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引っ越し、一緒にしない?
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たっぷり作った水炊きを食べながら、キキョウからこの数日のいきさつを聞いた。
警察はキキョウの職場にも事情を聞いており、すぐに会社から電話があったという。
「もう辞めるって気持ちを決めてたから、洗いざらい話してきちゃった。有休も全部使って辞められるし、すっきりしたー!」
職場も好意的な対応だけではなかっただろうに、一言もそんなことは言わない。
「大変だったろ」
「うん、そこそこね。でも今のお鍋で帳消し!」
キキョウすごく強くなったなあ。笑顔を見せる彼女はすごくさっぱりした顔をしている。
「部屋、引き払った後どうするの?」
どう言ったらいいかな。いつ切り出そう。
「仕事探す。どのぐらいまで居候でいていい?」
「それがさ、もしかしたら新年度から本社勤めかもしれなくて」
「そうなんだ。……じゃあ急いで次の仕事と引っ越し先探すね」
申し訳なさそうにキキョウは眉を下げた。全く逆のこと言いたいんだけど。
「……あのさ、引っ越し、一緒にしない?」
僕はキキョウを見た。ぽかんと口を開けた顔の彼女と目が合う。
「え?」
「東京だから、ここ離れるんだけど、あいつに怯えなくて済むし、仕事もたくさんあると思うんだ」
わー、部長と同じようなこと言って全く説得力ない。言い方、そうじゃないだろ。けれど、もう迷いは無くなっていた。キキョウと一緒なら本社でも頑張れる気がする。
「私も、一緒に?」
「うん。一緒に。一緒に住もう」
「あの、ずっと居候だと肩身が狭いから、一緒に住むなら……じゃあ彼女にしてもらうと助かるな」
伺うようにキキョウが僕を見て言う。
「じゃあって、」
僕は噴き出して、あ、そういうんじゃなくて、えっと、と慌てるキキョウに手を伸ばした。ショートカットでよくわかる卵型の輪郭。頬を手のひらで包む。
「じゃあ、彼女になってください」
「じゃあ、お願いします……」
それから何だか気恥ずかしくて、僕たちは無言でもぐもぐと食事をした。土鍋からひたすら白い湯気が出ている。
黙っていても全く不快では無くて、気持ちがとても楽だった。
食後、ソファで温かいお茶を飲みながら、隣に座っているキキョウに声を掛けた。
「あのさ、彼女に最初のお願いなんだけど」
「……はい」
キキョウは緊張したのか少し身体を固くした。
「えーっと、あの、キキョウさん」
キキョウに向き直った。
「ずっと一緒に住んでほしいんだ。できたら、彼女じゃなくて、俺の家族になってくれると嬉しいです」
またぽかんと彼女は口を開けた。
「アオイさん、熱あるでしょ。仕事で疲れてるよ」
キキョウはテーブルに湯飲みを置いて僕の額に手を当てようとする。その腕を掴んで彼女を腕の中に引き込んだ。
「熱はないし、冗談でもないし、からかってもないし、本気だよ」
「……あー、私が熱が出そう」
「いくらでも看病する」
僕のシャツを着て、腕の中でパタパタしていたキキョウが静かになった。
「……なら、いいよ」
しばらくキキョウをそうやって抱きしめていたけれど、とんでもない事に気付いた。僕は、指輪も準備していなければ、そもそも……
「あの、俺、仕事何してるとか会社どことか、そういうのちゃんと言ってたっけ?」
彼女は僕を見上げてふくれっ面で抗議した。
「今さらそれ言うの?」
「でもさ、知ってる?」
「そう言えば…‥‥知らない! IT系?ぐらいしか。最初フリーランスかと思ってたもん。ひどいよアオイさん~!私、素性不明の不審人物と家族になる~」
キキョウが笑いながら僕を胸をポコポコと叩いた。
何もかも順番が滅茶苦茶だ。
「だけど、そんなこと言ったら、私の方が不審人物だよね。突然夜中に飛び込んできて、居候しちゃうんだもん」
「……お互い詳しい事はこれからってことでいい?」
「引っ越しまでには教えてね」
「じゃあ早速だけど……」
その夜、お互いの事を話しながら、僕は初めてキキョウを抱きしめて眠った。
翌日、僕はもう一度確認をした。
「キキョウさん、本当に、いいの?俺と……その、結婚する、のって」
