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第6話
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婚約破棄から約二週間が過ぎた。
婚約破棄後、ソフィアはどこにも出かけず家に引きこもっていたが、今日はソフィアの友人のカルメン・ロライ公爵令嬢の屋敷で二人でお茶会をすることになり、ロライ公爵邸に馬車で向かっている。
公爵邸に到着したら使用人がソフィアを庭園に案内した。
ロライ公爵邸の庭園はリシャール侯爵邸の庭園とは趣が異なっており、青紫色のデルフィニウムの花が咲き誇っている。
使用人に案内された庭園内のガゼボにはカルメンがおり、テーブルの上には茶器やマカロンやプチケーキなどが載ったティースタンドが用意されていた。
ソフィアはカルメンと向かい合って座った後、使用人がカップに紅茶を注ぎ、使用人はその場から離れた。
ソフィアはまずビクターとの婚約破棄の顛末についてカルメンに語った。
「まぁ……そんなことが。こうして聞くとダリオ様って最低な殿方ですのね。ソフィアがダリオ様のことが好きではなかったこととこれが結婚した後の出来事でないことが不幸中の幸いなのかしらね」
「結婚式まであと三ヶ月くらいでしたから、時期的には余り良くはなかったですが、結婚した後にこんなことが起きたら今の比にならないほどダメージを受けることになるので、今で良かったとは思いますわ」
「ソフィアは美人さんで歴史のある侯爵家の一人娘だから、ダリオ様との婚約がなくなっても次の婚約者はすぐ決まりますわよ」
ソフィアは淡い銀髪に薄い水色の瞳の冷たい美貌の令嬢である。
「あんなことがあったから今度こそはまともな人と婚約したい気持ちはあるけれど、上手くいくか不安なの……」
「実は今日はあなたに婚約者候補を紹介しようと思ってお招きしたの。勿論、私が紹介したからと言って紹介した私の顔を立てる為に必ず婚約しないといけない訳ではないから。ねぇ、アンドレを呼んで来て下さる?」
「畏まりました、お嬢様」
数分後、男性が一人やって来た。
「初めまして。アンドレ・ディディエと申します。ディディエ伯爵家の二男で、王太子の側近として王宮に勤めています」
アンドレは亜麻色の長い髪を後ろで一つに結わえ、瑞々しい若葉のような碧眼の美丈夫な男性である。
穏やかで知的な雰囲気にソフィアは好感を持った。
「此方こそ初めまして。私はソフィア・リシャールと申します。リシャール侯爵家の一人娘です」
「アンドレは私の従兄なの。見た目は身内贔屓かもしれないけれど悪くないと思いますし、性格も真面目。ただ22歳だから18歳のソフィアからすると少し年上にはなりますわね。アンドレってばあなたの話をしたら、すぐ自分に紹介してくれって……」
「ちょっ、それは言わない約束でしたよね!」
カルメンの発言に被せて慌ててアンドレが制止する。
ソフィアがどういうことかわからずキョトンとした表情をするとカルメンがにんまりと笑う。
「私が言うのは野暮でしたわね。では、私は退席しますのであとはお二人で!」
カルメンはそう言うなりそそくさと出て行った。
婚約破棄後、ソフィアはどこにも出かけず家に引きこもっていたが、今日はソフィアの友人のカルメン・ロライ公爵令嬢の屋敷で二人でお茶会をすることになり、ロライ公爵邸に馬車で向かっている。
公爵邸に到着したら使用人がソフィアを庭園に案内した。
ロライ公爵邸の庭園はリシャール侯爵邸の庭園とは趣が異なっており、青紫色のデルフィニウムの花が咲き誇っている。
使用人に案内された庭園内のガゼボにはカルメンがおり、テーブルの上には茶器やマカロンやプチケーキなどが載ったティースタンドが用意されていた。
ソフィアはカルメンと向かい合って座った後、使用人がカップに紅茶を注ぎ、使用人はその場から離れた。
ソフィアはまずビクターとの婚約破棄の顛末についてカルメンに語った。
「まぁ……そんなことが。こうして聞くとダリオ様って最低な殿方ですのね。ソフィアがダリオ様のことが好きではなかったこととこれが結婚した後の出来事でないことが不幸中の幸いなのかしらね」
「結婚式まであと三ヶ月くらいでしたから、時期的には余り良くはなかったですが、結婚した後にこんなことが起きたら今の比にならないほどダメージを受けることになるので、今で良かったとは思いますわ」
「ソフィアは美人さんで歴史のある侯爵家の一人娘だから、ダリオ様との婚約がなくなっても次の婚約者はすぐ決まりますわよ」
ソフィアは淡い銀髪に薄い水色の瞳の冷たい美貌の令嬢である。
「あんなことがあったから今度こそはまともな人と婚約したい気持ちはあるけれど、上手くいくか不安なの……」
「実は今日はあなたに婚約者候補を紹介しようと思ってお招きしたの。勿論、私が紹介したからと言って紹介した私の顔を立てる為に必ず婚約しないといけない訳ではないから。ねぇ、アンドレを呼んで来て下さる?」
「畏まりました、お嬢様」
数分後、男性が一人やって来た。
「初めまして。アンドレ・ディディエと申します。ディディエ伯爵家の二男で、王太子の側近として王宮に勤めています」
アンドレは亜麻色の長い髪を後ろで一つに結わえ、瑞々しい若葉のような碧眼の美丈夫な男性である。
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「ちょっ、それは言わない約束でしたよね!」
カルメンの発言に被せて慌ててアンドレが制止する。
ソフィアがどういうことかわからずキョトンとした表情をするとカルメンがにんまりと笑う。
「私が言うのは野暮でしたわね。では、私は退席しますのであとはお二人で!」
カルメンはそう言うなりそそくさと出て行った。
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