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禁忌の子
救出1
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私は今、冷や汗が止まらずにいた。
何故か?時間を少し遡る。
私たちは、兵士たちが入る為に開いた扉に滑り込んだ。
そこには、16人位の獣人が身を寄せ合っている姿があった。
私が衝撃を受けていると、兵士が声を荒げた。
「おい!!《餌》だ有り難く食え!」
――ピクッ
誰も返事をしない中、反応する者がいた――私の隣に。
見えるオーラが赤く染まっている。
(何かヤバそうだな……「時空障壁」)
私は嫌な予感がして「時空障壁」を展開した。
その間も兵士の言葉は続く。
「フン!返事も出来んのか!この薄汚い《獣》風情が!!」
――ピクピク
(あんた、黙んなさいよ!刺激しないで!)
兵士の言葉に子どもが立ち上がり前に飛び出した。
「っボクたちは獣じゃない!なんでっ――」
――バシッ!……バタン
兵士が子ども殴った。
その時、チェイスが飛び出したが、私の障壁に阻まれた。
「ウィル!!」
――ドカッ
「痛っ結界か!?おい!こいつを解け!」
「落ちついて!今出たら計画がダメになる……誰も助けられなくなるのよ!」
「そんなことは分かってる!だが、ウィルはっ……」
私たちが言い合っていると、女の人の声が聞こえた。
「やめて!!この子に乱暴しないで!!」
私たちが声の方を見ると、兵士と子ども間に女の人が立っていた。
「セレーナ!!クソッおい――」
「いいから話を聞きなさい!!あの人は念話は使えるの?」
「は?こんな時に――」
「いいから!使えるの?」
「獣人は皆使える!」
「だったらあの人に伝えて‘体に薄い結界を張るから、痛がるフリをしろ’って!」
「な!?」
「早く!」
私は兵士が女の人に近づくのを見てチェイスを急かした。
「分かった!」
{セレーナ聞こえるな?}
{!?チェイスっ何処にいるの?}
{近くにいる。今からお前に結界を張るから、気付かれないように痛がるフリをしてくれ!}
{結界!?……分かったわやってみる}
「伝えたぞ!早く――」
――ドカッ!……ドサッ
念話が終わった時、兵士が女の人を蹴り倒した。
「あいつ!おい結界は!」
「大丈夫……間に合ったよ……」
兵士は女の人を蹴り続けた。
周りの獣人は飛び出そうとする子どもを抑えながら兵士を睨み付け、必死に耐えていた――チェイスと同じ様に。
(こんなの酷すぎる……何でこんなことが出来るの?)
兵士は気がすんだのか蹴るのを止め、先ほど殴った子どもに声をかけ出ていった。
「――お前が逆らったからだ!お前のせいだ!!」
子どもはその言葉に目を見開き涙を流した。
そして、チェイスのオーラが更に赤く燃え上がり、私は冷や汗が止まらなくなった。
「おい……もういいだろ、解いてくれ」
「……解除」
私が「時空障壁」と「隠密」を解くとチェイスは仲間の元に駆け寄った。
「ウィル!セレーナ!」
「!?……おとうさん?……っおとうさん!」
子どもはチェイスに抱き付き、チェイスは子どもをきつく抱き締めた。
「おとうさっ……ごめんなさい……おかあさんがっぐすっ……」
「ウィル……お前のせいじゃない、絶対に……それにお母さんなら大丈夫だ」
「え?」
「セレーナもう起きていいぞ」
チェイスが女の人に声をかけると、何事も無かったかの様に起き上がった。
「おかあさん?」
「ごめんね、ウィル……お母さん大丈夫だから」
「うっ……おかあさ~ん」
子どもはチェイスから離れ母親に抱き付き、母親も抱き返した。
チェイスが2人を見守っていると、声がかかった。
「本当にチェイスか?」
チェイスが振り向くと10歳位の少年が立っていた。
チェイスは少年に膝まづき、
「はっ!遅くなり申し訳ありません。陛――お父上の命により参上しました。他の救出部隊は外に待機させております」
