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第三章【事件の再捜査】
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「お久しぶりです、城戸先生」
「……ん? まさかお前、藤嶺か!?」
「はい。藤嶺です」
当時の事件の捜査資料を見直した俺は、再び再捜査を始めた。
瀬野さんに協力してもらいながら、捜査にあたる。
「久しぶりだな、藤嶺。 お前今何やってんだ?」
「警察官です。捜査一課で、事件の捜査を行ったりしています」
「警察官? お前警察官になったのか?」
「はい」
当時の担任の城戸先生は、俺が刑事になったことにものすごく驚いていた。
「そうか……。警察官か、すごいじゃないか」
「ありがとうございます」
「所で、そんな藤嶺がなんで俺の所に? 俺は何も犯罪犯してないぞ?」
と、城戸先生は冗談交じりに言ってきた。
「分かってますって! 今日は、橘さんの事件のことで聞きたいことがあって来ました」
「……橘の事件のこと?」
城戸先生はまさかそんなことを聞きにくるなんて思ってもなかったのだろう。
何で今更?という顔をしていた。
「実は俺、橘さんの事件を解決したくて、刑事になったんです」
「橘の……事件を?」
「はい。 橘さんの事件は、未解決事件として処理されてしまった。だから俺は、その犯人を絶対に捕まえたいんです。……橘さんの無念を、晴らしたいんです」
そのために刑事になったんだから。
「……そうか。あれからもう、随分経つもんな」
「七年です。……七年経ちました」
「……そうか。 で、俺に聞きたいことって?」
城戸先生は俺を職員室に招き入れ、コーヒーを淹れてくれた。
「ありがとうございます」
コーヒーのカップを受け取った俺は、そのままコーヒーを一口飲む。
「先生、橘さんってバイトしてたんですか?」
「バイト?……さあ、どうだったけな」
城戸先生は首を傾げて考え込む仕草をした。
「俺が見た捜査資料には、橘さんはバイトの帰りに一人で帰っている所で、その後暴行されて殺されたって書いてあったんですよ」
「あー……確か当時の警察もそんなことを言っていた気がするな」
七年も経てばさすがに曖昧になるとは思うけど……。
「当時、先生はどんなことを聞かれたんですか?警察から」
コーヒーを口にする先生に、そう問い詰めてみる。
「どんなことって……。曖昧ではあるが、橘がどんな生徒だったかとか、交友関係とか。後は何かトラブルに巻き込まれている可能性があるかとか、そんなことだったと思うけどな……。あまりよく覚えていないな」
「そうですか……。あの、橘さんって当時付き合っている人とかいましたっけ?」
「どうだったけな……。藤嶺、お前のほうが知ってるんじゃないのか?」
「えっ!? いや、俺は知りませんって……!」
いきなり俺に話を振ってくるなんて、さすが城戸先生だ。
城戸先生は昔からそうだったと思い出す。
「お前、好きだったんよな?橘のこと」
「な、何で知ってるんですか!?」
俺何も言ってなかったのに……!? バレてたのか!?
