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事態は悪化する
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「ゴーレムとゴブリンにスケルトン、だと?」
「だけどあの姿はなんだ? ブラックとも違う!」
「暗黒剣士は魔物を操る。あれが奴の配下なのだな」
「新種の魔物は軒並み強力だと聞く。さらにこのプレッシャーは……」
「強大な魔物を従えて人に仇なすモノ。まさに邪神の再来か」
王国騎士達が口々に呟いた。
ヘルとの戦いの時にはアイゼンとビショップアーキテクトが同時に戦った事はあったけど、さらにロードナイトが加わって3人が揃うのは初めてだ。
ちなみにドラゴン・ソードクライメイトは呼べない。
呼ぶわけにはいかない。
あれをここで放ったら間違いなく王都が滅んでしまう。
『できるだけ無傷で頼む』
俺は3人に言った。
よほどの格上でない限り、相手を傷つけずに足止めするのは難しい。
なのに相手は王国騎士。
条件次第では俺でも苦戦するかもしれない相手も含まれてる。
あのレズモンドで王国騎士のトップ5。
実力の近い奴があと4人はいるという事だ。
幸いそのトップ戦力の1人のレズモンドは、リーネ=ヒルデカルド王女の罪が問われたと同時に連行された。
だけど今は王国側からすれば非常時。
巨人だけでなく、さらなる魔物を王城の敷地に侵入を許してしまったわけで。
その戦力をいつまでも腐らせているとも思えない。
『最初からハティを連れてくるべきだったか』
俺はフラン達のいる方を横目見た。
王位継承者が確定した今、リーネ=ヒルデカルド王女やその派閥から彼女が狙われる可能性はないはず。
『来い、ハティ!』
俺は命令権を行使し、ハティを呼び寄せた。
子供の姿ではなく、狼の姿で来るよう命令を加える。
王国騎士をビショップアーキテクトの神殿で囲ってはいるけど。
他に王国騎士が潜んでいたり駆けつけたりするかも知れないし、誰が見ているか分からない。
ハティはすぐに駆けつけた。
赤い子狼の姿で小さく吠える。
ハティはぶんぶんと尻尾を揺らし、耳をV字にピンと張って。
巨人にされたアンさんに向かって好戦的な視線を向ける。
『アンさんが魔物にされたんだ。ハティ、闇喰らいでアンさんを戻してくれ』
俺が言うとハティはアンさんをしばらく見つめて。
そして耳と尻尾が力なく垂れた。
おろおろとその場を回ると、お座りしてしまう。
『ハティ?』
『──』
ハティは小さく吠えると頭を振った。
俺を見上げて唸る。
そうこうしている間にも、魔物の骸で築かれた壁の向こうから激しい戦いの音が響いていた。
3人と王国騎士達、それぞれに怪我を負わせたくはないから、すぐにでもアンさんを人に戻して撤退させたいのに。
『ハティ頼む』
『────!』
俺の頼みを断るように強く吠えるハティ。
なんで闇喰らいを使いたがらない?
さっきはあんなにもやる気だったのに。
アンさんは困った様子のハティにその手を伸ばした。
慈しむように指先で優しく撫でて。
次いで壁の向こうと俺に視線を移す。
胸に手を当てて自身を示すアンさん。
アンさんもこれ以上長引かせるわけにはいかないと思ってるんだ。
『ハティ』
呼び掛けてもハティはぶんぶんと首を振る。
仕方ない。
あまり何度も使うのは嫌だけど。
『ハティ、闇喰らいを使え』
やむを得ず、再びの命令。
『──!?』
ハティが少しぎこちなく立ち上がった。
アンさんが指先を差し出すと、ハティがその牙で指先に傷をつける。
アンさんは傷を受けた指先を胸に添えた。
そこを中心に闇喰らいを発動すれば、上半身のほとんどが効果範囲になる。
ハティは大きく口を開いた。
あとはパクリ、と口を閉じれば────
『──て! そいつは闇の融合度が高すぎる!」
待って、とハティは子供の姿へと戻って俺に訴えた。
俺はすかさず、わずかな闇を使って1度ハティを隠して。
『止まれ!』
同時に闇喰らいの命令を止める。
闇の融合度。
マザー・ゴブリンにされた女性に闇喰らいを使う時に時に言っていた。
闇との融合度合いによってはベースになった人間も食べてしまうかも、と。
「ていうかそいつ、本当にあの女なの? 顔は似てるし匂いは確かにあの女だけど……とても元が人間だったとは思えない。初めから魔物だったとしか」
初めから、魔物だった?
俺はアンさんを見上げた。
するとアンさんがうなずく。
魔物であるハティやスコル、ヘルとその容姿が似ていたのはアンさんも魔物だったから?