「そうか……ありがとう。しかし、どうやって脱出するのだ?ここには、自力で歩けない者もいる」
「それは――」
チェイスと少年が話していると割り込む声が聞こえた。
「俺たちの事は置いていってくれ……これじゃあ足手まといになるからな」
チェイスが声の方を見ると3人の男が座り込んでいて、3人とも片足が無くなっていた。
先程、声をかけたのは真ん中にいる筋肉質な30代位の男みたいだ。
「カルロス、……その足は……イーサンにリアンも」
「拐われた時に気を失って、気付いたら無くなっていた」
「……………」
「俺たちは戦士だからな……足手まといはゴメンだ!そうたろ?イーサン、リアン」
「「あぁ」」
チェイスは何も言えず、きつく手を握り締めた。
私はというと、何やら深刻な雰囲気に声をかけるタイミングを逃し立ち尽くしていた。
(えぇ~と……私の姿も見えてる筈なのに……足が無くなっているのは、あの魔法で治せると思うし、脱出もあれを使えば……う~誰か気付いてくれないかなぁ……チェイスって結婚してたんだなぁ……奥さんは優しい雰囲気の美人さんだし子どもも可愛いな~……さっきあの少年のお父さんの事‘陛下’って言おうとしたよね~聞かなかった事にしよう……私の事思い出さないかな~)
などと考えながら誰か気付いてくれるのを待っていた。
「あれ?……きみはだれ?」
「!?気付いてくれてありがとう!誰かさんが忘れているからどうしようかと……」
「え?」
私に気付いてくれたのはチェイスの子どもだった。
「あっ!」
チェイスが気付きこちらに走って来た。
「悪かった!皆に紹介するから来てくれ」
「はいはい」
私は少年の元に連れていかれたので、フードを脱ぎ頭を下げた。
「チェイス……この子は?人族の様だが」
少年の言葉に、私とチェイス以外の人たちの顔が強ばった。
「レオーネ様、この子は今回の救出の協力者です」
「「「「はぁ!?」」」」
皆が驚いた。
(そりゃそうだよね~)
「ちょっと待ってくれ、何故人族が……いやその前にこんな子どもが……本当なのか?」
質問にチェイスが答える前に私が答えた。
「初めまして、私はディエゴ・ベイリーの娘です」
「おいっ!」
チェイスが止めようとしたが、私は構わず続けた。
「名前はありません。協力するのはチェイスと契約したからです」
私の答えに周りの反応は、息をのむ者、声をなくす者、睨み付ける者、そして殺意を向ける者と様々だった。
すると、チェイスが庇う様に前に出た。
「待ってくれ!こいつはっ――」
「チェイス!僕は彼女と話している」
「っはい……」
少年はチェイスの言葉を遮り私に話しかけた。
「初めまして、僕はレオーネだ。君がベイリー家の娘と言うは分かった。だが名前が無いのは何故だ?契約とは?」
「名前が無いのは、私が存在を消された娘だからです。契約とは、私が救出に協力する変わりにチェイスが私の脱出に協力するというものです」
「……チェイス、彼女の言葉は事実か?」
レオーネは私の答えを聞きチェイスに確認した。
チェイスが私を見てきたので、私は念話でチェイスに伝えた。
{私の事、話さないつもりだったけどあんなの見たらね……今話しておかないとバレた時、あなたと皆の間にわだかまりが残るわ}
{お前は本当にお人好しだな!……ありがとう}
「はっ!間違いありません。こいつはこの国で禁忌とされる双子として生まれ、今まで……地下室に監禁されていました。この隠し部屋を見つけられるスキルを持っていたので俺から提案し『誓約』を交わしました」
「!?……そうか、『誓約』を交わすほど信頼しているのか」
レオーネは目を閉じ少し考えた後、私に頭を下げた。
「「「「「レオーネ様!?」」」」」
「この度の協力感謝する。皆も、君に罪がないのは分かっているが、これまでの事で少なからず思うとこがあり、先程の様な態度をとってしまった。申し訳なかった」
レオーネの言葉に獣人の人たちはうつむいた。
「謝罪は受けとりますが、気にしないで下さい。しょうがない事ですし、まだ終わった訳ではありませんので」
「……君はいくつになる?」