「お前分かりやすいからな。俺にはバレバレだったぞ」
「えぇっ……」
そうだったのか……。
「お前、橘によくお菓子もらってただろ? その時のお前、ものすごく嬉しそうだったもんな?」
「や、やめてくださいよ、先生……!」
俺の隠したい恥ずかしい過去を暴露されてしまい、ものすごくあの時の自分を恥じたくなる。
「俺はお前のこと見てたから、分かるんだぞ。……お前、ものすごく悔しかったんだな、橘のこと」
そう言われたら、俺もそうだと思う。 みんな橘さんのことは好きだったと思うし、俺も好きだった。
橘さんが誰に殺されたのか……。それも分からないまま、この事件は未解決事件となってしまった。
俺は今、その無念を晴らしたくてここにいる。
「……先生、俺絶対に諦めないです」
「え?」
「橘智夏を殺した犯人を……絶対に許せないです。橘智夏にあんなことをした犯人を、絶対に俺がこの手で捕まえます」
橘智夏が死ぬ時に何を思い、何を願ったのか。……その答えを知りたい。
「……藤嶺、お前のその勇気、確かに受け取ったよ」
「はい。……先生、もし橘さんのことで何か思い出したことがあったら、俺に連絡してもらえませんか? これ、俺の番号です」
俺は先生に自分の名刺を渡した。
「分かった。 頑張れよ、藤嶺刑事!」
「ありがとうございます。……先生も、身体には気を付けてください」
「おう」
城戸先生の元から離れた俺は、橘さんが殺害された現場へと出向いた。
そこで瀬野さんと合流する予定だったからだ。
「瀬野さん!」
「お、どうだった?先生への聞き込みは」
と、瀬野さんが聞いてくる。
「いえ、特には……。あまり覚えてないみたいですし」
「そりゃあそうだろうよ。七年前のことを鮮明に覚えてる人は少ないからな」
「……ですよね」
瀬野さんも犯行現場で色々聞き込みをしたらしいが、当時のことを覚えている人はいないようだった。
「手がかりなし、か」
「そうですね。……あの、当時の鑑識の捜査では何か体液以外は出なかったんですか?」
「そのようだな。少し離れた所に被害者のカバンが落ちていたようだったが、そこには犯人に関する痕跡は残ってなかったようだしな」
「……そうですか」
落ちていたのは、橘さんのカバンだけか……。
「鑑識が見つけたもので言うと、小さな繊維片などはあったようだが、被害者が着ていた制服の繊維片だったみたいだしな」
「彼女、襲われた時抵抗はしなかったんですよね……?」
「みたいだな。……というか、抵抗出来ないようにされたんじゃないかと、俺は思ったんだが」
周りを見渡しながら、瀬野さんはそう口にした。
「……抵抗出来ないようにされた?」
それって……。
「薬で眠されたか、もしくは……。犯人が二人いた、とかな」
「……っ!」
犯人が二人……。それなら抵抗出来なかったのも、頷けるな。
でも司法解剖の結果、睡眠薬などは検出されなかったと書いてあった。……ということは、やはり犯人は複数人いたって考える方が自然だ。
「犯人が……二人……」
「だが、これはあくまでも憶測にしかすぎない。……鵜呑みにするな」
「はい」
瀬野さんの言葉が妙に引っかかる。確かに睡眠薬で眠らせれば、一人の犯人でも可能だ。
だが睡眠薬などじゃなかった場合、絶対に本来なら抵抗するはずだ。 それがなかったってことは、やっぱり犯人は複数人いたって可能性が高い。
「七年前の捜査でも、複数人の犯行っていう線は出なかったんですか?」
「もちろん出たさ。……だが確証はなかった。それに指紋なども拭き取られていたということを考えると、犯行は計画的犯行だと考えられる。 いきなり襲って殺したら、普通はどこかに指紋が残っているはすだろう?」
瀬野さんに言われて、確かにそうだ……と思った。
「指紋が残っていないとなると、証拠は少ない。目撃者もなければ、防犯カメラもない。 当時、捜査はかなり難航したことに間違いない」
……この犯行は、最初から橘さんを殺すつもりだったのか? 殺すつもりで狙っていたということなのか?
そうでなければ、この指紋が拭き取られていたという説明が付かない。 そもそも、なぜ橘さんだったのか……。
「あの体液を調べても、データベースには乗ってなかったんですよね?」
「そうだ。 ヒットする者は当時はいなかった」
「……そうですか」
二人犯行がいたとなると、考えられるのは怨恨の線だ。彼女に恨みを持っていた人間が、共謀して殺した?
