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王国騎士の悪夢①
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やはり暗黒剣士は闇払いに弱い。
そちらは聖騎士の十八番。
私達、王国騎士にそれを効率的に行うノウハウこそないが、関係ない。
「副団長! 効いてます!」
「ええ、このまま押しきってください!」
王国騎士の副団長である私は団員に答えた。
先の連撃は捌かれましたが、背後の巨人を庇いつつの立ち回りは不利。
消耗を最小に抑えていようと、それでも武器に纏う闇は大きく減っている。
もう1度4属性の複合攻撃を一斉に行えば。
少なくともあと2度の攻勢で暗黒剣士は戦闘能力を失う。
限りある闇に対しての戦闘。
新入りのリヒトが操る光の属性があればもう少し楽に無力化できたでしょうが、彼は王女の護衛。
こちらに駆けつける素振りはない以上そっちを優先したのだろう。
魔物の襲来という緊急時、この混乱に乗じてよからぬ事を考える者もいるかもしれない。
惜しまれるが、間違った判断だとは思わないし責めもしない。
「副団長!」
団員の1人が声をあげた。
剣を構え直す暗黒剣士。
このまま防戦に徹すれば敗北すると悟ったか。
攻勢に打って出るつもりのようだ。
「────はっ。困ってるみてぇだな」
その時。
どこからともなく。
いや、空だ。
頭上からの声。
見上げた先には青い輝き。
そして空に溶けてたなびく黒。
その青と黒が閃きとなって迫って来るのを私は捉えた。
「っ! 全員、防御!!」
私は水の属性を展開。
周囲の団員達も各々の形で防御の構え。
続けて激しい衝撃。
何かが地面を穿ち、衝撃波が拡散する。
もうもうと立ち込めるのは熱を帯びた黒。
闇の蒸気だった。
周囲には衝撃で飛び散った青の炎が点々と燃えていた。
急襲してきたのはゴーレム。
だが見たことのない鋼色の体躯をしていた。
人型として均整が取れて通常のゴーレムと比べて細身。
なのに先の一撃は並のゴーレムを遥かに上回るパワーを備えている。
さらに頭上からはバサバサと羽ばたきの音。
ゴーレムを警戒しつつ見上げるとブラックドラゴンの姿があった。
さらにその背にはナニかが。
その正体を把握するよりも早くに、その影はドラゴンの背から飛び降りた。
ゴーレムと同じく、暗黒剣士の前に着地する。
それは鎧を身に纒うゴブリン。
サイズは通常種と変わらぬ小型。
だがその手に携えているのはキングゴブリンの得物である巨大な戦斧。
身の丈を、自重すらも優に超えていそうな得物をそのゴブリンは軽々と構えている。
「あれは……なんだ?」
2体の魔物を前にどっと冷や汗が吹き出す。
これまでの経験によって培われた勘が告げている、あのどちらもが私が今まで対峙してきたどんな魔物よりも強大であると。
暗黒剣士に闇を回復される前に攻めきるのがベスト。
分かっているのに、私を含めこの場の誰もが動きを止めた。
わずか1拍の間。
だが私を含め誰もがその一瞬が勝敗を分かつほど大きなものになると知っている。
知っていたのに。
暗黒剣士が動いた。
描かれる魔法陣を見て、しまったと思う。
さらに後手に回ってしまった。
魔法陣からはさらなる魔物の影が這い出してきた。
白いローブに金色の頭蓋をしたスケルトン種。
一見、厳かで神々しさすらあって。
だがだからこそ、その出で立ちの異様さにより恐怖を覚える。
すでにいる2体と同格の魔物がさらに増えた。
そして金色のスケルトンは宙へと浮かんで。
その口から音ではなく情報として伝播する不気味な調べ。
福音を謳う冷たい光が私達を取り囲む。
その光から現れたのは骸の山。
それも魔物の骸を積み上げたものだ。
黄金色の光を散らす純白の輝きはやはり神々しく。
でもだからこそ異質。
だからこそ畏怖を覚えずにはいられない。
気付いたら私達は暗黒剣士と巨人から光を纏う壁によって隔てられていた。
壁に囲われた私達は3体の魔物と向かい合う。
「ゴーレムにゴブリン、スケルトンだと?」
「だけどあの姿はなんだ? ブラックとも違う!」
「暗黒剣士は魔物を操る。あれが奴の配下なのだな」
