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出会い
ギルド
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余計な事を言ってしまったエヴァンがルイスに怒られている中、黙って考え込んでいたクロードがアルに話しかけた。
「フィアフル、君は仕事はどうするんだ?」
「そうだね~取り合えず冒険者でもしようかと思ってるけど」
「冒険者か……」
再び考え込むクロードにオースティンが声をかけた。
「どうしたんだクロード。心配しなくても暫くは俺たちの誰かがついて、冒険者の事を教えるから大丈夫だぞ?」
「あぁ……フィアフル、すまないが冒険者登録は暫く待ってもらえないか?」
「何かあるのかい?ちゃんと力は制御して人間らしくするつもりだけど」
「その辺は心配してないが……フェリーチェがな」
「フェリが何?」
アルが聞き返してもクロードはなかなか口を開かなかった。
周りの者もクロードに注目していた。
そして、クロードは自分の懸念を話し出した。
「まずフェリーチェの魔法やその概念は、はっきり言って異質だ。その子どもらしからぬ言動もな」
「あっ……」
私がうつむいて答えたようとすると、クロードが遮った。
「待てフェリーチェ、最後まで聞いてくれ。君がこれからこの国で生活していけば、いくら君や周りが隠そうとしても、それに気付き利用しようとする者も出てくるだろう。その中には貴族や他にも高い地位の者もいるだろう」
「そんな奴等、僕が赦さないよ」
「確かに貴方ならそうそう負けないだろうが、龍に掟があるように、人間社会には法律があり身分制度がある。どんな理由があっても、庶民が貴族に手を出せば裁かれる」
「そんな事は――」
「‘関係ない’……か?……そんな事をすれば国にはいられないし、そんな事を続ければ人間社会では居場所が無くなる。龍の貴方はいいかもしれないが、フェリーチェは人間だ。フェリーチェの未来を、可能性を潰すのか?」
「それはっ……」
クロードの指摘にアルは言葉を無くし私を見た後、クロードに視線を戻した。
「そんな事は望んでない」
「……今、色々考えてはいるが、まだ提案出来る状態じゃないからな……だから暫く待ってもらえるか?」
「分かったよ」
後日、クロードが連絡する事になり今度こそ解散して、エヴァンたちは仕事に戻り、私たちはオースティンとアンジェラと王宮をあとにした。
ちなみに、今日は家に帰るまで変化したままで行動する事にしている。
「オースティンさん、手紙は郵便屋さんに出すんですか?」
「‘郵便屋さん’って何だ?」
「えっ?手紙を配る場所?」
「何で疑問系なんだ……手紙や荷物は基本、商業ギルドに出すんだ」
「冒険者ギルドとは違うんですか?」
私は前世てゲームなどした事が無くて、よく分からなかったので、ついでとばかりに聞いてみた。
「ギルドは職種によって登録する場所が違うからな。ギルドの特徴も様々で、冒険者ギルドは冒険者の仕事の斡旋や管理、商業ギルドは商売のサポートや管理、魔術師ギルドは魔法の開発や研究のサポートと管理だ。まぁまだ細かい仕事があるが」
「へぇ~そうなんだ。そういえば冒険者って誰でもなれるんですか?」
「犯罪者とかは無理だけどな。登録は10歳から可能だ。フェリーチェは冒険者になりたいのか?」
「まだ分かりませんけど……アルと一緒に冒険してみたいなぁと思って」
「フェリと一緒なら楽しいだろうね」
「フェリーチェは4歳なので後、6年はありますね」
「それまでに鍛えないとな!」
「頑張ります!」
そうこう話している間に商業ギルドに着いたので、建物の中に入ると女の人が声をかけてきた。
「ようこそ!商業ギルドへ。ご用件を伺います」
「トラスト王国に手紙を出したいんだが」
「お手紙ですね。ではこちらに差出人と宛先と受取人の記入をお願いします」
オースティンが女の人から預かった紙を見せながら聞いてきた。
「フェリーチェ、字は書けるか?代筆も出来るが」
「大丈夫です」
「そうか。じゃあ俺たちはあっちにいるから終わったら来てくれ」
そう言って、入り口近くにある長椅子へ歩いて行ってしまった。
私が不思議に思って見ていると、アルが教えてくれた。
