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読み切り
監禁ごっこ(多分)
しおりを挟む「はい、あーん」
恋人はそれはもう楽しそうに朝飯である卵焼きを俺の口に運んでくる。両手を背中側で拘束されている俺は大人しく食べるしか出来ない。
「美味しい?」
「うん」
卵焼きの味は中々。少し塩辛い気もするけどそれぐらい許容範囲だ。元々料理が下手だったこいつが作ったにしてはかなり美味い部類だ。
恋人は卵焼きや米をせっせと俺の口に運び、俺はなされるがままそれを食べる。最後に水を飲まされた。
「お腹一杯になった?」
「ん」
頷けば恋人は嬉しそうに笑い抱き寄せてキスをしてくる。
「今日は早く帰って来られるよ。いい子にしててね」
俺は一ヶ月前から恋人に監禁されている。拘束されて家に閉じ込められ、連日犯されている。
そういう、設定だ。
勤めていた会社が経営不振で倒産し、職を失った俺は長い休暇が手に入ったと解釈して恋人に監禁ごっこを持ち掛けた。元から玩具を使ったりだとか拘束プレイが好きな恋人は快諾してくれた。
そういう訳で俺は服を剥かれた状態で首輪と目隠しをつけられてベッドに仰向けに寝かされ、両手はベッドの柵に手錠で拘束されている。真冬ではあるけれど部屋には暖房が一日中がんがんに効いているので裸でも寒くは無い。電気代が凄いことになっていそうだ。
この生活を初めてから、恐らく一ヶ月位経った。頻繁に目隠しをされているから日が沈んでいるのか上がっているのかよく分からないし、たまに気絶していたりもするから正確な日数は分からない。
監禁ごっこを始める時、俺は日数を指定しなかった。恋人の方もずっと俺の世話をするのは疲れるだろうから、一週間もすれば飽きると思っていた。しかし、一ヶ月経った今も一向にやめようという話は上がってこない。
最初は楽しかった。非日常感を味わえたし、普段しないようなプレイも沢山した。監禁されていいようにされるなんて世のドマゾなら誰だって一度は妄想するだろう。
ただ、俺は内心焦っていた。これって、いつまで続くんだ。根がドマゾな事もあって拘束されるのは大好きだけれど、連日、しかもほぼ一日中拘束されっぱなしともなると流石に身体が悲鳴をあげる。ほぼ寝たきりだから体力も落ちてきた気がする。知り合いとも連絡が取れず、外で何が起きているか全く分からないから社会から切り離されたような妙な焦燥感もある。
恋人が帰ってきたら、そろそろ終わりにしようと言おう。
そう決心して俺は仕事に行っている恋人の帰りを待った。
◇◇◇
「ただいま!」
寝落ちしかけていると、扉を開ける音と共に恋人の明るい声が部屋に響いた。きっと今恋人は上機嫌で満面の笑みだろう。顔を見なくても分かる。
「いい子にしてたかな?」
ベッドに近付いてきた恋人は俺の頬を撫でてくる。俺は無言で小さく頷いた。
「トイレ行こっか。我慢してただろ?」
「ん……それより、話があるんだけど」
「なあに?」
恋人は甘ったるい声で聞いてきながら俺の目隠しを外す。明るくなった視界の中、恋人はにこにこと笑いながら俺を見下ろしていた。眩しさに少し目を細めながら俺は口を開く。
「そろそろごっこ遊びやめにしない?」
「やだ」
即答だった。少しは悩め。
「そんな我儘言うなんて、どうしたの? 昼間僕がいなくて寂しかった? 大丈夫だよ、明日はお休みだから今夜は沢山遊んであげられる」
「そういう話じゃなくて」
「じゃあ何?」
「身体もきついし、結構精神的にもきつくなってきた。流石にずっと寝たきりっていうのは体力的に良くなさそうだし、外の空気を吸いたい。あと家族とかから連絡が来てないか確認を……」
「うん、うん」
