目覚めたら地下室!?～転生少女の夢の先～

冒険者～始まり～

深い怨み

微妙な空気の中、ネイサンが気になった事を聞いてみる。

「シスターになった敬意は分かりました。ですが正直、貴方のような方（人をイラつかせる天才）がグレイ達に母と慕われる理由が分かりません」
「酷い言われようです。確かに女装した男ですから、父と慕われるのが本当ですよね。あっ、本名はドットです」

（（（（…そう言う意味じゃないし、名前とかどうでも良い））） ）

「子ども達は僕にとって守りたい大切な存在なんです」

（（（（結構、まともかも））））

「僕は初めて神父に襲われてから、行く先々でその手の趣味の方に襲われてきました。不思議な事に皆さん僕から誘いの手紙が来たと言ってましたが、心当たりがないので遠慮なく撃退してきました」

（（（（怨みが深いな……妹よ））））

「おかけで僕は強くなりました。でも、徐々に心も荒んでいたのです。その時、この孤児院で働くようになり、子ども達の無邪気さや純粋に僕を頼ってくる姿に癒されました。約一名邪魔者がいましたが。だから今回の事はとても許せません！」

（（（（綺麗に話がまとまった…））））

フェリーチェ達は、予想外に怨みが深い妹に戦慄しながらも孤児院のこれからの事を話す事にした。

「神父は罪人として裁かれる事になる。犠牲者は行方を調べるが、人数が多いので時間がかかるだろう」
「支援金は今までどおり支給されます。それと、教会の方から代わりが派遣されるそうです」
「神父様でしょうか？」
「本来ならそうだが、貴方の話を聞いた限り神父（男）を派遣したら、また（妹の策略で）襲われそうだからシスターを派遣するようかけあおう」
「ありがとうございます！」
「……保証はできないならな」
「はい！」

話は終わったので、グレイたちに別れを告げてガイ達と合流するため移動したのだが、合流場所にはヴィルヘルムとゾーイしかおらず、ガイの姿はなかった。

「あれ？ねぇ毛玉、ガイは？」
「誰が毛玉だ！主はまだ戻ってないぞ」
「お家で何かあったのかな？」
「良からぬものでも見て監禁されてるかもしれないね」
「あり得そうだな」

ネイサンとミゲルは、あながち間違いではない予想をしていた。一先ず帰る事になったが、ヴィルヘルムとゾーイにこれからどうするか聞いてからになった。

「俺は一緒に行くぞ。やっと主に会えたんだ」
「本当！やった～！」
「……チッ」
「舌打ち!?」
「わたしは、一度村に行こうと思います」
「そっか……」
「君が世話になった村だよね。でも…」
「はい。恐らく生き残りはいないでしょう。ですが、せめて弔いたいのです」
「そう…」
「気を付けてくださいね」
「ありがとうごさいます。弔いが終わりましたら是非、寵姫様…フェリーチェ様に使えさせて頂けませんか？」
「え？」
「良いんじゃない？ねぇ、兄様」
「そうだな。フェリの守りが強くなるだろう」
「父にも口添えしておきます」
「ありがとうごさいます」

ゾーイと別れを済ませ、フェリーチェたちはファウスト家に転移した。