「今から手紙を送るのはトラスト王国のチェイスの家か、縁のある場所でしょう?ディアネス共和国のオースティンたちは知らない方がいいと判断したんだよ」
「あっ……そうか」
「ほら、待たせたら悪いから早く出してしまおう」
「うん」
アルに促され、紙に記入していき手紙と一緒に女の人に渡した。
「お預かりしますね。料金は銅貨8枚になります」
「はい、銅貨8枚です」
「はい調度頂きますね。少々お待ちください」
そう言うと手紙と記入した紙を白い箱の中に入れると、箱の横から薄いカードみたいな板が出てきた。
「お待たせしました。こちら‘確認板’になりますのでお持ち帰り下さい」
「「?????」」
{アル……これなに?持って帰ってどうするの?}
{さぁ?でもこの子、当たり前みたいに渡してきたから、聞いたら変に思われるかもね}
{え~……後でオースティンさんに聞いてみようか}
{そうだね}
「ありがとうございました」
念話を終えて、女の人にお礼を言ってオースティンとアンジェラの元に急いだ。
「お待たせしました」
「気にするな。ちゃんと出せたか?」
「はい。あの……聞きたい事があって」
私が言いにくそうにしているのに気付き、外に出て話す事にした。
ギルドから少し離れた場所に移動して、小声で話し出した。
「それで、どうしたんだ?」
「あの~これなんですけど……」
「ん?確認板がどうかしたのか?」
「どうしたというか……これ何に使うんですか?」
「何に使うって……」
「僕もフェリも手紙なんて出した事ないし、ギルドを利用するのも始めてだから分からなくてね」
「あぁ、そういえばそうか」
「確認板というのは、手紙がちゃんと相手に届いたか確認出来る魔道具なんですよ」
「「へぇ~どうやって?」」
「その確認板には荷物の種類、送り主、受取人の情報か入っていて、荷物が受取人に渡ると確認板に配達完了の表示が出るんですよ」
「すごく便利ですね~」
「ちょっと見ない間に変わったね」
「なぁ……もしかしなくてもフェリーチェだけじゃなくて、フィアフルにも常識を教えた方がいいんじゃないか?」
「そうみたいですね」
オースティンが呆れたように言うので、私とアルは顔を見合せて一言。
「「宜しくお願いしま~す」」
「はぁ~」
「クスクス」
「フィアフル、君は仕事はどうするんだ?」
「そうだね~取り合えず冒険者でもしようかと思ってるけど」
「冒険者か……」
再び考え込むクロードにオースティンが声をかけた。
「どうしたんだクロード。心配しなくても暫くは俺たちの誰かがついて、冒険者の事を教えるから大丈夫だぞ?」
「あぁ……フィアフル、すまないが冒険者登録は暫く待ってもらえないか?」
「何かあるのかい?ちゃんと力は制御して人間らしくするつもりだけど」
「その辺は心配してないが……フェリーチェがな」
「フェリが何?」
アルが聞き返してもクロードはなかなか口を開かなかった。
周りの者もクロードに注目していた。
そして、クロードは自分の懸念を話し出した。
「まずフェリーチェの魔法やその概念は、はっきり言って異質だ。その子どもらしからぬ言動もな」
「あっ……」
私がうつむいて答えたようとすると、クロードが遮った。
「待てフェリーチェ、最後まで聞いてくれ。君がこれからこの国で生活していけば、いくら君や周りが隠そうとしても、それに気付き利用しようとする者も出てくるだろう。その中には貴族や他にも高い地位の者もいるだろう」
「そんな奴等、僕が赦さないよ」
「確かに貴方ならそうそう負けないだろうが、龍に掟があるように、人間社会には法律があり身分制度がある。どんな理由があっても、庶民が貴族に手を出せば裁かれる」
「そんな事は――」
「‘関係ない’……か?……そんな事をすれば国にはいられないし、そんな事を続ければ人間社会では居場所が無くなる。龍の貴方はいいかもしれないが、フェリーチェは人間だ。フェリーチェの未来を、可能性を潰すのか?」
「それはっ……」
クロードの指摘にアルは言葉を無くし私を見た後、クロードに視線を戻した。
「そんな事は望んでない」
「……今、色々考えてはいるが、まだ提案出来る状態じゃないからな……だから暫く待ってもらえるか?」
「分かったよ」
