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そして遊園地(デート)当日
「なんでわざわざバラバラに出発すんの俺車乗せるのに」
「いいのいいの!!じゃあ行こ!!」
そう言って恭介がはるの手を引っ張る
「あっ!ちょっと!手離して!」
「…あっ!ごめんごめん笑」
「俺はあくまでもついて来ただけだからね!」
「はいはい~笑じゃあまずあれ乗ろうよ!!」
と恭介はいかにも激しそうなジェットコースターを指差す
「いや、あれはぁ…」
「え?何先生怖いの~??」
ニヤニヤしながら恭介がはるの顔を覗き込む
「は!?怖くないし!ほら行くよ!」
「はははっ!!!強がっちゃって~笑」
「うるさいっ!!!」
「あぁぁぁぁあ""""」
「あはははっ先生大丈夫かよ!笑」
はるが苦しむ横で恭介がケラケラと笑う
「もう二度と乗らない。死ぬ。いや死んだ」
「まだ1個目だよ?笑」
「1個目から飛ばしすぎなんだよ君!」
「先生が行こって言ったんじゃん笑」
「呪う~マジあの時の俺呪うから」
「はいはい笑ほら次行くよ次!」
「いや、まって休憩…」
「次あれ乗ろ!」
「俺の話聞いて~?」
そうして恭介の楽しい時間はあっという間に過ぎて行く
「あのお化け屋敷結構本格的だったね!」
「俺ちょっと舐めてたけど普通に怖かった笑」
「横でビクビクしてんのマジかわいかった笑」
「び、ビクビクなんてしてない!!」
「あぁ、はいはい笑」
「てか今何時??」
「んーっと4時半」
「そろそろ最後にしない?」
「そうだね。ほぼ全部乗ったしあとはあれ!」
そう言って恭介はデカデカと立つ観覧車を指差す。
「もう高いところは嫌だよ~」
「ほら、これがラストなんだから!行くよ!」
「あっ!」
「観覧車大変よく揺れますので危険な行為はおやめくださいっ!では!いってらっしゃい!!」
そう言ってキャストさんが笑顔で送り出す
「うわぁ」
「思ってた3倍くらい高いね笑」
「うん笑でもなんだろうあんまり怖くないかも」
「景色が綺麗だからじゃない??」
「そうかも」
「…ねぇ先生」
「ん~」
「俺が何で家出したか聞きたい?」
「なにそれ笑聞いて欲しいの?笑」
「うん。多分」
「じゃあ聞いてあげる」
「…俺の家さほらあのでっかい家」
「うん」
「俺昔からあの家が凄く嫌いだったんだ。
何をしてもαだからできて当然出来ない方が不思議
家族としての会話はまるでなくていつも業務連絡みたいな
そんな冷たい家だった。俺が小学校に上がる頃に
弟ができて俺正直ホッとしたんだ。
あぁこれで俺ばかり責められなくて済むんだ
俺が出来ないことがあっても弟にやらせばいいやって
でも違ったんだ弟はβだったんだよ。」
「…」
「俺の親は最初こそ嘆いてたけどしばらくしたらけろっとしてた。それどころか俺より弟の方が大事にされてて俺には必要最低限のものや服や食事しか与えなかったのにβの弟には好きなものを与えてお菓子を食べさせてまるで俺を阻害するかのように家の中で3人が家族団欒と過ごしていたんだ」
「…」
「俺小学生ながらにそれがおかしい事だって思って
母さんになんでαの俺にはこんななのにただのβのあいつにはそんな対応するの?って聞いたことがあるんだ。
そしたら母さんなんて答えたと思う?」
「…」
「「αとかβとか関係ないのよあんた私の子供じゃないんだから」ってそん時は全然意味分かんなかったんだけど後々調べれば母さんもともと妊娠しにくくて
跡取りの為に急いで養子を取ってたらしいんだ。
でその養子の条件がαならなんでもいいって
それを知った時は笑いしか起き無かったよね笑
それと同時にそりゃ自分の本当の子供だもんな
αとかβとか関係ねーわって思った」
「君、辛くないの」
「ん~どうなんだろう。辛いのかな。分かんない
けどあの家は居心地が悪い。
まるで俺はそこに居ないかのように扱われて
目の前で3人が団欒しているのをただ毎日毎日眺めさせられて
俺がこの家に居る存在価値はαだからという事を
その時痛いくらいに思い知らされる。
この感情が辛いって言うのか俺には分からない。
でも俺はあの家族を見ているとなんで俺は生きてるんだって思えて仕方がない。何故俺を産んだ人は
俺を捨てるのに俺をこの地獄に産み落としたんだろうって思って胸が締め付けられるみたいに痛くな」
恭介がそう言い終わる前にはるは恭介を抱き寄せ
「それを辛いって言うんだよ」
と言って強く強く抱きしめた。
「…そっか。俺辛かったんだ」
そう言って恭介ははるの胸の中で
今まで溜め込んだものが溢れ出したかのように
小さい子供のように泣いて泣いて泣き続けた。