でも闇の気配なんて感じた事はない。
アンさんは間違いなく人間だったはず。
「あたしが闇喰らいを使えばそいつを食べちゃう。助けられないわよ」
アンさんは未だに自分の胸に闇喰らいの中心となる指を当てていた。
俺を見てうなずく。
殺せって、言ってるのか。
『ダメだ』
俺はどうすればアンさんを助けられるか考える。
こうなったらビショップアーキテクトの空間に1度匿うか。
だけどアンさんの身体は巨大過ぎる。
果たして格納できるのか。
そもそもそれだけの巨大な魔法陣による門を形成できるか分からない。
それに、それをするにはビショップアーキテクトの意識をこちらに割いてもらう必要があるだろう。
その間アイゼンとロードナイトだけで王国騎士達の攻撃を防いでもらわなければならない。
「リヒトさん」
俺が悩んでいると、アンさんが能力を使った。
巨人の一部ではなく、人間に似せた姿と大きさの複製体を生んだ。
「かまいません。私を殺してください」
アンさんが複製体を通して言った。
「私の権能をロキは利用しようとしています。このままでは皆さんに大きな迷惑をかけてしまいます。気にしないで、私は元々魔物ですから。ロキの権能で人のふりをしていたに過ぎないのです」
『ロキの権能?』
「『変異』という、人を魔物に、魔物を人に変えることのできる能力です」
……なるほど。
『つまり、闇の力でそれができるんですね』
「リ、リヒトさん!?」
驚くアンさんをよそに、俺は闇を練り始めた。
闇の力で使える能力なら、俺に使えないはずがない。
闇が個体に。
だけどこれはただのスライムだ。
俺はスライムを霧散させて再び形を。
そしてまた分解。
形成。
崩壊。
構成。
次々と組成を変えてロキの『変異』という能力を再現しようと試みる。
「無茶です。あれはロキの権能。再現なんて」
アンさんは壁の方に視線を向けた。
強い攻撃が中で起こったのか、壁が大きく歪曲する。
『時間を稼げ、ビショップアーキテクト!」
俺は壁へと叫んだ。
顔を覆い隠す闇も取り払って権能の再現に力を注ぐ。
「ハティさん! お願いします。あなたになら私は」
アンさんの複製体がハティに懇願する。
「ダメだ、ハティ!」
「ハティさん!」
俺とアンさんの2人に言われて、闇の隙間から覗くハティはおろおろとしていた。
「ハ、ハティちゃん!」
その時、スコルの声。
振り向くとスコルが泣きそうな顔で。
そしてなぜかその手にはあの黒いスライム質──『変異』が握られていた。
「スコル? なんで」
「どどどどどうしようハティちゃん。お姉ちゃんが」
その言葉に俺とハティ、アンさんが身構える。
スコルの言うお姉ちゃんとはフランの事だ。
「じょ、女王様のお姉ちゃんと一緒に拐われちゃったよぅ」
「だけどあの姿はなんだ? ブラックとも違う!」
「暗黒剣士は魔物を操る。あれが奴の配下なのだな」
「新種の魔物は軒並み強力だと聞く。さらにこのプレッシャーは……」
「強大な魔物を従えて人に仇なすモノ。まさに邪神の再来か」
王国騎士達が口々に呟いた。
ヘルとの戦いの時にはアイゼンとビショップアーキテクトが同時に戦った事はあったけど、さらにロードナイトが加わって3人が揃うのは初めてだ。
ちなみにドラゴン・ソードクライメイトは呼べない。
呼ぶわけにはいかない。
あれをここで放ったら間違いなく王都が滅んでしまう。
『できるだけ無傷で頼む』
俺は3人に言った。
よほどの格上でない限り、相手を傷つけずに足止めするのは難しい。
なのに相手は王国騎士。
条件次第では俺でも苦戦するかもしれない相手も含まれてる。
あのレズモンドで王国騎士のトップ5。
実力の近い奴があと4人はいるという事だ。
幸いそのトップ戦力の1人のレズモンドは、リーネ=ヒルデカルド王女の罪が問われたと同時に連行された。
だけど今は王国側からすれば非常時。
巨人だけでなく、さらなる魔物を王城の敷地に侵入を許してしまったわけで。
その戦力をいつまでも腐らせているとも思えない。
『最初からハティを連れてくるべきだったか』
俺はフラン達のいる方を横目見た。
王位継承者が確定した今、リーネ=ヒルデカルド王女やその派閥から彼女が狙われる可能性はないはず。
『来い、ハティ!』
俺は命令権を行使し、ハティを呼び寄せた。
子供の姿ではなく、狼の姿で来るよう命令を加える。
王国騎士をビショップアーキテクトの神殿で囲ってはいるけど。
他に王国騎士が潜んでいたり駆けつけたりするかも知れないし、誰が見ているか分からない。
ハティはすぐに駆けつけた。
赤い子狼の姿で小さく吠える。
ハティはぶんぶんと尻尾を揺らし、耳をV字にピンと張って。
巨人にされたアンさんに向かって好戦的な視線を向ける。
『アンさんが魔物にされたんだ。ハティ、闇喰らいでアンさんを戻してくれ』
俺が言うとハティはアンさんをしばらく見つめて。
そして耳と尻尾が力なく垂れた。
おろおろとその場を回ると、お座りしてしまう。
『ハティ?』
『──』
ハティは小さく吠えると頭を振った。
俺を見上げて唸る。
そうこうしている間にも、魔物の骸で築かれた壁の向こうから激しい戦いの音が響いていた。
3人と王国騎士達、それぞれに怪我を負わせたくはないから、すぐにでもアンさんを人に戻して撤退させたいのに。
『ハティ頼む』
『────!』
俺の頼みを断るように強く吠えるハティ。
なんで闇喰らいを使いたがらない?
