ろくでもない

とぶまえ

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 中は熱く、そして狭くて、堪らなく気持ちが良かった。

「あっ……っ、あ……!」

 彼を布団に押し倒して挿入し、僕はがむしゃらに腰を振った。後孔には気持ちいいところがあるとさっき調べた筈なのに、僕はそんなもの頭から抜けてしまっていた。ただただ気持ちが良くて腰を打ち付ける。それでも彼は喘いだ。

「っあ、ぅ……んっ……! ンんっ……!」

 彼が少し大きな声が漏らす。彼は恥ずかしいのか腕を口に押し当ててしまった。

「声聞かせて」
「……っ、い……やだ」

 彼は潤んだ目で見上げてくる。苦しさで潤んでいるのか気持ちよさで潤んでいるのか、僕には判断が付かなかった。でも僕はその目を見て堪らなく興奮した。
 ついさっきまで忘れていた後孔には気持ちいい場所があるということを思い出し、中を探るように腰を動かす。性器の後ろ辺りを擦りあげると彼はびくりと震えて中をきゅうきゅうと締め付けた。きっとここだと思い、そこを狙って腰を打ち付ける。

「っあ、ッ……! ああっ……! そ、こ、やめ……っんうぅ……!」

 堪らず声を漏らす彼を見て満たされた気分になる。セックスって、こんなに楽しいものだったんだ。

「そこばっか、っ、あッ……やめて……!」
「どうして? 気持ち良くない?」

 ぐりぐりとそこを押し潰すと彼はびくびくと震える。どう見ても気持ちよさそうなのに。

「すぐ、イクから……」

 彼は恥ずかしげな声で言った。
 何それ、そんな、かわいい。

「良いよ。沢山イッて」
「ッや、あっ……ああッ……!」

 気持ちのいいところを刺激し続けると彼の声が段々切羽詰まったものに変わる。

「だめ、イく、イ……ーー~~~~ッ!」
「っ、あっ……んうっ……!」

 彼の背が仰け反り中がきつく締まる。あまりにも気持ち良くて中に吐精してしまった。絶頂の余韻か中が断続的に収縮している。その刺激もやっぱり気持ちが良くて、僕はまた性器を硬くしてしまった。

「っあ……待って、まだ……っん……!」

 彼の腰を掴み直しゆっくり腰を動かす。彼は制止を求めて来たけれど、聞いてあげられるほど僕には余裕がなかった。

 突き上げる度、彼の性器が揺れる。先端からとぷとぷと先走りが溢れ出している。
 中を突かれながらそこを弄られたら、とても気持ちがいいと、さっきスマホで調べた知識を思い出して、僕はそこに手を伸ばした。

「ッあ……!?」

 触れた瞬間、彼はびくりと震える。握り込み優しく扱きあげると彼はふるふると首を横に振った。

「ん゙んッ…うう……それ、だめ、きもち、い……!」

 彼は余裕のない声を漏らし、中をぎゅううと締め付ける。良かった、喜んでくれている。

「ん、あッ…ああっ……! も……いく…ぅ…ッ!」

 先端からびゅくびゅくと白濁液が溢れ出る。彼は蕩けたような顔をしている。それがもう、堪らなく可愛かった。

「んッ……! ん、あ……ッ! あぁッ……!」

 彼の気持ちのいいところを先端でごりごりと擦りあげる。彼がこの上なく気持ちよさそうな顔をするから、腰が止まらなくなる。

「ンッ、んっ…ぁ…ーー~~ッッ!」

 彼の身体がびくびくと震える。また中でイッてくれたようだ。中がうねる。搾り取られるような動きに耐えきれず中に射精した。

「気持ち、い、……あたま、溶けそ……」

 息を乱した彼が言う。僕も溶けてしまいそうだった。




 その後も彼を何度もイかせ、僕も何度かイッた。こんなに出るんだななんて自分でも驚くぐらいだった。

「付き合おう」
「は?」
「え?」

 事後、布団で並んで横になっている時にそう言った。しかし彼は怪訝そうな表情を浮かべたから僕は混乱してしまった。

「付き合ってなかったの?」
「えっ、僕ら付き合ってたの!?」

 そんなの知らない。付き合ってないと思っていたから、セックスしたけじめとして告白したのに。

「僕の所に来たらって言ったのって、告白じゃなかったんだ?」
「あれは……言葉そのままの意味で……」
「なんで恋人でもない相手を家に置いとくんだよ」
「こう、友情的なあれで」

 僕と彼とでは認識に齟齬があったらしい。

「僕恋人出来るの初めてだよ」
「俺は四人目」
「あんまり知りたくない情報だ」

 あの彼氏くん以外の三人も、彼を殴るような人だったのだろうか。

「……」

 まあ、いいや。今付き合っているのは僕なんだ。もう彼に痣は増えない。


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