「新種の魔物は軒並み強力だと聞く。さらにこのプレッシャーは……」
団員達に続いて、私は震える声で呟く。
「強大な魔物を従えて人に仇なすモノ。まさに邪神の再来か」
私は剣を強く握り締めた。
あれはやはり王国全体の脅威。
どうあっても倒さなければならない。
「……っ」
なのに私も。
他の団員も動けない。
「────怯むな。我ら王国騎士は国の守護者。栄えある盾ぞ。誉れある剣ぞ。国に仇なす魔物の脅威、ここで討たずしてなんとする」
響き渡ったのは騎士団長様のお声。
完全な無色透明でありながら光を反射して拡がるのは騎士団長様の操る水の属性だ。
それが巨大な炎のように立ち昇った。
レズモンドの白炎にも劣らぬ、穢れ払う清浄の水。
騎士団長様の水の属性はきらりと光を反射すると、次の瞬間にはその姿を完全に消して。
同時に相対する3体の魔物が吹き飛んだ。
不可視の激流が魔物達を飲み込む。
「やったか!」
団員から声が上がった。
だが私はうめき声を漏らして。
「……普通の魔物なら一撃必殺のはずだぞ!」
やはり化け物。
スケルトンは周囲に光を展開して相殺。
ゴーレムは全身から炎と黒の蒸気を吐き出して水の属性を寄せ付けない。
唯一ゴブリンは鎧にダメージを負い、肉体も分解されている。
ゴブリンは戦斧を構えた。
噴き出す闇が刃を覆い、腐食と錆がパラパラと崩れ落ちる。
ゴブリンは目に見えない激流に抗って1歩前へ。
「ほう、動くか」
騎士団長様が呟いた。
続けてその手を縦に払う。
ザン、という音が響いた。
騎士団長様の操る激流が一条の刃となってゴブリンの身体を縦に斬り裂く。
「おお! さすがは騎士団長様!」
思わず感嘆が漏れた。
やれる。
倒せない相手じゃない。
「やれるぞ! 相手の能力と弱点を見切ればあとの2体も倒せる! 騎士団長様に続け!」
私は叫んだ。
騎士団全体に沸き起こった希望。
「……なっ?!」
そしてそれを覆す絶望。
身体を両断されたゴブリンの身体が再生していた。
瓦解した鎧も時が巻き戻るように修復されていく。
「バカな!」
あの騎士団長様でさえ、目の前の光景に同様を隠せない。
再びゴブリンが戦斧を構えて。
絶望が、始まる。
そちらは聖騎士の十八番。
私達、王国騎士にそれを効率的に行うノウハウこそないが、関係ない。
「副団長! 効いてます!」
「ええ、このまま押しきってください!」
王国騎士の副団長である私は団員に答えた。
先の連撃は捌かれましたが、背後の巨人を庇いつつの立ち回りは不利。
消耗を最小に抑えていようと、それでも武器に纏う闇は大きく減っている。
もう1度4属性の複合攻撃を一斉に行えば。
少なくともあと2度の攻勢で暗黒剣士は戦闘能力を失う。
限りある闇に対しての戦闘。
新入りのリヒトが操る光の属性があればもう少し楽に無力化できたでしょうが、彼は王女の護衛。
こちらに駆けつける素振りはない以上そっちを優先したのだろう。
魔物の襲来という緊急時、この混乱に乗じてよからぬ事を考える者もいるかもしれない。
惜しまれるが、間違った判断だとは思わないし責めもしない。
「副団長!」
団員の1人が声をあげた。
剣を構え直す暗黒剣士。
このまま防戦に徹すれば敗北すると悟ったか。
攻勢に打って出るつもりのようだ。
「────はっ。困ってるみてぇだな」
その時。
どこからともなく。
いや、空だ。
頭上からの声。
見上げた先には青い輝き。
そして空に溶けてたなびく黒。
その青と黒が閃きとなって迫って来るのを私は捉えた。
「っ! 全員、防御!!」
私は水の属性を展開。
周囲の団員達も各々の形で防御の構え。
続けて激しい衝撃。
何かが地面を穿ち、衝撃波が拡散する。
もうもうと立ち込めるのは熱を帯びた黒。
闇の蒸気だった。
周囲には衝撃で飛び散った青の炎が点々と燃えていた。
急襲してきたのはゴーレム。
だが見たことのない鋼色の体躯をしていた。
人型として均整が取れて通常のゴーレムと比べて細身。
なのに先の一撃は並のゴーレムを遥かに上回るパワーを備えている。
さらに頭上からはバサバサと羽ばたきの音。
ゴーレムを警戒しつつ見上げるとブラックドラゴンの姿があった。