「アオイさんこそいいの?転がり込んできた人間と結婚しても」
「俺は……ずっと見てたから、君を」
「えっ?」
白いモヘアのセーターを着たキキョウがギョッとした顔をする。
「俺、仕事が夜型だから、毎朝バルコニーに出て、朝の空気吸って寝る生活しててさ、出勤とか通学とかする人を眺めてたから、キキョウさんのことも見てたんだ。君が誰か知らなかったけど」
「だから、私が転んだ時も、叩かれた時も日課で出てたの?」
「そう。雨の日に転んだ小学生起こしてやるのも見てた」
キキョウが微妙な顔をして少し赤くなっている。
「……見てたのが、怪しい人じゃなくてアオイさんで良かった」
「なんかごめん。ストーカーみたいで気持ち悪いよな」
「ただの日課だったんでしょ?」
「そう……キキョウさんが転ぶまではね」
彼女の華奢な手を取って包んだ。
「ウソ!最初私のこと全然興味なかったじゃない」
「振りをするのが大変だった」
「聞かなかったことにするって言われた時、すごくショックだったんだから……!」
「だって、信じられなかったんだよ。キキョウさん熱出してたし。それに、弱った時につけ込むみたいなのはイヤだったのと、捜査に影響が出るのも問題があると思ったんだ」
「はぁ……そうだよね。アオイさんの言う通り……」
こてん、とキキョウは僕に頭を預けた。
「もう、この話はいいだろ?行きたいとこがあるんだ」
「どこ?」
「指輪も無いと、ちゃんとプロポーズできないよ」
僕は、彼女を急かして、晴れた空の下に連れ出した。
それから数日後、僕は、出口部長に異動についての気持ちを伝えた。早く引っ越し先を探せと言われた時に気付いたのは、単身者向けの部屋じゃ暮らせないということだった。
「部長、異動を機に結婚するつもりなので、ファミリー向けの物件探します」
「そうか、おめでとう。そうなると総務がうるさいから、できたら籍だけでも入れておけ。引っ越してからだと手続きがややこしくなる。同じ書類を二度書きたくないだろう」
思ったよりも急展開だ。籍を入れておけって……。
「キキョウさん」
仕事部屋から出て、リビングにいるキキョウに声を掛けた。
「あ、アオイさん。仕事ひと段落した?お茶淹れようと思ってたとこなの」
「うん。あのさ、ほんっとに急すぎて申し訳ないんだけど、籍入れるのいつがいい?引っ越すまでになんだけど」
「ええ~?!」
「籍入れてから来いってさ。手続き上の問題なんだけど」
それを聞いてキキョウは笑った。
「じゃあ、急いで出さなくちゃね!」
彼女との暮らしは実態が先で、何もかもが後からついて来ている感じがして不思議だ。
一緒に住んで、キキョウがいて好きなのが自然で当たり前で、それを説明するのに名前をつけなければいけないから、結婚しようと言っているような。
けれど、僕らの関係に名前がつくのがすごく嬉しい。
もう、逃げてきた人と匿かくまっている隣人、という複雑な関係ではなく、堂々と彼女の夫だと言えるのだから。
その話をした週末には、僕らは市役所で婚姻届を手にしていた。
「結婚するって大変だね。思ったよりすることいっぱいある~」
「おまけに引っ越しもだもんな」
引っ越し先もせっかくだからバルコニーがあって、出勤する姿が見られる部屋がいいね、とこだわっていたら、たまたま要望に合う場所が空いていて、僕らは喜んでその部屋に決めた。
「この部屋とももう少ししたらお別れだね。私を助けてくれた部屋」
「うん。アオイさん、新しい部屋でもよろしく」
「こちらこそ」
今日も僕はバルコニーから出かける人たちを見る。サラリーマンも学生も小さな子供も。
「行ってきまーす!」
ショートカットの髪が少し伸びてきたキキョウが、振り返って僕を見上げる。手を振って僕は応えた。今日は銀行で名前を変える手続きをして来るらしい。
毎朝見ていた、どこかに出勤する知らない人は、僕の彼女になって一緒に住む部屋から出かけるようになった。
まだキキョウは時折、夜うなされているけれど、それよりも二人でできる楽しい事を増やすことが彼女のためになるような気がしている。
キキョウの姿が小さく見えなくなると、僕は窓を開けて掃除機をかけた。キキョウと住むようになってから不規則な時間での仕事のやり方を改めて良かった。彼女が帰ってくる時に眠っていたくない。いつだっておかえりと言って迎えたいと思う。
