龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

生まれかわり

21 パターンA-4

クロエがハルトから離れ、トムに寄り添う。

ハルトはなにかが吹っ切れたような顔で、みんなの方に向き頭を下げた。

「お騒がせして申し訳ありませんでした。ユキト兄さんごめんよ。アキトとリリアにも謝っていたと伝えてほしい。リリアには、今度こそ幸せにと。俺はこの国には近寄りません。ただ。兄との手紙のやり取りだけは、今まで通りにさせてほしい。」

「そうだな。手紙は続けよう。今はアキトは無理かも知れないが、年月が経てばいつかはわかってくれるだろう。また。笑い合って話ができる日が来るといいな。」

「ありがとう。兄さん(涙)今から出発するよ。アリサ義姉さん。ユキト兄さんとアキトをよろしくお願いします。」

複雑な顔をしながら「わかったわ。ハルト君も無理せず元気でね。」

「はい。」と再度。深く頭を下げカール国へ出発した。

「クロエ。ハルト君と何を話したんだ？それにしても～あの変わりようは？」

「内緒よ。それに～ハルトはもう大丈夫よ。」(またね。ハルト。いつか～また会う日まで。)