ヤマアラシのジレンマ

宇流

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1時間ほどして恭介がはるの寝室に向かい
「先生~1時間経っ」
と声をかけようとしたその時
寝ているはるの目から涙が流れていた。
「え、何!?怖い夢でも見てんの?」
そう戸惑う恭介の横で眠り続けるはる。
「…夢の中でくらい笑えばいいのに」
はるの前髪を上げてそう呟く
「綺麗な顔がもったいない」
「んん…」
「あ、起きた」
「もう1時間経ったの?」
「寝てる時の1時間なんてあっという間だよ」
「ん~」
「ほら起きて寝すぎると夜寝れないよ」
「わかってる~」
はるは重い腰を起こす
「さっき炒飯作ったけど食べる?」
「食べる」


「「いただきます!」」
「ん、美味しいよ」
「本当に!?良かった~」
「君やっぱり器用だよつい最近まで料理できなかった人のものとは思えない」
「褒めすぎ笑」
「これで俺は安心して君を独り立ちさせれるよ」
「バイトない日の夜は食べに来るから!」
「えぇ~」
「先生も俺居なくなったら寂しいでしょ」
「1ヶ月一緒に住んだくらいで寂しくなんてなんないよ笑」
「えぇひど!!」
ピンポーン
「?宅配便かな?」
「俺でるよ!!」
ガチャ
「はーい?」
「…!?」
「どちら様ですか?宅配???」
「え、ちょっとどゆこと!?」
「え!?何が!?」
「はる!!!出てきなさい!!」
「その声は!!龍司!?」
「え!?龍司って誰?また新しい男!?」
「ばっか!!違うわよ!」
「わよ??…っえ!もしかして弘重ちゃん!?」
「そうよ」
「龍司なんで今日オネェメイクじゃないの??」
「最近肌荒れが続いてたからちょっと肌に…って!」
「弘重ちゃん普通にイケメンなのな」
「まぁ女には困ったことは無いわねって!そうでも無くて!」
「…」
「はるこれどうゆうこと!?」
「…」
「なんで生徒を家に入れてんの!」
「これにはちょっと訳があって」
「弘重ちゃん!!先生を責めないで!俺が無理言って入り浸ってるだけだから!」
「…はぁ。どうせあんたの事だからなんか理由があるのは分かるけど」
「龍司お願い!!桐島君のお金が貯まるまでだから!」
「お金?」

~事情説明~

「なるほど。理由は分かったわ」
「弘重ちゃぁん!ありがとう!!!」
「なんでよりによってこいつに気に入られてんのよ!」
「こいつってひどいな!!弘重ちゃん俺の事嫌いなの!?」
「嫌い嫌い(((棒」
「酷くね!?」
「あぁ、はいはいじゃあもう今日は帰るわ」
「え、龍司上がってかないの?」
「どっちみち今日はお土産渡しにきただけだからね」
「そっか、ありがとう」
「次はその馬鹿が出て行った時にお酒でも持って来るわね」
「うん」
「困った事あったら連絡するのよ!!」
「はいはい笑」
「じゃあね」
「弘重ちゃんばいばーい!」
「はーい」
ガチャン
「先生弘重ちゃんと仲良かったんだ!」
「それはこっちのセリフだよ、君保健室使う用ないでしょ?」
「弘重ちゃん面白いから生徒に人気だよ?」
「そうなの?」
「うん、少なくとも俺らは弘重ちゃん好きだし!」
「そっか」
「なんか先生嬉しそうだね笑」
「親友が褒められるのは嬉しいよ」
「親友なんだ!!」
「中学からなんだかんだ間は合ったけどずっと一緒にいるかな?」
「へ~意外笑」
「そう??」
「あ~でも先生ぼーっとしてるとこあるから
しっかりしてる弘重ちゃんが側に居るのは結構想像できる笑」
「龍司は俺の自慢の親友だよ」
「そっか、いいねそういうの」
「うん」
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