それに、この部屋に住むのも、あと一か月だ。
さあ、僕も仕事を始めよう。
マウスを動かして、パソコンのスリープを解除した。
警察はキキョウの職場にも事情を聞いており、すぐに会社から電話があったという。
「もう辞めるって気持ちを決めてたから、洗いざらい話してきちゃった。有休も全部使って辞められるし、すっきりしたー!」
職場も好意的な対応だけではなかっただろうに、一言もそんなことは言わない。
「大変だったろ」
「うん、そこそこね。でも今のお鍋で帳消し!」
キキョウすごく強くなったなあ。笑顔を見せる彼女はすごくさっぱりした顔をしている。
「部屋、引き払った後どうするの?」
どう言ったらいいかな。いつ切り出そう。
「仕事探す。どのぐらいまで居候でいていい?」
「それがさ、もしかしたら新年度から本社勤めかもしれなくて」
「そうなんだ。……じゃあ急いで次の仕事と引っ越し先探すね」
申し訳なさそうにキキョウは眉を下げた。全く逆のこと言いたいんだけど。
「……あのさ、引っ越し、一緒にしない?」
僕はキキョウを見た。ぽかんと口を開けた顔の彼女と目が合う。
「え?」
「東京だから、ここ離れるんだけど、あいつに怯えなくて済むし、仕事もたくさんあると思うんだ」
わー、部長と同じようなこと言って全く説得力ない。言い方、そうじゃないだろ。けれど、もう迷いは無くなっていた。キキョウと一緒なら本社でも頑張れる気がする。
「私も、一緒に?」
「うん。一緒に。一緒に住もう」
「あの、ずっと居候だと肩身が狭いから、一緒に住むなら……じゃあ彼女にしてもらうと助かるな」
伺うようにキキョウが僕を見て言う。
「じゃあって、」
僕は噴き出して、あ、そういうんじゃなくて、えっと、と慌てるキキョウに手を伸ばした。ショートカットでよくわかる卵型の輪郭。頬を手のひらで包む。
「じゃあ、彼女になってください」
「じゃあ、お願いします……」
それから何だか気恥ずかしくて、僕たちは無言でもぐもぐと食事をした。土鍋からひたすら白い湯気が出ている。
黙っていても全く不快では無くて、気持ちがとても楽だった。
食後、ソファで温かいお茶を飲みながら、隣に座っているキキョウに声を掛けた。
「あのさ、彼女に最初のお願いなんだけど」
「……はい」
キキョウは緊張したのか少し身体を固くした。
「えーっと、あの、キキョウさん」
キキョウに向き直った。
「ずっと一緒に住んでほしいんだ。できたら、彼女じゃなくて、俺の家族になってくれると嬉しいです」
またぽかんと彼女は口を開けた。
「アオイさん、熱あるでしょ。仕事で疲れてるよ」
キキョウはテーブルに湯飲みを置いて僕の額に手を当てようとする。その腕を掴んで彼女を腕の中に引き込んだ。
「熱はないし、冗談でもないし、からかってもないし、本気だよ」
「……あー、私が熱が出そう」
「いくらでも看病する」
僕のシャツを着て、腕の中でパタパタしていたキキョウが静かになった。
「……なら、いいよ」
しばらくキキョウをそうやって抱きしめていたけれど、とんでもない事に気付いた。僕は、指輪も準備していなければ、そもそも……
「あの、俺、仕事何してるとか会社どことか、そういうのちゃんと言ってたっけ?」
彼女は僕を見上げてふくれっ面で抗議した。
「今さらそれ言うの?」
「でもさ、知ってる?」
「そう言えば…‥‥知らない! IT系?ぐらいしか。最初フリーランスかと思ってたもん。ひどいよアオイさん~!私、素性不明の不審人物と家族になる~」
キキョウが笑いながら僕を胸をポコポコと叩いた。
何もかも順番が滅茶苦茶だ。
「だけど、そんなこと言ったら、私の方が不審人物だよね。突然夜中に飛び込んできて、居候しちゃうんだもん」
「……お互い詳しい事はこれからってことでいい?」
「引っ越しまでには教えてね」
「じゃあ早速だけど……」
その夜、お互いの事を話しながら、僕は初めてキキョウを抱きしめて眠った。
翌日、僕はもう一度確認をした。
「キキョウさん、本当に、いいの?俺と……その、結婚する、のって」
「アオイさんこそいいの?転がり込んできた人間と結婚しても」
「俺は……ずっと見てたから、君を」
「えっ?」
白いモヘアのセーターを着たキキョウがギョッとした顔をする。