あからさまに適当な相槌を打ちながら、恋人は何故か俺の身体を撫でてくる。毎日弄られてあちこち敏感になってるんだからやめろ。
「話聞いてる?」
「聞き流してる」
「ふざけんな」
「トイレ行ってから遊ぶのとそのまま遊ぶのどっちがいい?」
「だから、もうやらないって」
するりと下腹を撫でてくる。
「じゃあ漏らすほうがいい?」
「……」
俺の話を聞く気は一切無いようだ。ここで意地を張っても話は平行線のまま、それこそここで漏らす羽目になりそうだ。
「……トイレ行く」
「うん。じゃあ準備しようね」
恋人は片手にスタンガンを持ち、鼻歌でも歌いそうなぐらい上機嫌に手錠を外し始めた。抵抗したら確実にスタンガンを使われる。監禁してるっぽい雰囲気が出そうという事で、監禁ごっこを始める前に二人でネットで選んで買った物だけれど今はその存在が憎い。使われたことは一回しかないけれど、無駄に高性能なあれは思考なんて全部吹き飛ぶぐらいに痛いし、筋肉が麻痺してしばらく動けなくなる。
恋人は俺の両手を背中側に回させ手錠をかけ直してから首輪にリードをつけ、俺を立ち上がらせた。
リードを引かれながらトイレに連れて行かれ、恋人がガン見してくる中排泄するという非常に嫌なイベントを終え、俺は部屋に戻された。そのままぼすっとベッドに押し倒される。
「何して遊ぶ?」
恋人はにこやかに聞いてくるが、右手にはスタンガンがあり俺の眼前に突き付けて来ている。俺はスタンガンから目を逸らして恐怖心を誤魔化しながら口を開いた。
「今日は何もしたくない」
「駄目」
また即答だ。
「どうして今日に限ってそんなに我儘なの?」
恋人は左手でくりくりと乳首を弄ってくる。開発されきって完全な性感帯となっているそこを弄られては変な声が漏れそうになる。
「ん……ぅっ……」
「ね、遊びたいよね? 気持ちいいことしたいよね? 外に出たいっていうのも嘘だよね? ペットみたいに鎖で繋がれてるの大好きだもんね?」
「ん……ん……っあぁ……! あっ、あっ……!」
きゅっと指で挟まれてすりすりと擦り合わせるように刺激される。それだけの事なのに気持ち良くて声が押さえきれない。恋人の言葉に流されそうになる。
「ずっと家で気持ちいいことしてたいよね?」
「んぅう……! やっ、あッ……ほ、本当に、もう嫌なんだって……ッひ、い゙っ!?」
バチッ、と一度だけ聞いたことがある音がして身体に強い痛みと衝撃が走る。痛みで一瞬頭が真っ白になり、スタンガンで電流を流されたのだと気付くのに数秒かかった。
「あ゙……ぁ゙……」
「君はさ」
恋人は左手でリードを掴むとぐいと強く引いた。右手で首元にスタンガンを突き付けてくる。
「痛い思いしたらいい子になれる?」
普段より数段低い声で恋人は聞いてくる。あからさまに機嫌が悪い。
「あ……や、やめ……ごめ、もう言わないから……」
「……」
じっとりとした嫌な視線が向けられる。いつも笑っている恋人のこんな顔見た事がなかった。俺は内心震え上がっていた。
数秒経ってから、恋人はぱっとリードを手放し、俺に抱き着いて頬擦りしてきた。
「うんうん、そうだよね。君は元からいい子なんだから、僕を困らせるようなこと、言わないよね」
明るい声色を聞いて、機嫌が直ったのだとほっと息をついた。
そうだ、元々監禁ごっこなんて言い出したのは俺なんだし、自分が疲れたからって一方的に終わらせるなんて無責任だ。恋人が満足するまで付き合うべきだ。
俺は自分にそう言い聞かせた。
恋人は手錠を外すと、俺の両手足にベルトで出来た手枷と足枷を付け、鎖を使ってベッドに大の字に拘束した。その間ずっとスタンガンをちらつかされ、俺はなされるがままだった。
