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禁忌の子

食事、そして脱出計画

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ステータスを見終わって、お腹がすいたので食事をする事にした。
椅子に座り机の上にある食事を見ると、パンが1個と具の無いスープ、コップが1個置いてあったので、パンを食べようとしたら……

「いただきま~す!」

――パクっ……モギュ……モギュ……

(何このパン!?固くてパサパサで食べにくいし、口の中がっ……)

パンを食べてみたら、今まで食べた事が無いほど固くてパサパサしてたので、口の中が乾いてしまい、コップを手にして中の物を飲んだ。

――ゴクゴク

「うぇっ!?これ水?泥臭くて飲めないよぉ」

水もダメだった。
最後に残ったスープには、なかなか手が進まず眺めていたが、空腹には勝てず飲む事にした。

――カチャ――コクン

「……味が……無い……」

(………………………………………)

私は、固いパンを味の無いスープに浸けながら、無心で食べた。

数分後――

何とか時間を掛けて食べる事が出来た。

(まぁ、お腹は落ち着いたかな……気を取り直して作戦を考えなきゃね)

「ステータス!」

――ブゥーン

(作戦に使えそうな魔法は、まだ何も覚えてないし、スキルは『気配探知』と『魔力探知』、『暗視』は使えそうだなぁ……あと、脱出した後の事も考えないと……4歳の子どもだし……『アイテムボックス』とユニークスキルを使って……でも……)

私は、ステータスを見ながら、作戦を考え机に置いてある紙に書いてみた。

――――――――――――――――――――――

脱出計画

1:『アイテムボックス』に脱出した後に必要な物を入れていく。
2:『生命吸収』ライフアシミレーションを使い、地下室に来る人から生命力を吸収しておく。

3:可能なら『能力複製』スキルコピーを使い、スキルを獲得する。

4:本を見て魔法を出来るだけ覚える。

5:『気配探知』・『魔力探知』・『暗視』のレベルを上げる。

6:地図を探す。

―――――――――――――――――――――――

ひとまず思い付いたものを書いたので、計画書を見直してみた。

(ここを無事に脱出したとして、闇雲に逃げても捕まるかもしれないから、ここが何処なのか調べて、地図も探さなきゃ……外には魔物とかもいるはずだし、普通の動物だって今の私には危険だから身を守る為の魔法や、スキルも覚えて……あとは、食料と水……先に地図を探そう)

私は、地図を探す為、本を調べることにした。

(確か最初に読んだ本に書いてあった気がするけど……あった!私の所属がアンブラー帝国で辺境伯の長女だったよね。辺境伯だから他国との境に住んでいるはず……中央にディアネス共和国、そこから南にトラスト王国、西にラディウス皇国、北にアンブラー帝国か……逃げるとしたらディアネス共和国かな。そもそも、今いるとこが帝国とも限らないし……やっぱり場所の特定しないとなぁ)

ちなみに、この世界は、4つの大国といくつかの小国があり、大国を簡単に説明すると――

『ディアネス共和国』は他種多様な種族が共存している国で、建国した人族を王として、獣人・エルフ・ドワーフの代表者が協力して国を発展させてきた。

『トラスト王国』は獣人を中心とした国。獣王が治める。

『ラディウス皇国』は主神グリエルマを信仰し、各国に教会を建てている。教皇が治める。

『アンブラー帝国』は人族至上主義の国。他国に対して友好的ではない。国王が治める。

総合的に見て、逃げるならディアネス共和国がいいと思いました。
今いる場所の特定は、ひとまず保留にして魔法の練習をする事にした。

と、その前に――

(この計画書は見られないようにしないと……『アイテムボックス』に入れて置けば安心だよね。使い方は……)

――スキルを意識しながら対象に触れると、収納される。取り出す時は、取り出す物を思い浮かべる。

(フムフム……なるほど~)

私は、『アイテムボックス』を意識しながら計画書を手に持った。
すると――持ってた計画書が消えてしまった。

「わぁ!?消えちゃった……収納されたのかな?取り出してみよう」

初めてスキルを使ったので、念のため取り出してみる事にした。

(よし、計画書出てこ~い…)

今度は手の中に計画書が出て来た。

(おぉ~成功した。便利なスキルだなぁ)

もう一度、計画書をアイテムボックスにしまい魔法の練習に取り掛かった。
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