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冒険者~極秘任務~
ギルドマスター
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一方、フェリーチェたちが向かっている場所では、四人の者が話し合いをしていた。
一人はエラの父親ギルドマスターのギャビン、副ギルドマスターのコラード、Bランク冒険者のジーノ、同じくBランクのフィオナだ。
「報告を聞こう。コラード」
「暗視スキル持ちで探らせたが、生存者はいるが全員を移動させるのは無理だ。怪我人や逃げ遅れた一般人もいる。それに町の外には出られない。建物の中にあの霧が入ってこないのは幸いだった。まぁ、魔物は別だけどね」
「次はわたしたちね。魔物が出現する時間バラバラよ。ただ、突然同時に現れ、また突然同時に消えるの。明らかに普通の魔物じゃないわ。それと、魔物がいる間に霧が晴れるのも気になるのよ」
「攻撃して殺すこともできるし、こっちだって傷をおうのだから実体はあるはずだ。だが……正直、魔物の数が減った気がしない。それに少しずつだが強くなっている」
「やはりか……相変わらず外との連絡も取れない。このままではいずれ物資が底をつく。どうすれば……そういえば、コラード、あの方との接触はできたか?」
「いや、屋敷には誰もいないようだった」
「そうか」
この異常事態をどう解決するかの話し合いだったが、結局打つ手がない状況を再確認しただけになってしまった。
重い空気が漂うなか、部屋のドアが乱暴に開かれる。
「ギルマス!魔物だ!」
「何!?クソッ!動ける者は町に散れ!生存者いる建物を守れ!」
「分かった!」
ギャビンの指示に従い冒険者たちがギルドを飛び出す。
しかし、飛び出した先で立ち尽くしてしまう。
「おい!何をしている!」
「ギルマス……あ、あれ…」
「あぁ?……な、何だありゃ…」
ギャビンの視線の先では、何十匹はいるだろう魔物がぎゅうぎゅう詰めになって宙に浮いていたのである。
唖然としていたギャビンたちの耳に呑気な声が聞こえてきたのでそちらを向くと、ゴーグルを着けた三人と二匹が話をしていた。
「びっくりした~。急に出てきたから思わず捕獲用の魔道具投げちゃった」
「フェリ、気になることがあるから、それはそのままにしておいてくれ」
「うん。他の場所に魔物がいるみたいだけど、どうするの?」
「捕獲用の魔道具はまだあったよな?一先ず手分けして捕らえる」
「殺さなくていいのかい?」
「魔物の現れかたが気になる」
「確にね。じゃあ三手に別れようか」
「ヴィルヘルムとゾーイはフェリと一緒だ」
「わん!」
「ぐる!」
「散れ!」
ガイの合図でそれぞれ違う方に走り出した謎の三人と二匹を、ギャビンたちは声も掛けられず見送るしかなかった。
一人はエラの父親ギルドマスターのギャビン、副ギルドマスターのコラード、Bランク冒険者のジーノ、同じくBランクのフィオナだ。
「報告を聞こう。コラード」
「暗視スキル持ちで探らせたが、生存者はいるが全員を移動させるのは無理だ。怪我人や逃げ遅れた一般人もいる。それに町の外には出られない。建物の中にあの霧が入ってこないのは幸いだった。まぁ、魔物は別だけどね」
「次はわたしたちね。魔物が出現する時間バラバラよ。ただ、突然同時に現れ、また突然同時に消えるの。明らかに普通の魔物じゃないわ。それと、魔物がいる間に霧が晴れるのも気になるのよ」
「攻撃して殺すこともできるし、こっちだって傷をおうのだから実体はあるはずだ。だが……正直、魔物の数が減った気がしない。それに少しずつだが強くなっている」
「やはりか……相変わらず外との連絡も取れない。このままではいずれ物資が底をつく。どうすれば……そういえば、コラード、あの方との接触はできたか?」
「いや、屋敷には誰もいないようだった」
「そうか」
この異常事態をどう解決するかの話し合いだったが、結局打つ手がない状況を再確認しただけになってしまった。
重い空気が漂うなか、部屋のドアが乱暴に開かれる。
「ギルマス!魔物だ!」
「何!?クソッ!動ける者は町に散れ!生存者いる建物を守れ!」
「分かった!」
ギャビンの指示に従い冒険者たちがギルドを飛び出す。
しかし、飛び出した先で立ち尽くしてしまう。
「おい!何をしている!」
「ギルマス……あ、あれ…」
「あぁ?……な、何だありゃ…」
ギャビンの視線の先では、何十匹はいるだろう魔物がぎゅうぎゅう詰めになって宙に浮いていたのである。
唖然としていたギャビンたちの耳に呑気な声が聞こえてきたのでそちらを向くと、ゴーグルを着けた三人と二匹が話をしていた。
「びっくりした~。急に出てきたから思わず捕獲用の魔道具投げちゃった」
「フェリ、気になることがあるから、それはそのままにしておいてくれ」
「うん。他の場所に魔物がいるみたいだけど、どうするの?」
「捕獲用の魔道具はまだあったよな?一先ず手分けして捕らえる」
「殺さなくていいのかい?」
「魔物の現れかたが気になる」
「確にね。じゃあ三手に別れようか」
「ヴィルヘルムとゾーイはフェリと一緒だ」
「わん!」
「ぐる!」
「散れ!」
ガイの合図でそれぞれ違う方に走り出した謎の三人と二匹を、ギャビンたちは声も掛けられず見送るしかなかった。
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