【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ

水月 潮

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第8話

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 ケーキに舌鼓を打ちながら、アイリーンとウィリアムは話す。

「それにしても、アイリーン様。婚約者の件は災難でしたね」

「そうね。シリル様のことは恋愛的な意味合いで好意は持っていなかったから、シリル様が浮気して恋人を作ったことに対してショックは感じてはいないわ。ただ、その後がいただけなかったわね。勘違いが酷かったですわ」

「仮にも自分自身も貴族なのにどうしてそんな都合よく考えられるのか理解に苦しみますね。勉強もすぐさぼっていたと聞いていますし、そんな婚約者と別れられてよかったと思うことにしましょう」

「こんなことがあったから、新しい婚約者なんて見つかるかしら……。」

「アイリーン様。今日はお話したいことがあってこうして誘わせて頂きました」

 ウィリアムがまっすぐアイリーンを見つめる。

「僕をアイリーン様の婚約者にして頂けませんか? 実は僕はアイリーン様のことを女性として慕っていたのです。僕の方が年下で身分差もあるし、告白して関係が壊れるくらいなら……と弟分として慕っているふりをしていました」

 ウィリアムの告白にアイリーンはどきどきした。

 弟分として可愛がっていたウィリアムがまさか自分のことを恋愛的に好きだとは思っていなかったのだ。

「ありがとう、ウィリアム。あなたの気持ちに気づかなかったわ。でも、今まで弟分としてしか見ていなかったあなたを男性として見るのは急には出来ない。だから、まずはこうやって二人で出かけたり、話をしたりしてから婚約者の件は考えさせてもらえないかしら?」

「わかりました。すぐにお断りされるかもと思っていたから、チャンスを貰えるならきっとアイリーン様を振り向かせてみせます!」

「期待してるわね」



 それから三か月後、ウィリアムの気持ちが通じて二人は正式に婚約者になった。

 アイリーンの両親も婚約解消について思うところがあったのか、今回はアイリーンの気持ちを尊重し、二人の婚約を認めたのだ。


 そして二人は一年後、結婚式を挙げることになる。

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