拘束には遊びが少なく殆ど身動きが出来ない。いつもならその不自由さに興奮しているところだけれど今日はそんな気分にはなれなかった。さっきの恋人の態度もあり、何をされるのだろうかと恐怖心が勝っている。お仕置とか言って拷問まがいのことでもされたらどうしよう。そういう設定は好きだけれど、ガチのやつは嫌だ。
「昨日はお尻を沢山弄ったし、今日は前を弄ろうか。いっぱいイかせてあげるね」
恋人は明るい笑顔で言う。痛い事をされる訳では無いと分かり内心胸をなでおろした。
ようやくスタンガンを手放した恋人は性器を掴み緩く扱いてくる。弱い刺激だけれど俺のものはそれだけですぐに勃ちあがる。
「相変わらず感じやすいね」
「んん……っ」
「どうしたの? 恥ずかしがらないで。かわいいよ」
しばらく扱かれればそこは完全に勃起した。
恋人はベッドの横に置いている玩具入れの中から電マを取り出して俺に見せつけてきた。俺は微かに身をすくめた。何度も使ったことがあるから、使われたら自分がどうなるのかよく分かっている。毎回馬鹿みたいに喘いで、すぐにイかされてしまう。
スイッチを入れていない電マがぴたっと性器にあてがわれる。
「う……」
恋人は焦らすようにスイッチを入れないまま性器の形をなぞるように電マを滑らせる。いつ電マが動き始めるか分からず、俺は全身を強ばらせた。
竿の根元に押し当てられた時、なんの前触れも無くスイッチが入れられた。途端に激しい振動が襲いかかってくる。
「っあ、ああっ……! んあああっ!」
「気持ちいいところはどこかなぁ」
「あっあっ……! んうゔ…! あッ…あーー!」
どこかななんて言うけれど、恋人は俺の弱いところは全部知り尽くしている。先端や裏筋、感じやすい場所を責められて俺は先走りをだらだらと垂れ流していた。
「んんん゙ーー…! やめ、はげし、ぁっやめて……!」
「まだ一番弱い振動だよ?」
言いながら恋人は僅かに振動を強める。
「やっあ゙あ゙っ! ッう、うゔぅ …! つよい、つよいぃ……! だめ、イク、イきそ……!」
「良いよ。イッてるところ見せて」
「ッん、あッああ゙ぁーーーッ!」
電マを強く押し付けられ、俺はその刺激であっけなく射精した。どぴゅりと精液が溢れだしてくる。電マを離した恋人は満面の笑みを見せる。
「かわいかったよ」
「ん……」
余韻でぴくぴくと震えている内腿を撫でながら愛おしげに囁いてくる。
俺が落ち着いたのを見計らって、恋人はもう一度電マを性器に押し当てる。
「もう一回かわいいところ見せて」
スイッチが入れられ、電マが激しく振動を始める。射精したことで一旦は萎えていた性器はたちまち勃ちあがる。
「やめ、だめだって、それされたら、ぁあッ…! すぐイッちゃ…ううぅ…! あっああ゙っあー!」
「うん、イッて?」
恋人はゆっくり電マを滑らせる。激しい振動のせいですぐに射精感が込み上げてくる。
「イ、く、っああーー~~ッ!」
耐えきれずに腰を震わせながら精液を吐き出した。
早すぎる射精で羞恥心に襲われている俺をよそに、恋人はイッた直後の性器を掴んだ。そして、射精直後で敏感になっている先端に激しく振動する電マを押し付けてきた。
「っ、い゙い゙いッ!!い゙や、やめで、やめで、いまはや゙めで! おねがい゙! そこいじんないでぇえ! ッッ! あああ゙あ゙あ゙!!」
「あはは、凄い声」
気持ちいいなんて通り越した耐え切れない強過ぎる刺激に、まともに動かせない手足を必死に動かして暴れた。恋人は笑うばかりで止めてくれる気配なんてない。
「や゙っ、も、むり゙! やめでええ! いああ゙あ゙ーー! はなじで!っや、あ゙あ゙ッ!」
「ここいじられるの気持ちいいねえ」
「ひああ゙ッッ! やめでっぐりぐりしないで……! やあああ゙あ゙!」
尿道口を抉るように刺激されて、神経を直接触られているような錯覚に陥る。俺は叫ぶしか出来なかった。