「とりあえず、この近所で聞き込みしてみるか」
「はい」
俺は瀬野さんと一緒に近所に当時のことを知る人がいないか、聞き込みを始めた。ーーーが。
「藤嶺、暴行事件発生だそうだ。行くぞ」
「はい!」
捜査中別の事件が発生したため、すぐにそっちに臨場した。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
犯行現場に急行すると、そこには女子高生の遺体があった。
「……女子高生」
女子高生を見ると、橘さんのことを思い出す。
「被害者は、この地区に住む女子高生、番(つがい)亜希さんだ。 塾の帰りに何者かに暴行を受けて殺害されたものと思われる」
「………」
この事件……橘さんの時の事件とどこか似ている?
「鑑識さん、被害者の遺留品は?」
瀬野さんが鑑識さんに問いかけている。
「これです。 遺体の近くにカバンが落ちていましたが、財布やスマホなどの貴重品は入ったままですね」
「そうか。 金品目的では、ないってことか……」
貴重品などは入っていた、ということは……。確かに金品目的では無さそうだな。
「他には? 何か見つかったか?」
「被害者の近くに毛髪が落ちていました」
毛髪が落ちていた? それは犯人のものなのか……?
「指紋の採取は?」
「今やっている所です」
「分かった」
女子高生はどうやら、部活動の帰りだったようだ。カバンの中には他にジャージなどの衣類が入っていた。
「あれ、この高校って……」
「どうした?藤嶺?」
この高校の制服やジャージを、俺は知っている気がする。どこで見たんだっけな……。
ーーーあ、思い出したぞ!
「瀬野さん!この高校、前にも暴行未遂事件が遭った高校ですよ!」
とうりで見たことあるジャージだと思ったら……。あの時の高校のジャージか!
「え? それは本当か?」
「はい。間違いありません」
よく覚えている。俺が交番勤務していた時、この高校の女子高生二人が変な男に襲われそうになったと交番に駆け込んで来たことがあった。
あれは確か……一年前だったかな。幸いその時は未遂ということで難を逃れたが、またこの高校だ……。
今度は未遂では、終わらなかったのかーーー。
◇ ◇ ◇
「……ん? まさかお前、藤嶺か!?」
「はい。藤嶺です」
当時の事件の捜査資料を見直した俺は、再び再捜査を始めた。
瀬野さんに協力してもらいながら、捜査にあたる。
「久しぶりだな、藤嶺。 お前今何やってんだ?」
「警察官です。捜査一課で、事件の捜査を行ったりしています」
「警察官? お前警察官になったのか?」
「はい」
当時の担任の城戸先生は、俺が刑事になったことにものすごく驚いていた。
「そうか……。警察官か、すごいじゃないか」
「ありがとうございます」
「所で、そんな藤嶺がなんで俺の所に? 俺は何も犯罪犯してないぞ?」
と、城戸先生は冗談交じりに言ってきた。
「分かってますって! 今日は、橘さんの事件のことで聞きたいことがあって来ました」
「……橘の事件のこと?」
城戸先生はまさかそんなことを聞きにくるなんて思ってもなかったのだろう。
何で今更?という顔をしていた。
「実は俺、橘さんの事件を解決したくて、刑事になったんです」
「橘の……事件を?」
「はい。 橘さんの事件は、未解決事件として処理されてしまった。だから俺は、その犯人を絶対に捕まえたいんです。……橘さんの無念を、晴らしたいんです」
そのために刑事になったんだから。
「……そうか。あれからもう、随分経つもんな」
「七年です。……七年経ちました」
「……そうか。 で、俺に聞きたいことって?」
城戸先生は俺を職員室に招き入れ、コーヒーを淹れてくれた。
「ありがとうございます」
コーヒーのカップを受け取った俺は、そのままコーヒーを一口飲む。
「先生、橘さんってバイトしてたんですか?」
「バイト?……さあ、どうだったけな」
城戸先生は首を傾げて考え込む仕草をした。
「俺が見た捜査資料には、橘さんはバイトの帰りに一人で帰っている所で、その後暴行されて殺されたって書いてあったんですよ」
「あー……確か当時の警察もそんなことを言っていた気がするな」
七年も経てばさすがに曖昧になるとは思うけど……。
「当時、先生はどんなことを聞かれたんですか?警察から」
コーヒーを口にする先生に、そう問い詰めてみる。
「どんなことって……。曖昧ではあるが、橘がどんな生徒だったかとか、交友関係とか。後は何かトラブルに巻き込まれている可能性があるかとか、そんなことだったと思うけどな……。あまりよく覚えていないな」
「そうですか……。あの、橘さんって当時付き合っている人とかいましたっけ?」
「どうだったけな……。藤嶺、お前のほうが知ってるんじゃないのか?」
「えっ!? いや、俺は知りませんって……!」
いきなり俺に話を振ってくるなんて、さすが城戸先生だ。
城戸先生は昔からそうだったと思い出す。
「お前、好きだったんよな?橘のこと」
「な、何で知ってるんですか!?」
俺何も言ってなかったのに……!? バレてたのか!?
