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わたしは二人の話が終わるまでルーナをマッサージしていた。
ルーナを仰向けにして、お腹と肉球をモミモミする。

「グルグルグル」
「ふふっ…気持ちいい?」
「ミゥ~」

最近できなかったから、今夜はゆっくりマッサージしようかな。
喉を鳴らしてリラックスしているルーナに癒されていると、いつの間にか二人がこっちを見ていた。

「……本当に羨ましいな」
「エド様もやってみますか?癒されますよ」
「いや、俺はむしろ君にし「あんたは何を言うつもりですか!?」」
「おっと…つい本音が……セルジオ、助かった」
「はぁ~」

ルーナにマッサージしたかったんじゃないのかな?
セルジオ様が頭を抱えてるけど、エド様は何だか困った顔をしている。
とりあえず話は終わったみたいだから気になっていたことを聞いてみた。

「エド様、何故こちらに来たのですか?」
「ん?あぁ……実はルーナの力を見せて欲しくてな」
「ルーナの?」
「レティシア嬢は国家指定職についてどの程度知っていますか?」
「……なれる人が少ないくらいしか……」
「では簡単に説明しますね」

セルジオさんの説明をまとめるとこうだ。
国家指定職とは、国が認めた者しか名乗ることを許されない職業で、厳しい試験を合格しなければならないらしい。
例えば、魔術師・錬金術師・治癒師・竜騎士・従魔師などがそれにあたる。
さらにその中にも階級制度があり、階級は星の数で決まっていて、一番下が星一で上が星五までの五階級になるそうだ。
四階級からは騎士爵が与えられ、功績を上げれば爵位が上がることもあるらしい。
ちなみに、勇者や聖女は教会管轄なので、この制度には当てはまらず、身分でいえば国家指定職の方が高いそうだ。
エド様たちは、わたしにその試験を受けてみてはと言って来た。

「わたしがですか?」
「レティはどうしても村に戻りたいのか?」
「う~ん……特には…ルーナも着いて来てしまったし、ただ……」
「……誰か残して来た者がいるのか?」
「団長、落ち着いてください」
「いえ、家があるし荷物も置いてきているのが心配で」
「なら此方に引っ越せば良い」
「でも試験に受かるか分かりませんし」
「「それは大丈夫」ですよ」

何故か自信満々に頷かれてしまった。
考えてみれば悪い話じゃないし、前向きに考えようかな。
村に戻っても変わらない退屈な日々が過ぎるだけだし、もし試験に落ちても他に仕事を探せば良いもの。

「分かりました。やってみます」
「では中庭に移動しましょう」
「……まずは第一段階だな」

わたしはルーナを抱き上げふたりに着いていった。


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