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第四話
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翌日
さっそくスタンゴラを部屋に置いておく。威力は気絶するぐらいだから大丈夫なはず。うん。自信ないけど。
ちゃっちゃっと朝食を済ませた俺たちは訓練所に集まった。今日は訓練はないようだ。ラッキー
「明日はダンジョンに向かう。心しておけ」
明日の予定について話す団長。
ダンジョンねぇ~。面倒だな。ダンジョンには、グループで行くらしいが、誰と行こうかな?やっぱ、玲奈や輝とかな。他に仲いい奴いないしな。
団長の話が終わり、解散を言われる。自室に戻るもの、城下町に行くもの、草むらに座り、日向ぼっこをするもの様々だ。俺は、部屋に戻・・・・れなかった。輝と玲奈に腕をガシッと掴まれ、一緒に城下町を観光することになったのだ。
「マジかよ」
「マジだ」
「マジよ」
二人の観光に強制的に連れていかれることになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【観光区】
観光区にはホテル、旅館はもちろん、美術館や料理屋、屋台など色々、揃っている。
観光区についた俺たち三人はまず、服屋に行くことになった。俺は荷物持ちである。
服屋を出たころには俺の両腕にはいくつもの袋が。合計五十着はある。持つのが面倒なので、プラントBOXに入れた。
次は鍛冶屋だそうだ。輝が一度でいいから来たかったみたいだ。中々いい品ばかりだ。俺の木刀には勝てないけど。だって国宝級なんだもん。しょうがないね。
鍛冶屋を出て、近くのカフェでカフェラテもどきを飲んで一息つく。
「これから、どうする?」
「帰る」
「ダメ。せっかくの休日なんだよ?楽しまないと」
帰ることを拒否された俺はため息をつく。
「行きたいところは行ったからなぁ」
「ハヤトは行きたいところないの?」
「自室」
「ダメ。他には?」
「ダメなのかよ。他に?うーん……例えば冒険者ギルドとか?」
「「それだ!」」
というわけで冒険者ギルドに行くことになった俺たち。
【冒険者組合】
冒険者ギルドに着いた俺たちは、中に入ると、喧噪につつまれた。
銀の鎧を着て背中に大剣を背負う者。弓を持つ、軽装の女性。様々な人でいっぱいだった。俺たちは受付に向かう
「ようこそ、冒険者ギルド第一支部へ」
「冒険者登録をしたいのですが」
「少々、お待ちください」
そう言い、受付嬢がとりだしたのは丸くて青い水晶だった。
「この水晶の上に手をのせてください」
言われた通り、のせる、輝。すると、水晶は夜空に浮かぶ月のように光った。
「おお」
軽く感動する。綺麗でした。
受付嬢はかなり驚いている。
「あ、あな、あなたは何者ですか!?」
「一般人ですが」
「嘘!?」
周りがにわかに騒がしくなる。ギルドの全員こちらを注目している。
「い、今の見たか?」
「見た見た。なんだよ、あれ。あんなに水晶が光ったのを見るの初めてだぞ」
「俺も」
「俺も」
どうやら、輝の水晶の光り方が異常だったようだ。受付嬢は水晶から出てきた、簡単な所有者のステータスと冒険者組合の紋章が写されたカードを輝に渡した。
「はぁはぁ、次の方、どうぞ」
。次は玲奈の番だ。同じく、手をのせるとまたもや月のように光る水晶。先ほどよりも強く光っている。
受付嬢は顔面蒼白といった状態だ。
先ほどと同じく顔面蒼白状態のまま、玲奈にカードを渡す。玲奈は受付嬢のことを心配しているが、大丈夫という言葉を連呼している。
最後は俺の番。手をのせる。
さて、俺も光るかな?
「・・・・・・・」
なにも起こらない。
受付嬢は真顔だ。その場に、沈黙が舞い降りた。
当然、輝や、玲奈も沈黙状態だ。
「ふっ、ふふ。分かっていたさ。ああ、分かっていたとも。こんな結果が出るなんてね。だって俺、の職業農民だし?他の人と比べてステータス低いし?・・・・でも、でも、あんまりじゃないかぁぁぁああああ!」
俺はギルドに輝と玲奈を残して脱走した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絶賛、部屋に引きこもっています。布団の中で枕を涙で濡らしていく。
後になって考えた。惨めだなと。ま、しかし、俺には『種生成』と『植物操作』があるからいいもん。成長促進や言語翻訳だってあるから。しっかし、まずいことしたなぁ。確実に黒歴史もんだろ。やっちまったぜ。
「ハヤト、いる?」
玲奈だ。
「ああ」
「扉、開けてくれない?」
「鍵はかかってない」
ガチャっという音が聞こえた。布団の中にいる俺。
「どうした?」
「これ、ギルドカード」
「あ、ああ。すまんな」
沈黙。ま、そりゃそうだ。あんだけ、恥さらしみたいなこと、したんだから。
「俺、ギルドに入れるんだな」
「うん。大丈夫だって」
「そっか」
沈黙
「じゃあね」
「ああ」
再びガチャッと扉を開け閉める音が聞こえ、部屋には俺一人。布団から出た俺はギルドカードをみる。恥ずかしくなった。こんな小さいことで。
「なに、やってんだかなぁ、俺」