さっきはあんなにもやる気だったのに。
アンさんは困った様子のハティにその手を伸ばした。
慈しむように指先で優しく撫でて。
次いで壁の向こうと俺に視線を移す。
胸に手を当てて自身を示すアンさん。
アンさんもこれ以上長引かせるわけにはいかないと思ってるんだ。
『ハティ』
呼び掛けてもハティはぶんぶんと首を振る。
仕方ない。
あまり何度も使うのは嫌だけど。
『ハティ、闇喰らいを使え』
やむを得ず、再びの命令。
『──!?』
ハティが少しぎこちなく立ち上がった。
アンさんが指先を差し出すと、ハティがその牙で指先に傷をつける。
アンさんは傷を受けた指先を胸に添えた。
そこを中心に闇喰らいを発動すれば、上半身のほとんどが効果範囲になる。
ハティは大きく口を開いた。
あとはパクリ、と口を閉じれば────
『──て! そいつは闇の融合度が高すぎる!」
待って、とハティは子供の姿へと戻って俺に訴えた。
俺はすかさず、わずかな闇を使って1度ハティを隠して。
『止まれ!』
同時に闇喰らいの命令を止める。
闇の融合度。
マザー・ゴブリンにされた女性に闇喰らいを使う時に時に言っていた。
闇との融合度合いによってはベースになった人間も食べてしまうかも、と。
「ていうかそいつ、本当にあの女なの? 顔は似てるし匂いは確かにあの女だけど……とても元が人間だったとは思えない。初めから魔物だったとしか」
初めから、魔物だった?
俺はアンさんを見上げた。
するとアンさんがうなずく。
魔物であるハティやスコル、ヘルとその容姿が似ていたのはアンさんも魔物だったから?
でも闇の気配なんて感じた事はない。
アンさんは間違いなく人間だったはず。
「あたしが闇喰らいを使えばそいつを食べちゃう。助けられないわよ」
アンさんは未だに自分の胸に闇喰らいの中心となる指を当てていた。
俺を見てうなずく。
殺せって、言ってるのか。
『ダメだ』
俺はどうすればアンさんを助けられるか考える。
こうなったらビショップアーキテクトの空間に1度匿うか。
だけどアンさんの身体は巨大過ぎる。
果たして格納できるのか。
そもそもそれだけの巨大な魔法陣による門を形成できるか分からない。
それに、それをするにはビショップアーキテクトの意識をこちらに割いてもらう必要があるだろう。
その間アイゼンとロードナイトだけで王国騎士達の攻撃を防いでもらわなければならない。
「リヒトさん」
俺が悩んでいると、アンさんが能力を使った。
巨人の一部ではなく、人間に似せた姿と大きさの複製体を生んだ。
「かまいません。私を殺してください」
アンさんが複製体を通して言った。
「私の権能をロキは利用しようとしています。このままでは皆さんに大きな迷惑をかけてしまいます。気にしないで、私は元々魔物ですから。ロキの権能で人のふりをしていたに過ぎないのです」
『ロキの権能?』
「『変異』という、人を魔物に、魔物を人に変えることのできる能力です」
……なるほど。
『つまり、闇の力でそれができるんですね』
「リ、リヒトさん!?」
驚くアンさんをよそに、俺は闇を練り始めた。
闇の力で使える能力なら、俺に使えないはずがない。
闇が個体に。
だけどこれはただのスライムだ。
俺はスライムを霧散させて再び形を。
そしてまた分解。
形成。
崩壊。
構成。
次々と組成を変えてロキの『変異』という能力を再現しようと試みる。
「無茶です。あれはロキの権能。再現なんて」
アンさんは壁の方に視線を向けた。
強い攻撃が中で起こったのか、壁が大きく歪曲する。
『時間を稼げ、ビショップアーキテクト!」
俺は壁へと叫んだ。
顔を覆い隠す闇も取り払って権能の再現に力を注ぐ。
「ハティさん! お願いします。あなたになら私は」
アンさんの複製体がハティに懇願する。
「ダメだ、ハティ!」
「ハティさん!」
俺とアンさんの2人に言われて、闇の隙間から覗くハティはおろおろとしていた。
「ハ、ハティちゃん!」
その時、スコルの声。
振り向くとスコルが泣きそうな顔で。
そしてなぜかその手にはあの黒いスライム質──『変異』が握られていた。
「スコル? なんで」
「どどどどどうしようハティちゃん。お姉ちゃんが」
その言葉に俺とハティ、アンさんが身構える。
スコルの言うお姉ちゃんとはフランの事だ。
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