「なんでわざわざバラバラに出発すんの俺車乗せるのに」
「いいのいいの!!じゃあ行こ!!」
そう言って恭介がはるの手を引っ張る
「あっ!ちょっと!手離して!」
「…あっ!ごめんごめん笑」
「俺はあくまでもついて来ただけだからね!」
「はいはい~笑じゃあまずあれ乗ろうよ!!」
と恭介はいかにも激しそうなジェットコースターを指差す
「いや、あれはぁ…」
「え?何先生怖いの~??」
ニヤニヤしながら恭介がはるの顔を覗き込む
「は!?怖くないし!ほら行くよ!」
「はははっ!!!強がっちゃって~笑」
「うるさいっ!!!」
「あぁぁぁぁあ""""」
「あはははっ先生大丈夫かよ!笑」
はるが苦しむ横で恭介がケラケラと笑う
「もう二度と乗らない。死ぬ。いや死んだ」
「まだ1個目だよ?笑」
「1個目から飛ばしすぎなんだよ君!」
「先生が行こって言ったんじゃん笑」
「呪う~マジあの時の俺呪うから」
「はいはい笑ほら次行くよ次!」
「いや、まって休憩…」
「次あれ乗ろ!」
「俺の話聞いて~?」
そうして恭介の楽しい時間はあっという間に過ぎて行く
「あのお化け屋敷結構本格的だったね!」
「俺ちょっと舐めてたけど普通に怖かった笑」
「横でビクビクしてんのマジかわいかった笑」
「び、ビクビクなんてしてない!!」
「あぁ、はいはい笑」
「てか今何時??」
「んーっと4時半」
「そろそろ最後にしない?」
「そうだね。ほぼ全部乗ったしあとはあれ!」
そう言って恭介はデカデカと立つ観覧車を指差す。
「もう高いところは嫌だよ~」
「ほら、これがラストなんだから!行くよ!」
「あっ!」
「観覧車大変よく揺れますので危険な行為はおやめくださいっ!では!いってらっしゃい!!」
そう言ってキャストさんが笑顔で送り出す
「うわぁ」
「思ってた3倍くらい高いね笑」
「うん笑でもなんだろうあんまり怖くないかも」
「景色が綺麗だからじゃない??」
「そうかも」
「…ねぇ先生」
「ん~」
「俺が何で家出したか聞きたい?」
「なにそれ笑聞いて欲しいの?笑」
「うん。多分」
「じゃあ聞いてあげる」
「…俺の家さほらあのでっかい家」
「うん」
「俺昔からあの家が凄く嫌いだったんだ。
何をしてもαだからできて当然出来ない方が不思議
家族としての会話はまるでなくていつも業務連絡みたいな
そんな冷たい家だった。俺が小学校に上がる頃に
弟ができて俺正直ホッとしたんだ。
あぁこれで俺ばかり責められなくて済むんだ
俺が出来ないことがあっても弟にやらせばいいやって
でも違ったんだ弟はβだったんだよ。」
「…」
「俺の親は最初こそ嘆いてたけどしばらくしたらけろっとしてた。それどころか俺より弟の方が大事にされてて俺には必要最低限のものや服や食事しか与えなかったのにβの弟には好きなものを与えてお菓子を食べさせてまるで俺を阻害するかのように家の中で3人が家族団欒と過ごしていたんだ」
「…」
「俺小学生ながらにそれがおかしい事だって思って
母さんになんでαの俺にはこんななのにただのβのあいつにはそんな対応するの?って聞いたことがあるんだ。
そしたら母さんなんて答えたと思う?」
「…」
「「αとかβとか関係ないのよあんた私の子供じゃないんだから」ってそん時は全然意味分かんなかったんだけど後々調べれば母さんもともと妊娠しにくくて
跡取りの為に急いで養子を取ってたらしいんだ。
でその養子の条件がαならなんでもいいって
それを知った時は笑いしか起き無かったよね笑
それと同時にそりゃ自分の本当の子供だもんな
αとかβとか関係ねーわって思った」
「君、辛くないの」
「ん~どうなんだろう。辛いのかな。分かんない
けどあの家は居心地が悪い。
まるで俺はそこに居ないかのように扱われて
目の前で3人が団欒しているのをただ毎日毎日眺めさせられて
俺がこの家に居る存在価値はαだからという事を
その時痛いくらいに思い知らされる。
この感情が辛いって言うのか俺には分からない。
でも俺はあの家族を見ているとなんで俺は生きてるんだって思えて仕方がない。何故俺を産んだ人は
俺を捨てるのに俺をこの地獄に産み落としたんだろうって思って胸が締め付けられるみたいに痛くな」
恭介がそう言い終わる前にはるは恭介を抱き寄せ
「それを辛いって言うんだよ」
と言って強く強く抱きしめた。
「…そっか。俺辛かったんだ」
そう言って恭介ははるの胸の中で
今まで溜め込んだものが溢れ出したかのように
小さい子供のように泣いて泣いて泣き続けた。
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