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閑話#2、初日の出。
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※この話は本編とは関係ありません
※この話を見る前にキャラを知る為、本編の初日#1から見ることを推奨します。
◎◎◎◎◎◎
現在時刻、12月31日の午後11時50分。真司は台所にてうどんを茹でていた。この季節といえば年越し蕎麦だろう。だが、真司は蕎麦アレルギー持ちなのでうどんを食べるのだ。
「…いい感じに茹で上がったかな」
うどんをお椀に移し、リビングへ向かう。
「いただきます。……美味い…染みるぜ…」
自分で打っただけあり、コシがよく出ていた。もっちもちだ。途中で油揚げをうどんに乗せ、きつねうどんにした。もちろん美味しかった。
うどんを完食した真司は某歌合戦を見ながらうつらうつらしていた。身体が温まったお陰か、唐突に眠気が襲ってきたのだ。………歌合戦が終わる頃には真司は夢の中へと落ちていったのだった。
☆☆☆☆☆☆
一方その頃雛花は布団の中で夢を見ていた。年末だろうとしっかり定時には寝るのが雛花のいい所だ。しかし、見ている夢は残念だった。なんと、財布を落として見つけるものの、財布の中のお金が全て抜き取られているというものだった。
あまりにも現実味を帯びていた夢だったので、夢の中で雛花は夢だったらよかったのにと思う雛花だった。
こうして、年末の夜は更けていった。
★★★★★★
真司は目が覚める。座りながら寝落ちしたと認識し、首を擦る。とても痛い…
スマホを手に取り、時間を見てみる。現在時刻1月1日の午前4時56分27秒…日はまだ昇っていない。
どうせならば初日の出を見るかと思い、新しい服をきて、軽く欠伸をした後に部屋を出る。少しまだ肌寒いが前にもらったマフラーを巻いて屋上へ向かうのだった。
☆☆☆☆☆☆
雛花は目を覚ます。
━━━本当に夢!?
ガバッと布団から勢いよく出て、財布を確認する。そして中身が消えてないことを確認して、はぁ…と、安堵の息をもらす。
部屋の冷気に身を震わせ、目を完全に覚ました雛花は部屋の壁にかけてある手作り時計を見る。
時刻は午前5時21分を刺していて、雛花はカーテン越しに外を覗き見る。まだ太陽が登っていない。
初日の出を見ようと雛花はベランダに出て、日の出を待ったのだった…
…数分後
遠くから強い光が見える。あまりの眩しさに目を瞑ってしまう。だが、それと同時に美しいとも思った。
初日の出なぞ何時ぶりに見ただろうか。少なくともここ5年以上は見ていないだろう。
「…あれ?」
屋上から声が聞こえた気がした。
比較的に聞いた事のあるような声だ。
★★★★★★
雛花が声を聞き取る少しだけ前、真司は昔を思い出しつつ初日の出を見ていた。
あれは小一の時…親父に無理やり狩り出されて見に行った時、死ぬ程寒い思いをしたのに結局見れなかったオチだ。それを思い出した真司は咄嗟に叫びたくなった。
「親父の馬鹿野郎がァァァァァァァァァ!!」
…おっと近所迷惑になるな、よし。部屋に戻ろう…
☆☆☆☆☆☆
「親父の馬鹿野郎がァァァァァァァァァ!!」
と、うっすら聞こえた途端雛花は思わず笑ってしまった。真司は度々真司のお父さんに狩り出されて色々な場所に連れていかれる。その度にトラウマを植え付けられ、こうして度々発散するのだ。
「…変わらないね、しんちゃん」
《笑う門には福来る》という言葉を思い出しつつ雛花は室内に戻り、朝ごはんの準備をするのだった…
※この話を見る前にキャラを知る為、本編の初日#1から見ることを推奨します。
◎◎◎◎◎◎
現在時刻、12月31日の午後11時50分。真司は台所にてうどんを茹でていた。この季節といえば年越し蕎麦だろう。だが、真司は蕎麦アレルギー持ちなのでうどんを食べるのだ。
「…いい感じに茹で上がったかな」
うどんをお椀に移し、リビングへ向かう。
「いただきます。……美味い…染みるぜ…」
自分で打っただけあり、コシがよく出ていた。もっちもちだ。途中で油揚げをうどんに乗せ、きつねうどんにした。もちろん美味しかった。
うどんを完食した真司は某歌合戦を見ながらうつらうつらしていた。身体が温まったお陰か、唐突に眠気が襲ってきたのだ。………歌合戦が終わる頃には真司は夢の中へと落ちていったのだった。
☆☆☆☆☆☆
一方その頃雛花は布団の中で夢を見ていた。年末だろうとしっかり定時には寝るのが雛花のいい所だ。しかし、見ている夢は残念だった。なんと、財布を落として見つけるものの、財布の中のお金が全て抜き取られているというものだった。
あまりにも現実味を帯びていた夢だったので、夢の中で雛花は夢だったらよかったのにと思う雛花だった。
こうして、年末の夜は更けていった。
★★★★★★
真司は目が覚める。座りながら寝落ちしたと認識し、首を擦る。とても痛い…
スマホを手に取り、時間を見てみる。現在時刻1月1日の午前4時56分27秒…日はまだ昇っていない。
どうせならば初日の出を見るかと思い、新しい服をきて、軽く欠伸をした後に部屋を出る。少しまだ肌寒いが前にもらったマフラーを巻いて屋上へ向かうのだった。
☆☆☆☆☆☆
雛花は目を覚ます。
━━━本当に夢!?
ガバッと布団から勢いよく出て、財布を確認する。そして中身が消えてないことを確認して、はぁ…と、安堵の息をもらす。
部屋の冷気に身を震わせ、目を完全に覚ました雛花は部屋の壁にかけてある手作り時計を見る。
時刻は午前5時21分を刺していて、雛花はカーテン越しに外を覗き見る。まだ太陽が登っていない。
初日の出を見ようと雛花はベランダに出て、日の出を待ったのだった…
…数分後
遠くから強い光が見える。あまりの眩しさに目を瞑ってしまう。だが、それと同時に美しいとも思った。
初日の出なぞ何時ぶりに見ただろうか。少なくともここ5年以上は見ていないだろう。
「…あれ?」
屋上から声が聞こえた気がした。
比較的に聞いた事のあるような声だ。
★★★★★★
雛花が声を聞き取る少しだけ前、真司は昔を思い出しつつ初日の出を見ていた。
あれは小一の時…親父に無理やり狩り出されて見に行った時、死ぬ程寒い思いをしたのに結局見れなかったオチだ。それを思い出した真司は咄嗟に叫びたくなった。
「親父の馬鹿野郎がァァァァァァァァァ!!」
…おっと近所迷惑になるな、よし。部屋に戻ろう…
☆☆☆☆☆☆
「親父の馬鹿野郎がァァァァァァァァァ!!」
と、うっすら聞こえた途端雛花は思わず笑ってしまった。真司は度々真司のお父さんに狩り出されて色々な場所に連れていかれる。その度にトラウマを植え付けられ、こうして度々発散するのだ。
「…変わらないね、しんちゃん」
《笑う門には福来る》という言葉を思い出しつつ雛花は室内に戻り、朝ごはんの準備をするのだった…
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