「俺、仕事が夜型だから、毎朝バルコニーに出て、朝の空気吸って寝る生活しててさ、出勤とか通学とかする人を眺めてたから、キキョウさんのことも見てたんだ。君が誰か知らなかったけど」
「だから、私が転んだ時も、叩かれた時も日課で出てたの?」
「そう。雨の日に転んだ小学生起こしてやるのも見てた」
キキョウが微妙な顔をして少し赤くなっている。
「……見てたのが、怪しい人じゃなくてアオイさんで良かった」
「なんかごめん。ストーカーみたいで気持ち悪いよな」
「ただの日課だったんでしょ?」
「そう……キキョウさんが転ぶまではね」
彼女の華奢な手を取って包んだ。
「ウソ!最初私のこと全然興味なかったじゃない」
「振りをするのが大変だった」
「聞かなかったことにするって言われた時、すごくショックだったんだから……!」
「だって、信じられなかったんだよ。キキョウさん熱出してたし。それに、弱った時につけ込むみたいなのはイヤだったのと、捜査に影響が出るのも問題があると思ったんだ」
「はぁ……そうだよね。アオイさんの言う通り……」
こてん、とキキョウは僕に頭を預けた。
「もう、この話はいいだろ?行きたいとこがあるんだ」
「どこ?」
「指輪も無いと、ちゃんとプロポーズできないよ」
僕は、彼女を急かして、晴れた空の下に連れ出した。
それから数日後、僕は、出口部長に異動についての気持ちを伝えた。早く引っ越し先を探せと言われた時に気付いたのは、単身者向けの部屋じゃ暮らせないということだった。
「部長、異動を機に結婚するつもりなので、ファミリー向けの物件探します」
「そうか、おめでとう。そうなると総務がうるさいから、できたら籍だけでも入れておけ。引っ越してからだと手続きがややこしくなる。同じ書類を二度書きたくないだろう」
思ったよりも急展開だ。籍を入れておけって……。
「キキョウさん」
仕事部屋から出て、リビングにいるキキョウに声を掛けた。
「あ、アオイさん。仕事ひと段落した?お茶淹れようと思ってたとこなの」
「うん。あのさ、ほんっとに急すぎて申し訳ないんだけど、籍入れるのいつがいい?引っ越すまでになんだけど」
「ええ~?!」
「籍入れてから来いってさ。手続き上の問題なんだけど」
それを聞いてキキョウは笑った。
「じゃあ、急いで出さなくちゃね!」
彼女との暮らしは実態が先で、何もかもが後からついて来ている感じがして不思議だ。
一緒に住んで、キキョウがいて好きなのが自然で当たり前で、それを説明するのに名前をつけなければいけないから、結婚しようと言っているような。
けれど、僕らの関係に名前がつくのがすごく嬉しい。
もう、逃げてきた人と匿かくまっている隣人、という複雑な関係ではなく、堂々と彼女の夫だと言えるのだから。
その話をした週末には、僕らは市役所で婚姻届を手にしていた。
「結婚するって大変だね。思ったよりすることいっぱいある~」
「おまけに引っ越しもだもんな」
引っ越し先もせっかくだからバルコニーがあって、出勤する姿が見られる部屋がいいね、とこだわっていたら、たまたま要望に合う場所が空いていて、僕らは喜んでその部屋に決めた。
「この部屋とももう少ししたらお別れだね。私を助けてくれた部屋」
「うん。アオイさん、新しい部屋でもよろしく」
「こちらこそ」
今日も僕はバルコニーから出かける人たちを見る。サラリーマンも学生も小さな子供も。
「行ってきまーす!」
ショートカットの髪が少し伸びてきたキキョウが、振り返って僕を見上げる。手を振って僕は応えた。今日は銀行で名前を変える手続きをして来るらしい。
毎朝見ていた、どこかに出勤する知らない人は、僕の彼女になって一緒に住む部屋から出かけるようになった。
まだキキョウは時折、夜うなされているけれど、それよりも二人でできる楽しい事を増やすことが彼女のためになるような気がしている。
キキョウの姿が小さく見えなくなると、僕は窓を開けて掃除機をかけた。キキョウと住むようになってから不規則な時間での仕事のやり方を改めて良かった。彼女が帰ってくる時に眠っていたくない。いつだっておかえりと言って迎えたいと思う。
それに、この部屋に住むのも、あと一か月だ。
さあ、僕も仕事を始めよう。
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