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しおりを挟む「ん……っぅ……! あ、ッ…あっ……!」
スラッジは丁寧な手つきで何も挿れたことがなかった俺の後孔を慣らしてくれた。丁寧に丁寧に、丹念に、ぐずぐずになるぐらいに。
最初は圧迫感と痛みしか無かったはずなのにいつの間にか俺は確かにそこで快感を得るようになっていた。
「パラス」
俺の名前を呼びながら目元に掛かった髪を払い除け、スラッジは顔を近づけてきた。
「挿れていい?」
聞いてくるその顔は赤く、興奮しているように見えた。その表情を見ていると息が詰まってしまって上手く声が出てこず、俺は小さく頷いた。
「痛かったら絶対言ってね。僕がすぐ止めなかったら突き飛ばしたっていい。絶対に何も我慢しないでくれ。君に嫌われたい訳じゃないんだ」
「……大丈夫、だから」
君に何をされたって嫌う筈が無い。
スラッジは後孔に張り詰めた性器をあてがうとゆっくり挿入を始めた。
「ん……ッ」
いくら念入りに慣らされていたとは言え、指よりも随分太いそれに中をこじ開けられるのは酷い圧迫感があった。俺が苦しげな声を上げるとスラッジは腰を止め、身体をゆっくり撫でたり、顔にキスして俺を落ち着かせ、それからまた腰を進めた。
「あっ……ああ……ッ」
圧迫感を堪える為にシーツを強く掴んでいた手をふいにスラッジに取られ手を握られた。
「もうちょっとだからね」
スラッジは深く息を吐き、少しずつ奥へ性器を挿入する。俺はずっと手を握り締めていた。
根元まで挿れるとスラッジはキスをしてきた。口の中に入ってきた舌に口蓋を舐められるとぞくぞくとした感覚に襲われる。どうすれば良いのか分からず、俺はただただ縋り付くようにスラッジに抱き着いていた。
「大丈夫?」
「ん……」
身動ぎすると中にあるものを強く感じた。一つになれていると思うと堪らない幸福感が湧いて来る。
スラッジは馴染むのを待ってからゆっくりと抽出を始めた。
「っあ…んう……!」
時折「痛くない?」と気遣ってくれたけれど痛みはなかった。圧迫感も、徐々に快感に塗り替えられていつの間にか無くなっていた。
「ふ……く、う……ああっ……!」
中を突かれると声が漏れてしまう。
「スラッジ…ぃ……」
「ん……きみの中、あったかい……きもちいい……」
いつもよりもぼんやりとした様子でスラッジは呟いた。それから勃起した俺のものを触ってくる。
「あぅ…っんん……!」
「君はどう? きもちいい?」
「き……もち、いい……」
「本当?」
笑顔を見せると「嬉しいな」なんて言って、少しだけ腰の動きを早めながら性器を扱いてくる。
「あッ……あっ…気持ち、いい……!スラッジ、スラッジ……!」
「うん、沢山、気持ちよくなってね」
「ああぁっ……!」
中への刺激だけでもいっぱいいっぱいなのに、両方同時にされたら堪らなかった。
「イ、っちゃ…ぁッ……も、イく……ッ!」
「どっち? 前と後ろ、どっちでイキそう?」
「わ、かん、な……ぁあっ……あッ! っーーー~~ッ!」
強い快感の波が来て目の前が真っ白になる。今まで経験した事の無いその感覚が訪れたのと殆ど同時に射精していた。
「あっ……あ……やっ……!」
「大丈夫、大丈夫だよ」
未知の強い快感に怯える俺をスラッジは優しく抱き締めてくれた。
「……ふ、……ぅ……」
「落ち着いた?」
「ん……うん」
中にあるスラッジの性器はまだ硬い。俺だけイッてしまってスラッジはまだイけていない。
「……つ…づき、やろう」
恐る恐る口に出した。スラッジはちょっとだけ驚いたような顔をしてからキスをしてきて、また挿出を再開させた。
「僕ね、僕ね、ずっと、君とこうしたかったんだ」
「っぁ…ッ…お、れも……」
「嬉しい」なんて言って、スラッジは笑顔を見せた。
「──でもね、思い始めたのは僕の方が絶対に先」
なんだそれ、そんなの、分からないだろうに。俺がいつから思ってたかなんて知らないくせに。
「んあっ……!」
少し強めに突かれて大きな声が漏れた。
「す、らっじ、また、イきそ……!」
「うん、イッていいよ」
気持ちいい場所をごりごりと突かれて、この上なく気持ち良くて喘ぎ声が漏れる。でも、まだ、スラッジはイッてない。
我慢しよう、と思ったのに身体に力を入れたら余計に中を締め付けてしまった。
「ふっ、く…ううッ……ああっ…あッ…!」
しかもスラッジはまた俺の性器を握り込むと優しく扱き上げてきた。我慢したいのに、そんな事をされたら堪えようがない。
「ッん…う……だ、め、…あ……っ! あ…~~~~ッッ…!」
「ん…ッ……!」
俺がイッた直後、切羽詰まった短い声と共にスラッジは中に射精した。
ああ、良かった。スラッジもちゃんと気持ち良かったんだ
何度かイッた後脱力して天井を見上げていた。息が上がっていて、中々整えられなかった。
スラッジは中から性器を引き抜くと倒れ込むように俺の隣に横になった。
「ふ、ふふ、楽しい。けど、疲れた」
「……君ばっかり疲れさせたね」
「それは良いんだ。人のこと弄るの好きだから。君とこんなこと出来るのが夢みたいで、張り切り過ぎた」
スラッジはぜえぜえと息を吐いている。以前一緒に山に行った時も俺より先にばてていたし、元々体力は俺より無いのだろう。
俺は手に付いたスラッジの精液をどうしたら良いものか悩んでいた。拭くものを、と思っても、手の届く範囲にはない。
スラッジは隣で寄り添うにしている。離れるのが、なんだか嫌だった。
シーツに手を擦り付けた。こんなの後から洗えばいい。
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