龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩

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リリア

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「ほら。女王陛下達が(モニョモニョ)それでな。王の番を第5王子だったハルト様の番として、認識させたみたいなんだ。」

「それは凄いな。あ。それならもしかして~本当の番は、女王陛下なのか?それなら納得だ。あんなに愛し合っているんだしな。それじゃ~なぜ?子供が。」

「それはな。(モニョモニョ)。」

「ハハ。それだったら。偽物の番は、惨めだな。今まで与えられていた愛情は、偽り幻だったんだからな。今までいい夢見れただけでも、得したかもな。子供もいるしな。」

「そうだな。それと。本当の親と姉の事を聞いたら、ショックだろうな。誰も言わないだろうけどな。」

「この国では、禁句だからな。あ。確か。魔女マノが、過去を見る水晶を持っていたよな。
そうだな。頼めば、過去を見せてくれるかもな。」

「なんだ。見たい過去でもあるのか?」

「妻の昔の約束を忘れてしまってな。怒られる前に…。」

「ハハ。仕事終わりに行って来いよ。」

「そうだな。さぁ~早く職場に戻らないとな。」

私は、薬の袋を抱えながら~血の気がサーッと引いたような気がした。

早足で。執務室に向かった。

そんなリリアの後ろ姿を。
ニヤリと2人の文官が見ているのも、気が付かなかった。

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