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一年四月、入学

二日目#4、謎の包容力。

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 自己紹介を終え、俺は気になる人の元にやって来た。自己紹介の時に初対面なのに謎の安心感…というより包容力が高そうなこの人、マザー・ミザール…さん。
「えぇっと…どうも、ミザールさん」
「ん?こんにちは~真司君。これからもよろしくね~」
 早っ。名前覚えんの早っ。
「よろしく。名前覚えるの早いね」
「ふふ、名前を覚えるのは得意分野だからね。君だって覚えているじゃない」
「いやミザールさんの名前が特徴的だったから…」
「ミザールでいいよ。確かに特徴的かもね~」
 うん、やっぱすげぇ安心するわ、何?この包容力。どこか懐かしさを感じるぞ…話し方、口調、仕草も真似出来ない個性がある。そう言えばもう1つ気になることあった。
「ミザールって性別どっち?」
 見た目や仕草で分からない人は珍しいと思う位見たことない俺は恐る恐る聞いてみた。
「どっちだろうね~どっちだと思う?」
「………わからないっす」
「答えはナイショだよ、秘密!」
 ここまできてやっとわかった気がする。
 この包容力。これ多分、母さんと一緒に居る時の安心感だわ。でも、性別はもっと分からなくなった。
「子供の面倒見よさそうだね」
「ふふ、ありがと」
 丁度次の授業を告げるチャイムが鳴った。
「そろそろ始まるね、一旦バイバイ」
「うん」
 そういって、教室は同じだが、一先ずお別れした。
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