ヤマアラシのジレンマ

宇流

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「あぁちょっと言いすぎたかなぁ~」
俺はそう呟きながら1人で帰っていた。
生徒にあんな事言うのは良くないと分かっていたけど
変に詮索されたり勘ぐられるのが嫌で言ってしまった。
まぁこれで彼も僕に近づくことはなくなるだろう
そう思っていた俺の考えは甘かったのだと
金曜日の放課後痛いほど思い知らされるのだった。


「は?君何言っ」
「だから!それ俺でもいいのかって聞いてんの」
「いやいや、放課後呼び出して何言い出されるのかと思えば
俺をセフレにしろって…ふざけるのも」
「ふざけてねぇよ」
「尚、問題だよ」
「何が問題なんだよ。
もしかして他にまだセフレが居るから俺みたいな
ガキはお断りってやつですか?」
「そう言う事じゃなくて!ってそもそも
もう昔のセフレ達とは縁を切ってるし今は薬が」
「じゃあ好都合じゃんか、いつまでも薬なんかに頼ってられないでしょ」
「そう言う問題じゃなくて第一俺達は」
「教師と生徒」
「君も分かってるんなら」
「それでも…それでも俺は好きなんだよ。
もうどうしようもなく。先生とかどうとかじゃなくて
愛沢はるって人間が好きなんだよ。」
「…」
「どうしたら俺を見てくれるの
もう何でもいいから繋がりたいんだよ。お願い。」
と崩れ落ちる恭介
「…今日は無理」
「え?」
「今日言われて今日いきなりは無理」
「えっ!じゃあ」
「明日の2時半〇〇駅」
「駅でいいの?俺直接先生の家行けるよ?」
「家の場所覚えてるの?」
「うん」
「分かった。じゃあ同じ時間に俺の家で」
「了解。先生ありがとう」
こんな事は良くない。分かってる。
それでも俺は何故かいつも彼を突き放さない。




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