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一年四月、夢の中と少女の約束

五日目。

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 目を覚ます。前回のような身体の異常もない。
 しかし、何かが変わったと、しいていえば…なんか少女が浮いてる位だろうか。
「おはよ!雛花ひいかちゃん!」
「………あ、おはよ…って!?なんでコッチに居るのぉ!?」
 てっきりあの流れからして、
成仏する→会えなくなる→悲しいな→END
 いうオチじゃないの!?
「え?だってさ、まだ言うことがあったんじゃないの?それが気になって気になって逝くに逝けないってものなのさ…」
 それを聞いた途端、そりゃあ私が悪いなって雛花は思った。
━━私だって、電話をしている最中になんか話している途中に電話がブツリと切れたら内容が気になって心残りになるもん…
「それで?言いたい事ってなんだい?」
「あっ、そのね?ちゃんとかくれんぼを出来なかったんでしょ…?だから…」

『また、遊ぼ?』

「………!」
 はなちゃんと呼ばれた霊は、大粒の涙を夢の中にいた時と同じように流し始めた。
「えっ!?あっ!?ごめんね!?や、嫌ならいいんだけど!?その、また、遊びたかったらいつでもおいで?…出来れば苦しいのは勘弁だけどさ!」
「…うん!うん、うん!また来る!絶対また遊ぶ!雛花お姉ちゃん・・・・・と…また、遊びたい!」
 はなちゃんは泣きながらも満天の笑顔になり、大粒の涙は真珠のように輝いて、その笑顔をいっそう輝かせる。
「えへへ…まだまだココに残る理由が出来ちゃった!」
「…あっ、いけない!?時間…またギリギリだ!急がなきゃ!」
「おっと?もしかして、もしかしてもしかして!学校に行くの?」
「うん…ってまさか着いてくるの!?」
「行ってみたーい!雛花お姉ちゃん以外には見えないだろうし!」
「うぅ…今日だけだからね!」
「……!ハーイ!」

 新たな友達を加えて、雛花は学園に向けて走り出したのだった。



五日目#1、ウェルカムゴーストフレンド!
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