」
「ありがとうございます」
そしてここからは、本職【捜査一課の刑事】としての、俺の仕事だ。
そしてここからは、瀬野さんも加わる。
「牧村先生。事件を再捜査してるうちに、牧村先生が事件に関係しているということを、俺達は掴みました」
「……えっ、何言ってるんだ? 俺が事件に関係してるって?」
そう言った瞬間の牧村先生の表情が、明らかに変わった。
「そうです。……牧村先生、あなたは橘智夏が年齢を偽ってキャバクラでバイトをしていたことを、知ってましたよね?」
そう俺が問いかけると、牧村先生は焦ったような表情をみせて、黙り込んでしまった。
「……やはりそうですか。 先生は知ってたんですね、橘智夏のバイトのこと」
「……な、なんのことか分からないな」
「牧村先生、惚けてもムダですよ。 あなたが橘智夏のキャバクラのことを知っていたという事実を、俺達は掴んだんですよ?」
惚ける牧村先生に、瀬野さんはそう言葉にした。
「……っ!?」
表情がまた変わった。……明らかに動揺している。
「橘智夏が殺された日の夜、牧村先生のことをそのキャバクラで目撃していた人がいたんですよ。……同じキャバクラの店員が、あなたが橘智夏の後を付けているのを目撃してたんですよ」
「っ……!?」
この表情は……やはりそうだな。間違いないーーー。
「牧村先生、あなたが橘智夏を殺したんですか?」
「違う!俺は殺してない……! 俺じゃない!」
牧村先生は俺達に怒鳴りつけ、席から立ち上がった。
「先生、少し落ち着いてください」
と瀬野さんが伝えると、先生は黙って座り込んだ。
「……牧村先生。あなた以外にももう一人、その時目撃されている人がいたんですよ」
そして瀬野さんが、切り込んでいく。
「目撃されている人……?」
「はい。……城戸先生、です」
そう。あの防犯カメラの映像にはもう一人、映っていた人物がいた。
それは……城戸先生だった。 映像を見た時、俺も最初は信じられなかった。
「っ……!」
「あなたと城戸先生は、知っていたんですよね?……橘智夏がキャバクラでバイトをしていることを」
「っ……知らないな、そんなこと」
「牧村先生、惚けてもムダですよ。 俺達は、その証拠を掴んでますので」
瀬野さんが牧村先生にそう伝えると、牧村先生は黙り込んでしまった。
「そのキャバクラで働いていた元従業員に話を聞きました。あなたは以前、あのキャバクラによく通っていたそうですね。……たまに一緒に、城戸先生も連れて通っていたとか」
「……それはっ……」
「そうなんですね?……牧村先生」
俺が牧村先生の目を見つめると、牧村先生は観念したのか「……藤嶺、お前の言う通りだ」と言葉を発した。
「……やっばり」
「……俺と城戸先生であそこにいた時、最初に橘が働いているということに気付いたのは、俺なんだ」
そう話す牧村先生の表情は、沈んでいた。
「店にいる時は俺も城戸先生も気付かなかったんだ。……でもあの日店を出た後、橘が従業員入口から出てくるのを、俺は見たんだ」
「……城戸先生はその時、何をしていたんですか?」
と牧村先生に、俺は問いかけた。
「城戸先生はトイレに行くと言ってたから、俺は先に店の外で待ってると言ったんだ。……その時だよ、橘を目撃したのは」
「それで先生達は、その後どうしたんですか?」
思わずコーヒーのマグカップを持つ手に、力が入る。
「……俺と城戸先生で、橘の後を付けたんだ。あのバイトの件について、直接問い詰めてやろうと思って」
「それで……!?」
と前のめりになる俺に、瀬野さんは「藤嶺、落ち着け」と言ってくる。
「……はい。すみません」
ちょっと俺……焦ってるな。 自分でもそれが分かる。
刑事はいつどんな時も、冷静に物事を判断しなければならない。
「牧村先生、続きをお願いします」
「あ……はい。 問い詰めてやろうと思って後を付けたんだが……見失ってしまったんだ」
「見失った……?」
もしそれが本当だとしたら……あの二人は犯人じゃないということになる。
「ああ。……城戸先生と橘を探して周りを探したが、どこにもいなかった」
「それは本当ですか?」
と聞く俺に、牧村先生は「本当だ!……俺達は橘を殺してなんてない!」と訴える。
牧村先生は本当のことを話した。 やっぱり……犯人ではなかった。
「……牧村先生、ありがとうございました」
「では、失礼します」
「……ご苦労様でした」
俺達は牧村先生の元を離れて、学校の校舎へと出た。
「……どうやら本当っぽいな」
「はい。……牧村先生が嘘をついているようには、見えませんでした」
牧村先生の言うことが本当だとしたら、犯人は別にいる。……牧村先生と城戸先生は、犯人じゃない。
