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もう一つの 毛の妖精の話
5話
しおりを挟むそれから2年がたったあの日。
その男の子は、祖父と祖母に引き取られた。祖父と祖母から、毎日たくさんの愛情をもらった。そして。美味しいご飯をたくさん食べた。そんな毎日を過ごしながら、心のキズも少しずつ改善されてきた。
「毛の妖精おじさん。良かったね。」
横たわる毛の妖精おじさんに、話しかけた。今までの無理がたたり、ほとんど動けず消えそうだった。
「毛の妖精おじさんの頑張りだよ。これから髪の毛も良くなるよ。だから~一緒に(涙)一緒に~(涙)」
「ありがとう。君のおかげだ。ありがとう。ありがとう。後は頼んだよ。」毛の妖精おじさんは、笑顔で消えてしまった。
毛の妖精おじさん。ぼく…おじさんのように、りっぱな毛の妖精になるからね。この男の子の髪の毛を見て、他の毛の妖精がうらやましく思うような髪の毛にするからね。見てて、約束だよ。
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