「お前分かりやすいからな。俺にはバレバレだったぞ」
「えぇっ……」
そうだったのか……。
「お前、橘によくお菓子もらってただろ? その時のお前、ものすごく嬉しそうだったもんな?」
「や、やめてくださいよ、先生……!」
俺の隠したい恥ずかしい過去を暴露されてしまい、ものすごくあの時の自分を恥じたくなる。
「俺はお前のこと見てたから、分かるんだぞ。……お前、ものすごく悔しかったんだな、橘のこと」
そう言われたら、俺もそうだと思う。 みんな橘さんのことは好きだったと思うし、俺も好きだった。
橘さんが誰に殺されたのか……。それも分からないまま、この事件は未解決事件となってしまった。
俺は今、その無念を晴らしたくてここにいる。
「……先生、俺絶対に諦めないです」
「え?」
「橘智夏を殺した犯人を……絶対に許せないです。橘智夏にあんなことをした犯人を、絶対に俺がこの手で捕まえます」
橘智夏が死ぬ時に何を思い、何を願ったのか。……その答えを知りたい。
「……藤嶺、お前のその勇気、確かに受け取ったよ」
「はい。……先生、もし橘さんのことで何か思い出したことがあったら、俺に連絡してもらえませんか? これ、俺の番号です」
俺は先生に自分の名刺を渡した。
「分かった。 頑張れよ、藤嶺刑事!」
「ありがとうございます。……先生も、身体には気を付けてください」
「おう」
城戸先生の元から離れた俺は、橘さんが殺害された現場へと出向いた。
そこで瀬野さんと合流する予定だったからだ。
「瀬野さん!」
「お、どうだった?先生への聞き込みは」
と、瀬野さんが聞いてくる。
「いえ、特には……。あまり覚えてないみたいですし」
「そりゃあそうだろうよ。七年前のことを鮮明に覚えてる人は少ないからな」
「……ですよね」
瀬野さんも犯行現場で色々聞き込みをしたらしいが、当時のことを覚えている人はいないようだった。
「手がかりなし、か」
「そうですね。……あの、当時の鑑識の捜査では何か体液以外は出なかったんですか?」
「そのようだな。少し離れた所に被害者のカバンが落ちていたようだったが、そこには犯人に関する痕跡は残ってなかったようだしな」
「……そうですか」
落ちていたのは、橘さんのカバンだけか……。
「鑑識が見つけたもので言うと、小さな繊維片などはあったようだが、被害者が着ていた制服の繊維片だったみたいだしな」
「彼女、襲われた時抵抗はしなかったんですよね……?」
「みたいだな。……というか、抵抗出来ないようにされたんじゃないかと、俺は思ったんだが」
周りを見渡しながら、瀬野さんはそう口にした。
「……抵抗出来ないようにされた?」
それって……。
「薬で眠されたか、もしくは……。犯人が二人いた、とかな」
「……っ!」
犯人が二人……。それなら抵抗出来なかったのも、頷けるな。
でも司法解剖の結果、睡眠薬などは検出されなかったと書いてあった。……ということは、やはり犯人は複数人いたって考える方が自然だ。
「犯人が……二人……」
「だが、これはあくまでも憶測にしかすぎない。……鵜呑みにするな」
「はい」
瀬野さんの言葉が妙に引っかかる。確かに睡眠薬で眠らせれば、一人の犯人でも可能だ。
だが睡眠薬などじゃなかった場合、絶対に本来なら抵抗するはずだ。 それがなかったってことは、やっぱり犯人は複数人いたって可能性が高い。