「おねが、休まぜで……!」
「大丈夫、大丈夫、まだ頑張れるよ」
「ああ゙あ゙ッ! や゙あああ゙ッ!」
「もっと振動強くしよっか」
「ッひううゔゔ! やめ゙、止めで! むり゙、ああ゙ーーーッ!」
何とか刺激から逃げようと腰を引こうとしても、まともに身動き出来ないのだからなんの抵抗にもならず、恋人からは余計に強く電マを押し当てられる。
「んうゔ! ああ゙あ゙ッ! やだ、は、なしてっ、もう、もうむ゙り゙! なんかでる……!」
「良いよ。我慢しないで、出しちゃって」
「や゙っ、やだ、やだ、ッ~~~ーーー!」
もう限界だと思った瞬間、精液でも尿でもない透明な液体がぷしゃあと吹き出してきた。吹き出している最中も電マを押し付けられ液体は振動で飛び散る。
「あっッ、う…ぅ゙ぅ…!」
「上手に潮ふきできたね」
潮が止まると恋人は楽しげに言った。これで開放されるかと思ったのに、恋人は性器をつかみ直すと、潮で濡れそぼっている先端に更に強く電マを押し付けた。
「ん゙ッ、ぐ、んん゙ゔゔう! や゙っ、あッあっあ゙あ゙あ゙あ゙ッ! はな、離じて、おかしくな゙る゙!」
「もうちょっと頑張れない?」
「もゔやだ! もゔむ゙り゙! ッやめで、おねがい゙……! もうい゙や゙あ゙ぁ゙!」
「んー、無理そうかな」
ぱっと手を離されて、ようやく振動から解放された。俺は乱れた息を整えようとぜえぜえと息を吐いた。潮なんて吹いた実感がない。ただ身体が重い。
恋人の指先がくぱっと無理矢理尿道口を広げる。恋人はいつもしつこいからさっきので終わる筈はないと頭では分かっているけれど、いざ触られると体が勝手にびくりと震えた。
「せっかくだから中も弄ろっか?」
俺は小さく首を横に振ったが、恋人はそんな反応なんて無かったものとして準備を始めた。
恋人はベッドの横の玩具入れから銀色の、玉が幾つも連なったような形の尿道ブジーとローションを取り出す。
「ひ……やだ、いやだ」
「大丈夫、大丈夫。ちゃんとゆっくり入れてあげるから」
そういう問題じゃない。俺は再度必死に首を横に振ったけれど、恋人は笑顔で無視し、ローションを塗り付けたブジーを尿道口にあてがう。拘束されている状態では大人しく受け入れるしか出来ない。
「ひうッ…うう……!」
つぷつぷと玉が一つずつゆっくり尿道に埋まっていく。凸凹に粘膜を擦り上げられていく堪らない感覚に無意識に腰を引こうとしてしまう。
「あッあっ…抜、ぬいて……っ!」
「ん、抜こうか?」
「っああああ゙あ゙ッ! やッ、あッ……!」
玉がずりゅずりゅと尿道を擦り上げながら外に出ていく。その刺激が中に入れらる時よりも強い快感で、俺は堪らず喘ぎ声を上げた。全て抜ける寸前で恋人は手を止め、またゆっくりと奥へ押し込み始めた。
「あ、あ゙……!」
俺は手枷に繋がれた鎖を握り締めて必死に刺激に耐えた。
開発された尿道はあっさりと奥までブジーを迎え入れた。奥に辿り着いたブジーの先端に前立腺をくりくりと刺激されて腰がはねる。
「~~~~! やめ、そこは、そこ弱いから……!」
「あはは。そうだね、君、ここいじられるの大好きだよね」
「ーー~っ!」
前立腺をぐりぐりと押し潰されたかと思えば、ぐちゅぐちゅとピストンされて尿道全体を擦り上げられる。どちらの刺激も俺には堪らなかった。
本来ならとっくに射精しているような快感なのに、出口を塞がれているから精液なんて一滴も出て来ない。
「やあっあっ…い、きたいぃ……!」
「さっきあんなに出したのにまた出したくなっちゃった? そんなに気持ちいい?」
俺はこくこくと首を縦に振った。
「素直でいい子だね」
恋人は目を細めて笑い、ゆっくりとブジーを引き抜き始めた。