「?え~と、確か4歳ですね」
「「「「4歳!?」」」」
皆が驚いていたので、私は首をかしげた。
「???」
「はぁ~だから、4歳でその考えはおかしいんだよ」
「あっ!……え~と……あのっ」
私が狼狽えていると、笑い声が上がった。
「ハッハッハッ大した嬢ちゃんだ!俺たちの殺気にも怯まなかったしな。悪かったな何かが化けてんのかと思って試してみたんだ、別に嬢ちゃんを恨んでるわけじゃねぇからよ!」
「え~と?」
「あぁ、俺はカルロスだ。こっちの糸目がイーサンで、女顔がリアンだ」
「「よろしく」」
「よろしくお願いします」
3人と挨拶してるとレオーネがチェイスに話しかけた。
「それで、これからどうするのだ?出来れば全員で脱出したいのだが……」
「すみません……扉に鍵をかけられたので正直なんとも……ただ、あの子に考えがあるようです」
「彼女に?」
「はい」
そう言って2人は――話を聞いてた者は私を見てきた。
私は皆に聞こえる様に話した。
1.私とチェイスで部屋の外に転移して、合流場所に向かう。
2.合流場所に着いたら、転移でこの部屋に戻る。
3.全員で合流場所に転移する。
私が話終えると無言のまま反応が無かったのでチェイスに聞いてみた。
「どうしたの?何かダメだった?」
「ダメじゃねぇよ!何だよ転移って!何で今まで使わなかったんだ!」
私はチェイスの言葉にムッとして、言い返した。
「しょうがないでしょ!転移は一度行った場所にしか行けないの!」
私たちが言い合ってるとカルロスが、
「いや、……俺たちは足手まといになるから残る」
私は苛立ちカルロスに叫んだ。
「だから足は治せるのよ!黙ってついて来なさい!!」
「「「「「え?」」」」」
何故か?時間を少し遡る。
私たちは、兵士たちが入る為に開いた扉に滑り込んだ。
そこには、16人位の獣人が身を寄せ合っている姿があった。
私が衝撃を受けていると、兵士が声を荒げた。
「おい!!《餌》だ有り難く食え!」
――ピクッ
誰も返事をしない中、反応する者がいた――私の隣に。
見えるオーラが赤く染まっている。
(何かヤバそうだな……「時空障壁」)
私は嫌な予感がして「時空障壁」を展開した。
その間も兵士の言葉は続く。
「フン!返事も出来んのか!この薄汚い《獣》風情が!!」
――ピクピク
(あんた、黙んなさいよ!刺激しないで!)
兵士の言葉に子どもが立ち上がり前に飛び出した。
「っボクたちは獣じゃない!なんでっ――」
――バシッ!……バタン
兵士が子ども殴った。
その時、チェイスが飛び出したが、私の障壁に阻まれた。
「ウィル!!」
――ドカッ
「痛っ結界か!?おい!こいつを解け!」
「落ちついて!今出たら計画がダメになる……誰も助けられなくなるのよ!」
「そんなことは分かってる!だが、ウィルはっ……」
私たちが言い合っていると、女の人の声が聞こえた。
「やめて!!この子に乱暴しないで!!」
私たちが声の方を見ると、兵士と子ども間に女の人が立っていた。
「セレーナ!!クソッおい――」
「いいから話を聞きなさい!!あの人は念話は使えるの?」
「は?こんな時に――」
「いいから!使えるの?」
「獣人は皆使える!」
「だったらあの人に伝えて‘体に薄い結界を張るから、痛がるフリをしろ’って!」
「な!?」
「早く!」
私は兵士が女の人に近づくのを見てチェイスを急かした。
「分かった!」
{セレーナ聞こえるな?}
{!?チェイスっ何処にいるの?}
{近くにいる。今からお前に結界を張るから、気付かれないように痛がるフリをしてくれ!}
{結界!?……分かったわやってみる}
「伝えたぞ!早く――」
――ドカッ!……ドサッ
念話が終わった時、兵士が女の人を蹴り倒した。
「あいつ!おい結界は!」
「大丈夫……間に合ったよ……」
兵士は女の人を蹴り続けた。
周りの獣人は飛び出そうとする子どもを抑えながら兵士を睨み付け、必死に耐えていた――チェイスと同じ様に。
(こんなの酷すぎる……何でこんなことが出来るの?)