じゃあ一体誰が、犯人だと言うんだ………。
「また振り出しに……戻ってしまいました」
ようやく犯人を見つけたと思ったのに、空回りしてしまった……。
「でも収穫はあった。犯人は別にいるってことが分かっただろ?」
「……でも、悔しいです」
あの時牧村先生と城戸先生が本当のことを警察に話していれば、もしかしたら事件はもっと早くに解決出来たかもしれなかった。
だけどそれも、七年経った今では意味のないことのようにも思える。
「なら手がかりをまた探せばいい。 一歩ずつ、確実に証拠を掴んで、可能性を潰していこう」
「……はい」
橘さん、橘さんを殺した犯人を、俺が絶対に捕まえるから。
それが橘さんのために、俺が唯一出来ることだと思うからーーー。
そしてその数日後、俺は瀬野さんと一緒に牧村先生の所へ訪れた。
牧村先生は今、地元から数キロ離れた高校で数学の教師をしているという話を聞き、今日ここにやってきた。
「……藤嶺? 藤嶺、なのか?」
牧村先生は俺を見て、驚いていたような表情をした。
「はい。俺、藤嶺颯(かける)です。……お久しぶりです、先生」
牧村先生は当時と比べてもあまり変わっていないような気がした。
元々から爽やかでイケメンで、かつ女子生徒からは人気のある先生だった。……それは今も変わらないようだ。
「藤嶺、お前ちょっと大人になったな。イケメンになったな」
「ありがとうございます。 先生には敵いませんけどね」
と一言余分に付け加えてしまった気もするが……。
ここは気づかぬふりをしよう。
「で、お前今何やってるんだ?」
と聞かれた俺は、先生のコーヒーを淹れる背中を見ながら「捜査一課の刑事です」と答えた。
「……刑事?」
そう答えた瞬間、牧村先生の手が止まったようにもみえた。
「はい。 今隣にいるこの人が俺の相棒で……」
「瀬野祥平(しょうへい)と言います。……よろしくお願いします」
瀬野さんを紹介した後、牧村先生は「どうも、牧村です」と言葉を発し、再びその手が動き出した。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「すみません、ありがとうございます」
牧村先生からコーヒーを受け取る。
「所で、藤嶺は俺に何か用があるんだよな?」
コーヒーを口にした俺に、牧村先生が問いかける。
「はい。牧村先生、今日はあなたに聞きたいことがあって来ました」
「聞きたいこと?」
「これは元生徒してではありません。……一警察官として聞きます」
俺がそう言うと牧村先生は、顔を上げて俺達を見た。
「牧村先生……牧村先生は七年前に俺達の学校で起きた橘智夏の事件のことを、覚えてますか?」
「橘智夏の事件……?ああ、覚えてるよ。お前のクラスメイトだったんだよな」
牧村先生はコーヒーを口にしながらそう答える。
「そうです。 七年前の10月、俺のクラスメイトの橘智夏が突然亡くなったんです。……林の中で、遺体となって発見された状態で見つかりました」
「そうか……。そうだったな」
牧村先生の表情は、あまりさっきと変わらないようにも見える。
「俺は橘智夏の死の真相を確かめるために、刑事になりました。そしてその事件を再捜査することにしたんです」
「……再捜査?」
牧村先生は不思議そうに俺を見る。
「はい。橘智夏の事件は、犯人が捕まらずに未解決事件となりました。……俺は橘智夏の死の真相を必ず突き止める覚悟を持って、再捜査に挑んでいます」
牧村先生、あなたには本当のことを話してもらいますよ。……本当のことを。
「……そうか。再捜査、してるのか」
「はい。 それで牧村先生、あなたに聞きたいことがあるんです」
「俺に聞きたいこと?……まああまり覚えてるかどうかも分からないが、俺で良ければ協力するよ」
「ありがとうございます」
そしてここからは、本職【捜査一課の刑事】としての、俺の仕事だ。
そしてここからは、瀬野さんも加わる。
「牧村先生。事件を再捜査してるうちに、牧村先生が事件に関係しているということを、俺達は掴みました」
「……えっ、何言ってるんだ? 俺が事件に関係してるって?」
そう言った瞬間の牧村先生の表情が、明らかに変わった。
「そうです。……牧村先生、あなたは橘智夏が年齢を偽ってキャバクラでバイトをしていたことを、知ってましたよね?」
そう俺が問いかけると、牧村先生は焦ったような表情をみせて、黙り込んでしまった。
「……やはりそうですか。 先生は知ってたんですね、橘智夏のバイトのこと」
「……な、なんのことか分からないな」
「牧村先生、惚けてもムダですよ。 あなたが橘智夏のキャバクラのことを知っていたという事実を、俺達は掴んだんですよ?」