「あ、ッんぁ……は、あッあっ……!」
玉が一つ一つ尿道口をこじ開けながら出ていく感覚にぞくぞくとする。射精への期待感で無意識のうちに腰が揺れた。
あと少し、ほんの少し引き抜いてくれれば射精できる時になって恋人は手を止め、あろう事かまた奥へと戻し始めた。せり上がってきていた精液を無理矢理逆流させられて俺は身もだえた。
「やっ…あっ…なんで…ぇ……!」
「いい子とは言ったけどイッていいとは言ってないよ」
「っお、れが、イッてるところ見て、かわいいとか言ってたくせに……!」
「イキたくて堪らないって顔しながら悶えてるところもかわいいよ」
「うう……ッんううっ…あっあああっ!」
ずぶんっと奥まで戻されたブジーが前立腺を押し潰す。射精出来ないもどかしさと快感がごちゃまぜになって苦しい。
「大丈夫、空イキならさせてあげるから」
恋人は俺の足の拘束具を外してM字に足を開かせた。恋人の指先が後孔をなぞる。
「あはは、ひくひく震えてるよ。弄って欲しそうにしてる」
「い……や、もう、やだって……」
恋人の指が離れていき、懇願を聞いてくれたのかと安心したのも束の間、恋人は指にローションを纏わせるとそのまま後孔に突っ込んできた。
「ん、うッ……! やだ、抜け……!」
「でもここは嬉しそうにしてるよ?」
「っああ、ひううっ……! やめ、あっああ……!」
ぐりぐりと前立腺を弄られ俺は情けない声で喘いだ。そこは、駄目なんだ。元からセックス大好きで、身体を弄られるのもいじめられるのも大好きだから、気持ち良くて何にも考えられなくなる。
「やだやだって言ってばっかりだね。今日は嫌がりたい日? そういう遊び?」
「そ、じゃな…あっ、んうう……!」
「大丈夫、分かってるよ。嫌がってるフリをしたいだけで、本当は沢山いじめて欲しいんだもんね?」
恋人はブジーを掴むと尿道側からもぐりぐりと前立腺を刺激してきた。前後から弱い所を弄られ快感で頭がいっぱいになる。
「やあ゙っあッ……! だめ、それだめ……!」
「君の言うだめって、もっとって意味だろ?」
「ちがっ…んっんぅー! ん゙ーーー~~!!」
両方から前立腺強く押しつぶされて俺は簡単にイッてしまった。それでも恋人は手を休める気配はない。
「いま、イ゙、イッてる、イッてるからぁ……!」
「うん、もっと気持ち良くなろうね」
「ひぅぅゔぅ……! や、あッあああ!」
イッている所に更に快感を与えられて腰ががくがく震える。気持ち良くてたまらない。
「あああ゙あ゙…! やめ、待っ、て、少しでいい、やすませて……! い、や、ッあああーー~~!」
恋人はぐちぐちと前立腺をひたすらに弄る。イキッぱなしにされて訳が分からなくなり、だんだん視界が暗転しかけてくる。
「あ゙ッ……!」
暗転しきる直前、ずるりと指を引き抜かれた。身体が勝手にびくびくと震えている。終わったのかと、荒く息を吐きながら天井を見上げた。
恋人はぴたりと何かを後孔に押し当ててきた。
「いれるね」
「……え……ひっ、あ゙、や゙ッあ゙ーー~~~!」
ずぶんと一気に突き入れられ、熱いものが内壁を擦りあげる刺激でそのまま軽くイッてしまった。余韻に浸る間もなく恋人は腰を打ち付け始める。
「ま゙、まって、おねが、ッひぁ…あ、ああッ!」
「中うねってる……気持ちいい……」
恋人は感じ入った声を出すだけで動きは止めてくれない。
「んううゔ…! あっあッ、ああ゙あ゙! ああ゙ーー! や゙め、やめて…!」
前立腺に狙いをつけてそこを突き上げながら、恋人はブジーを掴んで尿道側からもそこを刺激した。
「ッ~~ーーー!」
手で弄られていた時よりも強い刺激に簡単にイかされる。尿道から前立腺を弄られる度に、後ろから突き上げる度にイかされて、思考が飛ぶ。
