愛してるとか言わないで

宇流

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きっかけ

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その日の夜幸から
『だいぶ熱も下がったから明日からは学校行けそう』
とLINEが入っていた。
『そうか』
と俺はあえて素っ気なく返した。
もうこれ以上は関わらないでいよう。
しんどくなる前に壊れてしまう前に
形のないものなら壊れるも潰れるないから。
そしてまた俺はこの感情から逃げ出した。


次の日の朝俺と蓮が登校していると
マスクをつけた幸も混ざってきた
『おはよう!もう大丈夫なの?』
『うん!もう全然平気』
『お前あんなフラフラで外でんなよ笑』
大丈夫。何も変じゃない。ただの友達。
俺は俺自身に強く言い聞かせていた。
『亮君あの時声かけてくれてよかったよ』
と幸は嬉しそうに微笑んだ
『本当だよ~幸君倒れてたらどうしてたの?本当に~』
『う、以後気を付けます…』
『そうしてくださーい笑』
その日の昼俺は幸を避けるように保健室に逃げ込んだ
『先生~今だけベット貸して~』
『はぁー?仮病の看病はしないわよ~』
『あぁ、いいいい。昼だけだから』
『本当に昼だけだからねっ!!!』
『はいはい笑』
その頃屋上では幸と蓮が2人でお昼を食べていた
『あれ?亮君は?』
『なんか体調悪いとか言って保健室で昼休むってさ~』
『え、僕移しちゃったかな!?』
『あぁ、大丈夫大丈夫あいつ身体だけは丈夫にできてるから笑』
『ならいいけど…』
『ふふっ心配なら食べた後見に行ってあげれば?』
『え?』
『幸君も心配なら行けばいいんだよ?
亮もそうしてくれたんでしょ??』
『でも…』
『でも?』
『僕が居たら邪魔かもしれないし』
『そんなの行ってみないと分かんないじゃん?』
『そう、だね』
『2日もお見舞いしてもらったんだからそのお礼とでも言っとけば大丈夫だよっ笑』
『ん?』
『え?』
『あ、え?いや、亮君1日だよ?来てくれたの』
『え?嘘?昨日来てないの?』
『う、うん』
『あいつ行くって言ってたのに』
『それに僕多分なんか避けられてるから』
『なんでそう思うの??』
『なんかLINEもいきなり冷たいし
朝もなんか距離とった感じだったし
現に今だってお昼食べに来てないでしょ?』
『うーん。なんなんだろう』
『僕やっぱ保健室行くのやめとく。
亮君には亮君の考えがあるのかもしれないから』
『…そっか』
そう言ってその日の昼休みは終わってしまった。

5限目終わりの休憩時間
蓮は亮の教室に行った。
『おーい、そこの目つきの悪いしょうねーん!』
『おい、やめろよそれ』
『でもそれで亮来てくれるんだから笑自覚ありじゃん』
『お前コンプレックスって知ってるか?』
『えへへごめんなさーい』
『まぁいいわ、で?何?』
『お前昨日幸君の所寄ってないんだな』
『え?それだけ?』
『うん』
『あのなぁ俺にも用事ってもんがあんの』
そう言って笑いながら教室に戻っていく亮。
(馬鹿じゃねーの?嘘バレバレ)
そう思いながらも仕方なく教室に戻ろうとした時
『あ、蓮先輩~』
と後ろから夾に声をかけられた
『お!夾じゃん!』
『どうしたの?こっち蓮先輩の校舎じゃないでしょ?』
『あぁ亮見に来たの~』
『ん?なんかあったの?』
『いやまぁたいしたことではないんだけどなんか様子変だからさ』
『…それ俺のせいかも。俺昨日亮ちゃんにちょっと酷い事言ったから。』
『え??』
『なんか色々理由つけて幸君に寄せる感情を
誤魔化そうとしてる感じがなんかムカついて少しキツく
逃げちゃダメだとかなんだとか言っちゃった。』
とそう言って少し俯く夾の頭を蓮はポンポンと撫でる
『いや、いいよ、ありがとう。いいきっかけになるよこれは』
『??』
『亮は幸君に会ってから少しずつ変わり始めてる
今逃げちゃダメなんだよ。絶対。だからありがとう』
『うん』
『ほらそんな心配そうな顔してないで早く教室戻りな?』
『…うん!蓮先輩もありがとう!!』
『はいよ~』
そして2人は各自教室に戻っていった。



その日の晩蓮は机から鍵の掛かった箱を取り出し
その中に入っていた一通の手紙を
通学鞄に入れそのまま眠りについた。
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