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小話2~○○の日記~
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こんにちは、私はロバートです。
ディアネス協和国でマライカ商会の会頭をしています。
それから、国王エヴァン様と宰相クロード様の学友でもあります。
彼等との出会いは、中等部の2年生の時でした。
私の家は父が一代で築いた商会で、あとを次ぐ兄の補佐をするために学園に通っていたのですが、この兄がボンク……少し頭がよろしくなく、彼の尻拭いをするために奔走する毎日。
しかも、商会の息子といっても平民の私に対する当たりは強く、友人もいませんでした。
そんなある日、溜まりにたまった不満と苛立ちが限界に達した私は、放課後に誰も近付かない倉庫で爆発しました。
「あのクソバカ兄貴が!お前の×○△#を○△×□☆!それからバカ貴族ども!お前ら○△×□#――!……ゼェ~ゼェ~……ふぅ~スッキリした~」
「それは良かったな」
「良いわけないよ。僕の日常は変わらない。どうせ僕は、あの能無し兄貴の尻拭いを死ぬまでやるんだ。アイツが死ぬまで」
「ふ~ん。そんな奴ほっとけば良いだろう?」
「だから、僕は……僕は……え!?誰ですか!?」
「誰って……フッフッフッ……俺はエヴァンだ」
私が聞こえてきた声にキョロキョロしていると、壁がガコッとずれて、そこから少年が出てきたのです。
それがエヴァン様との出会いでした。
「お、王子!?……何で壁が!え?」
「そうだ!王子だぞ!壁がずれたのは、そういう仕掛けを作ったからだ!」
「は……はぁ!?」
正直、こいつ頭大丈夫か?と思いましたが、相手は王子でしたので口には出しませんでした。
「お前、ロバートだろ?」
「え!?な、何で僕の名前……」
「他人を滅多に褒めないアイツが、将来有望そうだからって覚えさせらっ、覚えたんだ」
(今、覚えさせられたって言いかけた)
「どなたにですか?有望と言ってもらえて嬉しいですが、僕は次男ですよ」
「次男だと駄目なのか?」
「家を継ぐのは長男です。次男の僕は表に出る事はありません。だから、僕の名前なんか忘れて下さい」
「ロバート、お前……バッカだな~!」
「バッ!?な、いきなり何ですか!」
「俺は王子だ!」
「知ってますよ!」
「俺は卒業したら、冒険者になる!というか、もう登録してる!」
「冒険者!?で、でもエヴァン様は卒業したら第1王子の補佐をすると」
「知らん!それは俺の望みじゃない」
「王子なんですよ?自分の望みじゃないからって、そんな無責任な」
「確かに俺は王子だ。王族としての責務も分かってる。だがな、だからこそ俺は世界を見たい。だから自由に国を往き来できる冒険者になる」
「世界……」
「世界を見て、この国に足りないものをどうにかしたい」
「足りないものですか?」
「そうだ。まぁ、まだ漠然と感じてるだけで、コレがっていうのはないがな。だから、お前も考えてみろよ」
「いや、僕は世界は……」
「そうじゃなくて!」
「エヴァンは、無能な兄の尻拭いをするだけの人生だと諦めずに、自分が本当にやりたい事を考えろと言ってるんだ」
「そうそう、さすが分かってるなクロード……あれ?幻聴か?なぁロバート、ここには俺とお前しかいないよな?」
「えっと……貴方が熱く語りだした時から、後ろにいましたよ」
「クソッ、せっかく内密で作った抜け穴を、もう見つけたのか……じゃあまたなロバート!」
「逃がすか!勝手に冒険者登録しやがって!俺がルイスに説教されただろうが!」
エヴァン様を追いかけて行ったクロード様との初対面は、会話する事なく終わりました。
その後も、何かと絡んでくるエヴァン様と、すまなさそうにしているクロード様と過ごす時間が増え、私の考えも変わっていきました。
多少のゴタゴタはありましたが、商家の次男の私が今では商会の会頭です。
お二人との出会いに感謝しています。
ですが、1つだけ言わせて頂きたい。
私は商人であって、便利屋ではないのですよ。
エヴァン様、お忍びの度に駆け込んで来ないで下さい。
クロード様、昔はエヴァン様を止める側だったのに、フェリーチェ様とアルベルト様が来られてから、いろいろと私に押し付け過ぎじゃないですか?
この前も、学園祭の時でした。
「あの魔道具は、アルとサヨが作ったもので販売はしていない。今後、するとしたらマライカ商会を通すのて、ロバートに聞いてくれ」
初耳ですが?
おかげで私は定期的に問い合わせを受けるようになりましたよ。
クロード様たちもですが、フェリーチェ様とアルベルト様がこの国に来られてから、少しずつ何かが変わってきているような気がします。
エヴァン様、世界を見るという望みは果たせなかったかもしれませんが、国に足りないものをどうにかしたいという望みは、少しずつ果たせていると思いますよ。
クロード様、あのお二人がやり過ぎないように気を付けてあげて下さい。
何だか最近、教えているあなた方の感覚の方が、麻痺していると思います。
満足そうにしていますが、A級ましてやS級冒険者と、いい勝負する10歳児がいるわけないでしょうが!