「七年前の捜査でも、複数人の犯行っていう線は出なかったんですか?」
「もちろん出たさ。……だが確証はなかった。それに指紋なども拭き取られていたということを考えると、犯行は計画的犯行だと考えられる。 いきなり襲って殺したら、普通はどこかに指紋が残っているはすだろう?」
瀬野さんに言われて、確かにそうだ……と思った。
「指紋が残っていないとなると、証拠は少ない。目撃者もなければ、防犯カメラもない。 当時、捜査はかなり難航したことに間違いない」
……この犯行は、最初から橘さんを殺すつもりだったのか? 殺すつもりで狙っていたということなのか?
そうでなければ、この指紋が拭き取られていたという説明が付かない。 そもそも、なぜ橘さんだったのか……。
「あの体液を調べても、データベースには乗ってなかったんですよね?」
「そうだ。 ヒットする者は当時はいなかった」
「……そうですか」
二人犯行がいたとなると、考えられるのは怨恨の線だ。彼女に恨みを持っていた人間が、共謀して殺した?
「とりあえず、この近所で聞き込みしてみるか」
「はい」
俺は瀬野さんと一緒に近所に当時のことを知る人がいないか、聞き込みを始めた。ーーーが。
「藤嶺、暴行事件発生だそうだ。行くぞ」
「はい!」
捜査中別の事件が発生したため、すぐにそっちに臨場した。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
犯行現場に急行すると、そこには女子高生の遺体があった。
「……女子高生」
女子高生を見ると、橘さんのことを思い出す。
「被害者は、この地区に住む女子高生、番(つがい)亜希さんだ。 塾の帰りに何者かに暴行を受けて殺害されたものと思われる」
「………」
この事件……橘さんの時の事件とどこか似ている?
「鑑識さん、被害者の遺留品は?」
瀬野さんが鑑識さんに問いかけている。
「これです。 遺体の近くにカバンが落ちていましたが、財布やスマホなどの貴重品は入ったままですね」
「そうか。 金品目的では、ないってことか……」
貴重品などは入っていた、ということは……。確かに金品目的では無さそうだな。
「他には? 何か見つかったか?」
「被害者の近くに毛髪が落ちていました」
毛髪が落ちていた? それは犯人のものなのか……?
「指紋の採取は?」
「今やっている所です」
「分かった」
女子高生はどうやら、部活動の帰りだったようだ。カバンの中には他にジャージなどの衣類が入っていた。
「あれ、この高校って……」
「どうした?藤嶺?」
この高校の制服やジャージを、俺は知っている気がする。どこで見たんだっけな……。
ーーーあ、思い出したぞ!
「瀬野さん!この高校、前にも暴行未遂事件が遭った高校ですよ!」
とうりで見たことあるジャージだと思ったら……。あの時の高校のジャージか!
「え? それは本当か?」
「はい。間違いありません」
よく覚えている。俺が交番勤務していた時、この高校の女子高生二人が変な男に襲われそうになったと交番に駆け込んで来たことがあった。
あれは確か……一年前だったかな。幸いその時は未遂ということで難を逃れたが、またこの高校だ……。
今度は未遂では、終わらなかったのかーーー。
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