惚ける牧村先生に、瀬野さんはそう言葉にした。
「……っ!?」
表情がまた変わった。……明らかに動揺している。
「橘智夏が殺された日の夜、牧村先生のことをそのキャバクラで目撃していた人がいたんですよ。……同じキャバクラの店員が、あなたが橘智夏の後を付けているのを目撃してたんですよ」
「っ……!?」
この表情は……やはりそうだな。間違いないーーー。
「牧村先生、あなたが橘智夏を殺したんですか?」
「違う!俺は殺してない……! 俺じゃない!」
牧村先生は俺達に怒鳴りつけ、席から立ち上がった。
「先生、少し落ち着いてください」
と瀬野さんが伝えると、先生は黙って座り込んだ。
「……牧村先生。あなた以外にももう一人、その時目撃されている人がいたんですよ」
そして瀬野さんが、切り込んでいく。
「目撃されている人……?」
「はい。……城戸先生、です」
そう。あの防犯カメラの映像にはもう一人、映っていた人物がいた。
それは……城戸先生だった。 映像を見た時、俺も最初は信じられなかった。
「っ……!」
「あなたと城戸先生は、知っていたんですよね?……橘智夏がキャバクラでバイトをしていることを」
「っ……知らないな、そんなこと」
「牧村先生、惚けてもムダですよ。 俺達は、その証拠を掴んでますので」
瀬野さんが牧村先生にそう伝えると、牧村先生は黙り込んでしまった。
「そのキャバクラで働いていた元従業員に話を聞きました。あなたは以前、あのキャバクラによく通っていたそうですね。……たまに一緒に、城戸先生も連れて通っていたとか」
「……それはっ……」
「そうなんですね?……牧村先生」
俺が牧村先生の目を見つめると、牧村先生は観念したのか「……藤嶺、お前の言う通りだ」と言葉を発した。
「……やっばり」
「……俺と城戸先生であそこにいた時、最初に橘が働いているということに気付いたのは、俺なんだ」
そう話す牧村先生の表情は、沈んでいた。
「店にいる時は俺も城戸先生も気付かなかったんだ。……でもあの日店を出た後、橘が従業員入口から出てくるのを、俺は見たんだ」
「……城戸先生はその時、何をしていたんですか?」
と牧村先生に、俺は問いかけた。
「城戸先生はトイレに行くと言ってたから、俺は先に店の外で待ってると言ったんだ。……その時だよ、橘を目撃したのは」
「それで先生達は、その後どうしたんですか?」
思わずコーヒーのマグカップを持つ手に、力が入る。
「……俺と城戸先生で、橘の後を付けたんだ。あのバイトの件について、直接問い詰めてやろうと思って」
「それで……!?」
と前のめりになる俺に、瀬野さんは「藤嶺、落ち着け」と言ってくる。
「……はい。すみません」
ちょっと俺……焦ってるな。 自分でもそれが分かる。
刑事はいつどんな時も、冷静に物事を判断しなければならない。
「牧村先生、続きをお願いします」
「あ……はい。 問い詰めてやろうと思って後を付けたんだが……見失ってしまったんだ」
「見失った……?」
もしそれが本当だとしたら……あの二人は犯人じゃないということになる。
「ああ。……城戸先生と橘を探して周りを探したが、どこにもいなかった」
「それは本当ですか?」
と聞く俺に、牧村先生は「本当だ!……俺達は橘を殺してなんてない!」と訴える。
牧村先生は本当のことを話した。 やっぱり……犯人ではなかった。
「……牧村先生、ありがとうございました」
「では、失礼します」
「……ご苦労様でした」
俺達は牧村先生の元を離れて、学校の校舎へと出た。
「……どうやら本当っぽいな」
「はい。……牧村先生が嘘をついているようには、見えませんでした」
牧村先生の言うことが本当だとしたら、犯人は別にいる。……牧村先生と城戸先生は、犯人じゃない。
じゃあ一体誰が、犯人だと言うんだ………。
「また振り出しに……戻ってしまいました」
ようやく犯人を見つけたと思ったのに、空回りしてしまった……。
「でも収穫はあった。犯人は別にいるってことが分かっただろ?」
「……でも、悔しいです」
あの時牧村先生と城戸先生が本当のことを警察に話していれば、もしかしたら事件はもっと早くに解決出来たかもしれなかった。
だけどそれも、七年経った今では意味のないことのようにも思える。
「なら手がかりをまた探せばいい。 一歩ずつ、確実に証拠を掴んで、可能性を潰していこう」
「……はい」
橘さん、橘さんを殺した犯人を、俺が絶対に捕まえるから。
それが橘さんのために、俺が唯一出来ることだと思うからーーー。
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