ヤマアラシのジレンマ

宇流

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『ねぇねぇ先生』
『?』
『先生今付き合ってる人とか居んのー?』
『居ません』
『えぇ~じゃあ尚更俺と付き合ってよ!』
『もう本当しつこいよ』
と言って先生は少し呆れ顔をする
『先生番居なくて発情期しんどいでしょ?』
『今は薬とかが発達してそういうのは大丈夫』
『生理現象を薬でっていつまでもつの笑』
なんとなく俺がそう言うと
『番がいてもそれがいつまで続くか分からないでしょ?』
と笑いながら返されてしまった。
でもその時の笑顔はどこか悲しそうなものだった。
『ほらそんな事ばっかり言ってないでこっちの問題も解いて』
『は~い』
いつもは長く感じる1日も先生と居る時間は
とても短いものに感じる
もっと先生と一緒にいたい。もっと。もっと。
『はい、じゃあこれといたら補講は終了です』
『??』
『あれ?言ってなかった?この単元終わったらもう夏休みの補講来なくてもいいんだよ』
『え!?なにそれ!聞いてないんだけど!』
『聞いてないって。プリントに書いてあるよ』
『うわ。まじかよ』
『そんな事より君他の教科成績いいよね?』
『うん、まぁ?』
『国語も今見てるかんじじゃ普通にクラストップに入れるくらいのレベルもあるでしょ?』
『そうなの?』
『そうだよ。補講あるってわかっててなんで
真面目にテスト受けてくれないかな~』
そう言いながら答案の丸付けをしていく。
『そんなの先生と2人っきりになりたいからじゃん』
俺がそう言うと先生は丸付けをしていた手をピタッと止めて
『君、2年でしょ?そんな事してたら
成績にも進路にも関わってくるよ?』
『あぁ、いいのいいの』
『いいわけないでしょ。』
『俺が頭良かろうが何をしてようが
親父の病院つがなきゃならないのはもう決定事項なんだから』
『そうなの?』
『そーそー!』
『それでも、真面目にテストは受けてお願い。
俺自身周りの先生に教え方が悪いんじゃないかとか
信頼失って行ったりするから』
『え!そうだったの…ごめんね?』
『そう思うなら真面目に受けて』
『はーい』
そして俺の楽しい夏休みが一瞬で終わってしまった。
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