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第一章
甘味は大事に
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荷台に乗っていた奴隷達と目が合ったままお互い固まっていたが、ブリットの出発すると言う声が聞こえてきたので、入り口近くに腰を下ろしヴィヴィを胡座をかいた上に乗せた。ククルは見えないがヴィヴィの膝の上だ。
気不味い。あの首輪って奴隷だよな。依頼って奴隷の運搬か。そういえば、ククルを追いかけてた奴等も奴隷がどうのこうの言ってたな。まぁ、俺には関係ないが。
手持無沙汰で外を見ていると、ヴィヴィが服を引っ張った。
「何だ?」
「……」
「飴?朝3つも食っただろ?」
「………」
「しょうがねぇな。今日は最後だぞ」
「……」
俺はアイテムボックスから飴の入った瓶を取り出しヴィヴィに1つ渡した。
この飴はキラービーと言う魔物の蜂蜜から作った飴で、ヴィヴィのお気に入り。アイテムボックスは時間停止機能があるから、中に入れた物は入れた時の状態で保存できて便利なスキルだ。
俺が口をモゴモゴ動かすヴィヴィを見ていると、複数の視線を感じた。奴隷達がこっちを見ている。正確にはヴィヴィと飴の瓶を見ている。
「……あぁ~……食べるか?」
「!?」
「こらヴィヴィ!手を離せ!お前、こういう時だけ反応しやがって!いつもの鉄仮面はどうした!」
「……」
「まだあるから無くならねぇよ!たくっ……ほら、食べたいなら食べろ」
俺が近くにいた子供に瓶を差し出すと、俺と瓶を交互にみておずおずと受け取った。
「い、いいの?」
「あぁ、構わないから食べろ」
「でも……」
なかなか食べようとしない子供達の視線の先には不機嫌なヴィヴィ。
「ヴィヴィ、その顔止めろ」
「……」
「気にしないでくれ」
「ありがとう」
1人1つずつ手に取りゆっくり味わっているようだ。甘味は貴重な物だからな。
この人達がどんな経緯で奴隷になったかは知らないが、せめて良い主人に会えることを祈るくらいしか俺にはできない。
暫くして馬車が止まったので外に出るとブリットが声をかけてきた。
「オズウェル殿、到着した。ここはルーフスの町だ」
「へぇ~」
目の前には高い壁と門、門に並ぶ人や馬車の姿があった。
気不味い。あの首輪って奴隷だよな。依頼って奴隷の運搬か。そういえば、ククルを追いかけてた奴等も奴隷がどうのこうの言ってたな。まぁ、俺には関係ないが。
手持無沙汰で外を見ていると、ヴィヴィが服を引っ張った。
「何だ?」
「……」
「飴?朝3つも食っただろ?」
「………」
「しょうがねぇな。今日は最後だぞ」
「……」
俺はアイテムボックスから飴の入った瓶を取り出しヴィヴィに1つ渡した。
この飴はキラービーと言う魔物の蜂蜜から作った飴で、ヴィヴィのお気に入り。アイテムボックスは時間停止機能があるから、中に入れた物は入れた時の状態で保存できて便利なスキルだ。
俺が口をモゴモゴ動かすヴィヴィを見ていると、複数の視線を感じた。奴隷達がこっちを見ている。正確にはヴィヴィと飴の瓶を見ている。
「……あぁ~……食べるか?」
「!?」
「こらヴィヴィ!手を離せ!お前、こういう時だけ反応しやがって!いつもの鉄仮面はどうした!」
「……」
「まだあるから無くならねぇよ!たくっ……ほら、食べたいなら食べろ」
俺が近くにいた子供に瓶を差し出すと、俺と瓶を交互にみておずおずと受け取った。
「い、いいの?」
「あぁ、構わないから食べろ」
「でも……」
なかなか食べようとしない子供達の視線の先には不機嫌なヴィヴィ。
「ヴィヴィ、その顔止めろ」
「……」
「気にしないでくれ」
「ありがとう」
1人1つずつ手に取りゆっくり味わっているようだ。甘味は貴重な物だからな。
この人達がどんな経緯で奴隷になったかは知らないが、せめて良い主人に会えることを祈るくらいしか俺にはできない。
暫くして馬車が止まったので外に出るとブリットが声をかけてきた。
「オズウェル殿、到着した。ここはルーフスの町だ」
「へぇ~」
目の前には高い壁と門、門に並ぶ人や馬車の姿があった。
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