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ハルト

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この日。

リーア国は、黒龍によって消滅した。
そしてもう一つ。いつ滅びてもおかしくなかった龍国も、黒龍によって消滅した。

そのニュースは、各国に流れた。いつか我が国にも黒龍が、攻撃してくるのではないかと。
黒龍は、恐れられる存在になった。(2つの国を滅ぼしたのみで、他にはなにもしていない。)

各国のギルドには、討伐依頼が殺到した。あらゆる冒険者達が、討伐を試みたが無理だった。見つける事さえ出来なかったのだ。

数年後。

黒龍は、SS級冒険者である双龍の紫によって倒された。

その知らせに。
各国が盛大な祭りをし、歓喜に溢れていた。

その様子を、複雑な目をしながら見つめていた2人は…まるでそこにはいなかったように、消えていた。

黒龍の最期は、どうだったのか?それぞれが、都合よく想像する。

事情を知らぬ者達は、黒龍を悪だと。悲惨な最期をと。

黒龍ハルトが、最期に何を思ったのか。それは~きっと…。

「セイ。ルナ。ありがとう。これでやっと。リリアに会える。母上に会える。初めて実の母にも会えるよ。2人とも…愛しているよ。」
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