ギルドカードをしまい、布団にくるまって寝た。
さっそくスタンゴラを部屋に置いておく。威力は気絶するぐらいだから大丈夫なはず。うん。自信ないけど。
ちゃっちゃっと朝食を済ませた俺たちは訓練所に集まった。今日は訓練はないようだ。ラッキー
「明日はダンジョンに向かう。心しておけ」
明日の予定について話す団長。
ダンジョンねぇ~。面倒だな。ダンジョンには、グループで行くらしいが、誰と行こうかな?やっぱ、玲奈や輝とかな。他に仲いい奴いないしな。
団長の話が終わり、解散を言われる。自室に戻るもの、城下町に行くもの、草むらに座り、日向ぼっこをするもの様々だ。俺は、部屋に戻・・・・れなかった。輝と玲奈に腕をガシッと掴まれ、一緒に城下町を観光することになったのだ。
「マジかよ」
「マジだ」
「マジよ」
二人の観光に強制的に連れていかれることになった。
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【観光区】
観光区にはホテル、旅館はもちろん、美術館や料理屋、屋台など色々、揃っている。
観光区についた俺たち三人はまず、服屋に行くことになった。俺は荷物持ちである。
服屋を出たころには俺の両腕にはいくつもの袋が。合計五十着はある。持つのが面倒なので、プラントBOXに入れた。
次は鍛冶屋だそうだ。輝が一度でいいから来たかったみたいだ。中々いい品ばかりだ。俺の木刀には勝てないけど。だって国宝級なんだもん。しょうがないね。
鍛冶屋を出て、近くのカフェでカフェラテもどきを飲んで一息つく。
「これから、どうする?」
「帰る」
「ダメ。せっかくの休日なんだよ?楽しまないと」
帰ることを拒否された俺はため息をつく。
「行きたいところは行ったからなぁ」
「ハヤトは行きたいところないの?」
「自室」
「ダメ。他には?」
「ダメなのかよ。他に?うーん……例えば冒険者ギルドとか?」
「「それだ!」」
というわけで冒険者ギルドに行くことになった俺たち。
【冒険者組合】
冒険者ギルドに着いた俺たちは、中に入ると、喧噪につつまれた。
銀の鎧を着て背中に大剣を背負う者。弓を持つ、軽装の女性。様々な人でいっぱいだった。俺たちは受付に向かう
「ようこそ、冒険者ギルド第一支部へ」
「冒険者登録をしたいのですが」
「少々、お待ちください」
そう言い、受付嬢がとりだしたのは丸くて青い水晶だった。
「この水晶の上に手をのせてください」
言われた通り、のせる、輝。すると、水晶は夜空に浮かぶ月のように光った。
「おお」
軽く感動する。綺麗でした。
受付嬢はかなり驚いている。
「あ、あな、あなたは何者ですか!?」
「一般人ですが」
「嘘!?」
周りがにわかに騒がしくなる。ギルドの全員こちらを注目している。
「い、今の見たか?」
「見た見た。なんだよ、あれ。あんなに水晶が光ったのを見るの初めてだぞ」
「俺も」
「俺も」
どうやら、輝の水晶の光り方が異常だったようだ。受付嬢は水晶から出てきた、簡単な所有者のステータスと冒険者組合の紋章が写されたカードを輝に渡した。
「はぁはぁ、次の方、どうぞ」
。次は玲奈の番だ。同じく、手をのせるとまたもや月のように光る水晶。先ほどよりも強く光っている。
受付嬢は顔面蒼白といった状態だ。
先ほどと同じく顔面蒼白状態のまま、玲奈にカードを渡す。玲奈は受付嬢のことを心配しているが、大丈夫という言葉を連呼している。
最後は俺の番。手をのせる。
さて、俺も光るかな?
「・・・・・・・」
なにも起こらない。
受付嬢は真顔だ。その場に、沈黙が舞い降りた。
当然、輝や、玲奈も沈黙状態だ。
「ふっ、ふふ。分かっていたさ。ああ、分かっていたとも。こんな結果が出るなんてね。だって俺、の職業農民だし?他の人と比べてステータス低いし?・・・・でも、でも、あんまりじゃないかぁぁぁああああ!」
俺はギルドに輝と玲奈を残して脱走した。
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絶賛、部屋に引きこもっています。布団の中で枕を涙で濡らしていく。
後になって考えた。惨めだなと。ま、しかし、俺には『種生成』と『植物操作』があるからいいもん。成長促進や言語翻訳だってあるから。しっかし、まずいことしたなぁ。確実に黒歴史もんだろ。やっちまったぜ。
「ハヤト、いる?」
玲奈だ。
「ああ」
「扉、開けてくれない?」
「鍵はかかってない」
ガチャっという音が聞こえた。布団の中にいる俺。
「どうした?」
「これ、ギルドカード」
「あ、ああ。すまんな」
沈黙。ま、そりゃそうだ。あんだけ、恥さらしみたいなこと、したんだから。
「俺、ギルドに入れるんだな」
「うん。大丈夫だって」
「そっか」
沈黙
「じゃあね」
「ああ」
再びガチャッと扉を開け閉める音が聞こえ、部屋には俺一人。布団から出た俺はギルドカードをみる。恥ずかしくなった。こんな小さいことで。
「なに、やってんだかなぁ、俺」
ギルドカードをしまい、布団にくるまって寝た。
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