ディアネス協和国でマライカ商会の会頭をしています。
それから、国王エヴァン様と宰相クロード様の学友でもあります。
彼等との出会いは、中等部の2年生の時でした。
私の家は父が一代で築いた商会で、あとを次ぐ兄の補佐をするために学園に通っていたのですが、この兄がボンク……少し頭がよろしくなく、彼の尻拭いをするために奔走する毎日。
しかも、商会の息子といっても平民の私に対する当たりは強く、友人もいませんでした。
そんなある日、溜まりにたまった不満と苛立ちが限界に達した私は、放課後に誰も近付かない倉庫で爆発しました。
「あのクソバカ兄貴が!お前の×○△#を○△×□☆!それからバカ貴族ども!お前ら○△×□#――!……ゼェ~ゼェ~……ふぅ~スッキリした~」
「それは良かったな」
「良いわけないよ。僕の日常は変わらない。どうせ僕は、あの能無し兄貴の尻拭いを死ぬまでやるんだ。アイツが死ぬまで」
「ふ~ん。そんな奴ほっとけば良いだろう?」
「だから、僕は……僕は……え!?誰ですか!?」
「誰って……フッフッフッ……俺はエヴァンだ」
私が聞こえてきた声にキョロキョロしていると、壁がガコッとずれて、そこから少年が出てきたのです。
それがエヴァン様との出会いでした。
「お、王子!?……何で壁が!え?」
「そうだ!王子だぞ!壁がずれたのは、そういう仕掛けを作ったからだ!」
「は……はぁ!?」
正直、こいつ頭大丈夫か?と思いましたが、相手は王子でしたので口には出しませんでした。
「お前、ロバートだろ?」
「え!?な、何で僕の名前……」
「他人を滅多に褒めないアイツが、将来有望そうだからって覚えさせらっ、覚えたんだ」
(今、覚えさせられたって言いかけた)
「どなたにですか?有望と言ってもらえて嬉しいですが、僕は次男ですよ」
「次男だと駄目なのか?」
「家を継ぐのは長男です。次男の僕は表に出る事はありません。だから、僕の名前なんか忘れて下さい」
「ロバート、お前……バッカだな~!」
「バッ!?な、いきなり何ですか!」
「俺は王子だ!」
「知ってますよ!」
「俺は卒業したら、冒険者になる!というか、もう登録してる!」
「冒険者!?で、でもエヴァン様は卒業したら第1王子の補佐をすると」
「知らん!それは俺の望みじゃない」
「王子なんですよ?自分の望みじゃないからって、そんな無責任な」
「確かに俺は王子だ。王族としての責務も分かってる。だがな、だからこそ俺は世界を見たい。だから自由に国を往き来できる冒険者になる」
「世界……」
「世界を見て、この国に足りないものをどうにかしたい」
「足りないものですか?」
「そうだ。まぁ、まだ漠然と感じてるだけで、コレがっていうのはないがな。だから、お前も考えてみろよ」
「いや、僕は世界は……」
「そうじゃなくて!」
「エヴァンは、無能な兄の尻拭いをするだけの人生だと諦めずに、自分が本当にやりたい事を考えろと言ってるんだ」
「そうそう、さすが分かってるなクロード……あれ?幻聴か?なぁロバート、ここには俺とお前しかいないよな?」
「えっと……貴方が熱く語りだした時から、後ろにいましたよ」
「クソッ、せっかく内密で作った抜け穴を、もう見つけたのか……じゃあまたなロバート!」
「逃がすか!勝手に冒険者登録しやがって!俺がルイスに説教されただろうが!」
エヴァン様を追いかけて行ったクロード様との初対面は、会話する事なく終わりました。
その後も、何かと絡んでくるエヴァン様と、すまなさそうにしているクロード様と過ごす時間が増え、私の考えも変わっていきました。
多少のゴタゴタはありましたが、商家の次男の私が今では商会の会頭です。
お二人との出会いに感謝しています。
ですが、1つだけ言わせて頂きたい。
私は商人であって、便利屋ではないのですよ。
エヴァン様、お忍びの度に駆け込んで来ないで下さい。
クロード様、昔はエヴァン様を止める側だったのに、フェリーチェ様とアルベルト様が来られてから、いろいろと私に押し付け過ぎじゃないですか?
この前も、学園祭の時でした。
「あの魔道具は、アルとサヨが作ったもので販売はしていない。今後、するとしたらマライカ商会を通すのて、ロバートに聞いてくれ」
初耳ですが?
おかげで私は定期的に問い合わせを受けるようになりましたよ。
クロード様たちもですが、フェリーチェ様とアルベルト様がこの国に来られてから、少しずつ何かが変わってきているような気がします。
エヴァン様、世界を見るという望みは果たせなかったかもしれませんが、国に足りないものをどうにかしたいという望みは、少しずつ果たせていると思いますよ。
クロード様、あのお二人がやり過ぎないように気を付けてあげて下さい。
何だか最近、教えているあなた方の感覚の方が、麻痺していると思います。
満足そうにしていますが、A級ましてやS級冒険者と、いい勝負する10歳児がいるわけないでしょうが!
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