後日、クロードが連絡する事になり今度こそ解散して、エヴァンたちは仕事に戻り、私たちはオースティンとアンジェラと王宮をあとにした。
ちなみに、今日は家に帰るまで変化したままで行動する事にしている。
「オースティンさん、手紙は郵便屋さんに出すんですか?」
「‘郵便屋さん’って何だ?」
「えっ?手紙を配る場所?」
「何で疑問系なんだ……手紙や荷物は基本、商業ギルドに出すんだ」
「冒険者ギルドとは違うんですか?」
私は前世てゲームなどした事が無くて、よく分からなかったので、ついでとばかりに聞いてみた。
「ギルドは職種によって登録する場所が違うからな。ギルドの特徴も様々で、冒険者ギルドは冒険者の仕事の斡旋や管理、商業ギルドは商売のサポートや管理、魔術師ギルドは魔法の開発や研究のサポートと管理だ。まぁまだ細かい仕事があるが」
「へぇ~そうなんだ。そういえば冒険者って誰でもなれるんですか?」
「犯罪者とかは無理だけどな。登録は10歳から可能だ。フェリーチェは冒険者になりたいのか?」
「まだ分かりませんけど……アルと一緒に冒険してみたいなぁと思って」
「フェリと一緒なら楽しいだろうね」
「フェリーチェは4歳なので後、6年はありますね」
「それまでに鍛えないとな!」
「頑張ります!」
そうこう話している間に商業ギルドに着いたので、建物の中に入ると女の人が声をかけてきた。
「ようこそ!商業ギルドへ。ご用件を伺います」
「トラスト王国に手紙を出したいんだが」
「お手紙ですね。ではこちらに差出人と宛先と受取人の記入をお願いします」
オースティンが女の人から預かった紙を見せながら聞いてきた。
「フェリーチェ、字は書けるか?代筆も出来るが」
「大丈夫です」
「そうか。じゃあ俺たちはあっちにいるから終わったら来てくれ」
そう言って、入り口近くにある長椅子へ歩いて行ってしまった。
私が不思議に思って見ていると、アルが教えてくれた。
「今から手紙を送るのはトラスト王国のチェイスの家か、縁のある場所でしょう?ディアネス共和国のオースティンたちは知らない方がいいと判断したんだよ」
「あっ……そうか」
「ほら、待たせたら悪いから早く出してしまおう」
「うん」
アルに促され、紙に記入していき手紙と一緒に女の人に渡した。
「お預かりしますね。料金は銅貨8枚になります」
「はい、銅貨8枚です」
「はい調度頂きますね。少々お待ちください」
そう言うと手紙と記入した紙を白い箱の中に入れると、箱の横から薄いカードみたいな板が出てきた。
「お待たせしました。こちら‘確認板’になりますのでお持ち帰り下さい」
「「?????」」
{アル……これなに?持って帰ってどうするの?}
{さぁ?でもこの子、当たり前みたいに渡してきたから、聞いたら変に思われるかもね}
{え~……後でオースティンさんに聞いてみようか}
{そうだね}
「ありがとうございました」
念話を終えて、女の人にお礼を言ってオースティンとアンジェラの元に急いだ。
「お待たせしました」
「気にするな。ちゃんと出せたか?」
「はい。あの……聞きたい事があって」
私が言いにくそうにしているのに気付き、外に出て話す事にした。
ギルドから少し離れた場所に移動して、小声で話し出した。
「それで、どうしたんだ?」
「あの~これなんですけど……」
「ん?確認板がどうかしたのか?」
「どうしたというか……これ何に使うんですか?」
「何に使うって……」
「僕もフェリも手紙なんて出した事ないし、ギルドを利用するのも始めてだから分からなくてね」
「あぁ、そういえばそうか」
「確認板というのは、手紙がちゃんと相手に届いたか確認出来る魔道具なんですよ」
「「へぇ~どうやって?」」
「その確認板には荷物の種類、送り主、受取人の情報か入っていて、荷物が受取人に渡ると確認板に配達完了の表示が出るんですよ」
「すごく便利ですね~」
「ちょっと見ない間に変わったね」
「なぁ……もしかしなくてもフェリーチェだけじゃなくて、フィアフルにも常識を教えた方がいいんじゃないか?」
「そうみたいですね」
オースティンが呆れたように言うので、私とアルは顔を見合せて一言。
「「宜しくお願いしま~す」」
「はぁ~」
「クスクス」
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