上 下
12 / 19
第一章

戦ってみよう

しおりを挟む
魔物の気配を追ったら、今度はゴブリンの巣に辿り着いた。
結構いるな。でもこれなら調度良いか。

「ヴィヴィ、俺達にとって武器は何だと思う?」
「身体能力の高さと魔力の量かな?」
「それもあるが、一番は血だ」
「血?」
「そう。俺達の血は魔力を媒介するのに最高のものなんだ」
「良く分かんない」
「例えば、さっきのウィンドカッターに使った魔力を十とする」
「うん」
「じゃあ今から同じ魔法でゴブリンに攻撃するから見てろよ」

俺は指を噛み切り、流れた血に魔力を混ぜてから魔法を放った。

「ウィンドカッター」
「ギャギャ!?」
「ギャーギャ!?」

先程とは比べ物にならない風が発生し、ゴブリンの大半が死んだ。まだやりたいことがあるから少し残してる。

「すごい」
「今ので使った魔力は一だ」
「え!?そんなに差があるの?」
「まぁ、俺の血だからってのもあるがな。ヴィヴィの血は俺より薄いから精々魔力消費が半分になる程度だろ」
「そうなんだ」

頷くヴィヴィの頭を撫でて、次の使い方を教える。

「それと、もう二つ使い方がある」
「どうするの?」
「一つは血を操作して戦う。固さや形状は自由自在だ」

俺は血を操作して細い針状に変化させた。それを仲間が死んで動揺しているゴブリンに向けて放つが奴等は気付いてない。血がゴブリンの体内に入ったことを確認して命令を下す。

《動くな》
「ギャ!?」

俺はヴィヴィを連れてゴブリン達に近付いた。プティーは見慣れているが、ヴィヴィとククルは不思議そうにしている。

「何で動かないの?」
「俺が命令したからだよ。これがもう一つの使い方、対象に少量でも血を与えれば俺の意のままだ。……生死もな」
「え?」

《首を貫いて死ね》

ゴブリン達は、俺の言葉に従い持ってた武器で首を貫いたり砕いたりして死んだ。ヴィヴィに視線を向けると微かに震えている。
さすがにやり過ぎたか?だが、自分に流れる【レーヴェンの血】を早いうちに正しく理解しないといけないのも確かだ。使い方を間違えばあっという間に死んじまうからな。

「怖いか?」
「え?」
「俺が……お前に流れる血が怖いか?」
「……うん」

ヴィヴィは、俺の問いに迷いながら頷く。

「それで良い。安心しろ。さっきも言ったが、お前の血は薄いから生死まで命令するのは無理だ。精々、この子のお願い聞いてあげたいって思わせる位だな」
「そうなんだ。でも、ちゃんと使えるように頑張る」
「力に溺れるな!力を恐れ学び理解し支配しろ!」
「何それ?」
「……世界で一番大嫌いな奴の言葉だ。さて、ゴブリンの耳を集めるぞ」
「えぇ~」
「クゥ~」
「ピュ~」

嫌がるヴィヴィ達とゴブリンの耳を集めて町に戻ることにした。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...