さらにその背にはナニかが。
その正体を把握するよりも早くに、その影はドラゴンの背から飛び降りた。
ゴーレムと同じく、暗黒剣士の前に着地する。
それは鎧を身に纒うゴブリン。
サイズは通常種と変わらぬ小型。
だがその手に携えているのはキングゴブリンの得物である巨大な戦斧。
身の丈を、自重すらも優に超えていそうな得物をそのゴブリンは軽々と構えている。
「あれは……なんだ?」
2体の魔物を前にどっと冷や汗が吹き出す。
これまでの経験によって培われた勘が告げている、あのどちらもが私が今まで対峙してきたどんな魔物よりも強大であると。
暗黒剣士に闇を回復される前に攻めきるのがベスト。
分かっているのに、私を含めこの場の誰もが動きを止めた。
わずか1拍の間。
だが私を含め誰もがその一瞬が勝敗を分かつほど大きなものになると知っている。
知っていたのに。
暗黒剣士が動いた。
描かれる魔法陣を見て、しまったと思う。
さらに後手に回ってしまった。
魔法陣からはさらなる魔物の影が這い出してきた。
白いローブに金色の頭蓋をしたスケルトン種。
一見、厳かで神々しさすらあって。
だがだからこそ、その出で立ちの異様さにより恐怖を覚える。
すでにいる2体と同格の魔物がさらに増えた。
そして金色のスケルトンは宙へと浮かんで。
その口から音ではなく情報として伝播する不気味な調べ。
福音を謳う冷たい光が私達を取り囲む。
その光から現れたのは骸の山。
それも魔物の骸を積み上げたものだ。
黄金色の光を散らす純白の輝きはやはり神々しく。
でもだからこそ異質。
だからこそ畏怖を覚えずにはいられない。
気付いたら私達は暗黒剣士と巨人から光を纏う壁によって隔てられていた。
壁に囲われた私達は3体の魔物と向かい合う。
「ゴーレムにゴブリン、スケルトンだと?」
「だけどあの姿はなんだ? ブラックとも違う!」
「暗黒剣士は魔物を操る。あれが奴の配下なのだな」
「新種の魔物は軒並み強力だと聞く。さらにこのプレッシャーは……」
団員達に続いて、私は震える声で呟く。
「強大な魔物を従えて人に仇なすモノ。まさに邪神の再来か」
私は剣を強く握り締めた。
あれはやはり王国全体の脅威。
どうあっても倒さなければならない。
「……っ」
なのに私も。
他の団員も動けない。
「────怯むな。我ら王国騎士は国の守護者。栄えある盾ぞ。誉れある剣ぞ。国に仇なす魔物の脅威、ここで討たずしてなんとする」
響き渡ったのは騎士団長様のお声。
完全な無色透明でありながら光を反射して拡がるのは騎士団長様の操る水の属性だ。
それが巨大な炎のように立ち昇った。
レズモンドの白炎にも劣らぬ、穢れ払う清浄の水。
騎士団長様の水の属性はきらりと光を反射すると、次の瞬間にはその姿を完全に消して。
同時に相対する3体の魔物が吹き飛んだ。
不可視の激流が魔物達を飲み込む。
「やったか!」
団員から声が上がった。
だが私はうめき声を漏らして。
「……普通の魔物なら一撃必殺のはずだぞ!」
やはり化け物。
スケルトンは周囲に光を展開して相殺。
ゴーレムは全身から炎と黒の蒸気を吐き出して水の属性を寄せ付けない。
唯一ゴブリンは鎧にダメージを負い、肉体も分解されている。
ゴブリンは戦斧を構えた。
噴き出す闇が刃を覆い、腐食と錆がパラパラと崩れ落ちる。
ゴブリンは目に見えない激流に抗って1歩前へ。
「ほう、動くか」
騎士団長様が呟いた。
続けてその手を縦に払う。
ザン、という音が響いた。
騎士団長様の操る激流が一条の刃となってゴブリンの身体を縦に斬り裂く。
「おお! さすがは騎士団長様!」
思わず感嘆が漏れた。
やれる。
倒せない相手じゃない。
「やれるぞ! 相手の能力と弱点を見切ればあとの2体も倒せる! 騎士団長様に続け!」
私は叫んだ。
騎士団全体に沸き起こった希望。
「……なっ?!」
そしてそれを覆す絶望。
身体を両断されたゴブリンの身体が再生していた。
瓦解した鎧も時が巻き戻るように修復されていく。
「バカな!」
あの騎士団長様でさえ、目の前の光景に同様を隠せない。
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