兵士は気がすんだのか蹴るのを止め、先ほど殴った子どもに声をかけ出ていった。
「――お前が逆らったからだ!お前のせいだ!!」
子どもはその言葉に目を見開き涙を流した。
そして、チェイスのオーラが更に赤く燃え上がり、私は冷や汗が止まらなくなった。
「おい……もういいだろ、解いてくれ」
「……解除」
私が「時空障壁」と「隠密」を解くとチェイスは仲間の元に駆け寄った。
「ウィル!セレーナ!」
「!?……おとうさん?……っおとうさん!」
子どもはチェイスに抱き付き、チェイスは子どもをきつく抱き締めた。
「おとうさっ……ごめんなさい……おかあさんがっぐすっ……」
「ウィル……お前のせいじゃない、絶対に……それにお母さんなら大丈夫だ」
「え?」
「セレーナもう起きていいぞ」
チェイスが女の人に声をかけると、何事も無かったかの様に起き上がった。
「おかあさん?」
「ごめんね、ウィル……お母さん大丈夫だから」
「うっ……おかあさ~ん」
子どもはチェイスから離れ母親に抱き付き、母親も抱き返した。
チェイスが2人を見守っていると、声がかかった。
「本当にチェイスか?」
チェイスが振り向くと10歳位の少年が立っていた。
チェイスは少年に膝まづき、
「はっ!遅くなり申し訳ありません。陛――お父上の命により参上しました。他の救出部隊は外に待機させております」
「そうか……ありがとう。しかし、どうやって脱出するのだ?ここには、自力で歩けない者もいる」
「それは――」
チェイスと少年が話していると割り込む声が聞こえた。
「俺たちの事は置いていってくれ……これじゃあ足手まといになるからな」
チェイスが声の方を見ると3人の男が座り込んでいて、3人とも片足が無くなっていた。
先程、声をかけたのは真ん中にいる筋肉質な30代位の男みたいだ。
「カルロス、……その足は……イーサンにリアンも」
「拐われた時に気を失って、気付いたら無くなっていた」
「……………」
「俺たちは戦士だからな……足手まといはゴメンだ!そうたろ?イーサン、リアン」
「「あぁ」」
チェイスは何も言えず、きつく手を握り締めた。
私はというと、何やら深刻な雰囲気に声をかけるタイミングを逃し立ち尽くしていた。
(えぇ~と……私の姿も見えてる筈なのに……足が無くなっているのは、あの魔法で治せると思うし、脱出もあれを使えば……う~誰か気付いてくれないかなぁ……チェイスって結婚してたんだなぁ……奥さんは優しい雰囲気の美人さんだし子どもも可愛いな~……さっきあの少年のお父さんの事‘陛下’って言おうとしたよね~聞かなかった事にしよう……私の事思い出さないかな~)
などと考えながら誰か気付いてくれるのを待っていた。
「あれ?……きみはだれ?」
「!?気付いてくれてありがとう!誰かさんが忘れているからどうしようかと……」
「え?」
私に気付いてくれたのはチェイスの子どもだった。
「あっ!」
チェイスが気付きこちらに走って来た。
「悪かった!皆に紹介するから来てくれ」
「はいはい」
私は少年の元に連れていかれたので、フードを脱ぎ頭を下げた。
「チェイス……この子は?人族の様だが」
少年の言葉に、私とチェイス以外の人たちの顔が強ばった。
「レオーネ様、この子は今回の救出の協力者です」
「「「「はぁ!?」」」」
皆が驚いた。
(そりゃそうだよね~)
「ちょっと待ってくれ、何故人族が……いやその前にこんな子どもが……本当なのか?」
質問にチェイスが答える前に私が答えた。
「初めまして、私はディエゴ・ベイリーの娘です」
「おいっ!」
チェイスが止めようとしたが、私は構わず続けた。