「いっぱい弄ってあげるからね」
「ま、って、おねが、イッてる! ずっとイ゙ッてる! や゙、あ゙っああ゙ーー!」
快感の終わりが見えず、このまま頭がおかしくなってしまうのではいかという恐怖心が湧いてくる。
「も、イキたくな゙い…! こわ、い…!や゙め゙てぇえ! ひあ゙、あああ゙あ゙……!」
「大丈夫、怖くないよ。沢山イッて」
「む、り゙、もぉむり゙……! ああ゙ッあ゙あーーッ!」
どんなにやめてくれと訴えても恋人はやめてくれない。恋人はおもむろに電マを手に取ると、尿道に深々と突き刺さるブジーに電マの先端をあてがった。
「や、やめ……やだ、やめて、それだけは……」
もう既にいっぱいいっぱいなのに、そんなことされたら本当におかしくなる。
しかし恋人が俺の懇願なんて聞いてくれるはずもなくて、恋人は楽しげに笑いながらスイッチを入れた。
尿道の中を埋め尽くすブジーが激しく振動して中をめちゃくちゃにする。あまりの快感に俺は背を仰け反らせた。
「ひっ、やあ゙あ゙ーーッ! やめ、止めっ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙! やめで! とめてぇ゙!」
「っ、わあ、凄く中締まってるよ。気持ちいいんだね」
「止め、止めて! むり゙! っひうゔゔ! い゙やっ、あ゙ッああ゙ーーー!」
「あはは、イキっぱなしだね」
「ッんうゔーー! やあ゙あ゙!」
馬鹿みたいに気持ち良くて、頭の中が真っ白になる。
前立腺を後ろからもぐりぐりとこねくり回され身体がはねる。暴れる度に手枷が腕の皮膚を傷付けていたけれど、そんな些細な痛みなんて馬鹿になった脳は拾わなかった。
「いあ゙っああ゙ーー~~ッ!! ~~~~ッっ!」
「凄く気持ちよさそう」
恋人は楽しげに笑う。俺は嫌だとか、やめてとか、もはやそんな言葉すらまともに発せず、ただただ叫び声のような喘ぎ声を上げ続けた。
「はあ、かわいい。ねえ、外に出たいなんて言わないで。ずっとここにいて。いくらでもお世話してあげるし沢山可愛がってあげる。だから僕以外のこと考えないで」
意識が飛びそうな俺に、恋人はずっとそんな事を言っていた。
「ごめんね。やりすぎちゃったね」
「……いいよ。あれくらい、いつもだし……」
いつの間にか気絶していたようで、目が覚めると恋人が添い寝をするようにして隣で寝ていた。動こうとするとじゃらりと鎖の音がした。手を確認すると両手首を鎖の長い手枷で繋がれている。首輪も長い鎖でベッドの柵に繋がれていた。随分緩い拘束だ。手錠や縄で拘束されると体勢的にきついからこっちで良かった、なんてことを思った。
びちゃびちゃだったシーツはいつの間にか新しいものに取り替えられている。身体も綺麗に拭かれているようだ。気絶している間に恋人がやってくれたのだろう。
「君イッてないだろ。良かったの?」
「イッたよ? 二回ぐらい。多分君は意識なかったけど」
「意識飛んでる奴を犯すなよ」
「ごめんごめん」
本当に思っているのか分からない声色だ。恋人はむくりと起き上がる。
「君が寝てる間にご飯作ったんだ。持ってくるね」
そう言って恋人は部屋を出ていった。
静かになった部屋の中、俺は自分の手首を見た。手枷で擦れて傷だらけだ。今日出来た傷と、元からあった傷跡とで酷いことになっている。監禁ごっこなんて始める前は傷が付いたら次に拘束するのは治るまで待ってくれていたが、今ではもうお構い無しだ。
大丈夫、恋人はそのうち飽きる。拘束だって外してくれる。
俺は自分にそう言い聞かせた。
あれから二ヶ月。俺はまだ監禁されている。
そういう、設定だ。
多分。
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