「名前はありません。協力するのはチェイスと契約したからです」
私の答えに周りの反応は、息をのむ者、声をなくす者、睨み付ける者、そして殺意を向ける者と様々だった。
すると、チェイスが庇う様に前に出た。
「待ってくれ!こいつはっ――」
「チェイス!僕は彼女と話している」
「っはい……」
少年はチェイスの言葉を遮り私に話しかけた。
「初めまして、僕はレオーネだ。君がベイリー家の娘と言うは分かった。だが名前が無いのは何故だ?契約とは?」
「名前が無いのは、私が存在を消された娘だからです。契約とは、私が救出に協力する変わりにチェイスが私の脱出に協力するというものです」
「……チェイス、彼女の言葉は事実か?」
レオーネは私の答えを聞きチェイスに確認した。
チェイスが私を見てきたので、私は念話でチェイスに伝えた。
{私の事、話さないつもりだったけどあんなの見たらね……今話しておかないとバレた時、あなたと皆の間にわだかまりが残るわ}
{お前は本当にお人好しだな!……ありがとう}
「はっ!間違いありません。こいつはこの国で禁忌とされる双子として生まれ、今まで……地下室に監禁されていました。この隠し部屋を見つけられるスキルを持っていたので俺から提案し『誓約』を交わしました」
「!?……そうか、『誓約』を交わすほど信頼しているのか」
レオーネは目を閉じ少し考えた後、私に頭を下げた。
「「「「「レオーネ様!?」」」」」
「この度の協力感謝する。皆も、君に罪がないのは分かっているが、これまでの事で少なからず思うとこがあり、先程の様な態度をとってしまった。申し訳なかった」
レオーネの言葉に獣人の人たちはうつむいた。
「謝罪は受けとりますが、気にしないで下さい。しょうがない事ですし、まだ終わった訳ではありませんので」
「……君はいくつになる?」
「?え~と、確か4歳ですね」
「「「「4歳!?」」」」
皆が驚いていたので、私は首をかしげた。
「???」
「はぁ~だから、4歳でその考えはおかしいんだよ」
「あっ!……え~と……あのっ」
私が狼狽えていると、笑い声が上がった。
「ハッハッハッ大した嬢ちゃんだ!俺たちの殺気にも怯まなかったしな。悪かったな何かが化けてんのかと思って試してみたんだ、別に嬢ちゃんを恨んでるわけじゃねぇからよ!」
「え~と?」
「あぁ、俺はカルロスだ。こっちの糸目がイーサンで、女顔がリアンだ」
「「よろしく」」
「よろしくお願いします」
3人と挨拶してるとレオーネがチェイスに話しかけた。
「それで、これからどうするのだ?出来れば全員で脱出したいのだが……」
「すみません……扉に鍵をかけられたので正直なんとも……ただ、あの子に考えがあるようです」
「彼女に?」
「はい」
そう言って2人は――話を聞いてた者は私を見てきた。
私は皆に聞こえる様に話した。
1.私とチェイスで部屋の外に転移して、合流場所に向かう。
2.合流場所に着いたら、転移でこの部屋に戻る。
3.全員で合流場所に転移する。
私が話終えると無言のまま反応が無かったのでチェイスに聞いてみた。
「どうしたの?何かダメだった?」
「ダメじゃねぇよ!何だよ転移って!何で今まで使わなかったんだ!」
私はチェイスの言葉にムッとして、言い返した。
「しょうがないでしょ!転移は一度行った場所にしか行けないの!」
私たちが言い合ってるとカルロスが、
「いや、……俺たちは足手まといになるから残る」
私は苛立ちカルロスに叫んだ。
「だから足は治せるのよ!黙ってついて来なさい!!」
「「「「「え?」」」」」
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