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第3章
第322話 連絡手段
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担架に乗せられて運ばれていくショー君の後ろを、フラフラとしながらオデ君がついて歩き出した。暴れないなら大丈夫かな。
少し様子を見ていたが、ショー君が運ばれていくのを邪魔したりはしなくなったようだ。
橋の上では騎士達による消火活動が続けられていた。
マーギットさんが橋の方に近づいて行って、腕組みをしながら行った。
「かなり燃えているであるな。この距離なら街の建物に飛び火する心配はなさそうであるが。」
「消火作業自体は上手くいっていそうだね。」
川の水を汲み上げる魔道具らしきものから勢いよく水が放水されている様が見える。
橋の反対側からも消火が始まっているようだ。
暫くすると増援らしい騎士達が騎馬や馬車でやってきた。消火作業の邪魔になりそうなので、その場は離れて商業ギルドまで
戻ることにした。
「あ!ユリウス氏達~!」
「マルロイ氏!シン氏~!」
商業ギルドの建物の前にいたマルロイ君とシン君が、商業ギルドに向かって歩いてきた俺達を見つけて手を振ってきた。
ユリウスが両手を振り上げて応えている。
先ほど来た時より商業ギルドは混雑していた。
マルロイ君とシン君の姿しか見当たらなかったので、アメリー嬢達はどうしたのかと聞いてみると、迎えの馬車に伝言をする為にギルド内に入って行ったのだそうだ。
暫くするとアメリー嬢とシエラ嬢が疲れた様子でギルドの正面玄関から姿を現した。
「伝言できた?」
「いえ‥‥。」
商業ギルドの窓口に押し寄せてきた人達の罵声や怒声が怖くて、諦めて外に出てきてしまったそうだ。
「宿泊施設に戻って待っていようよ。部屋は延泊しても大丈夫だよ。」
「でも‥‥商業ギルドで待ち合わせと約束してしまって。」
迎えの馬車が他の橋を使って迂回してくるとしたら、到着するのは時間がかかるわけだから商業ギルド前でずっと待っているより、暫く何処かでゆっくりしていても良いと思うんだけど落ち着かないらしい。
「そうだな‥‥。こっちで魔鷹を飛ばしてみようか。」
「え?出来るの?」
「ちょっと色々経由するから、ギルド間でのやりとりより時間かかるけど。迎えの馬車に特徴があるかな。ハーン伯爵家の紋章はついている?」
川向こうの街、ツヴィーロの知り合い商人の所に魔鷹を飛ばして、アメリー嬢の迎えの馬車を探してもらって伝言を届けてもらうという作戦だ。
迎えの馬車はもう迂回路を通っているかもしれないけど、その可能性も合わせて伝えて様子を見てきて貰えば良いだろう。
問題は迎えの馬車に乗っている人を知らないというところだけど、貴族家の馬車だから特徴はあるんじゃないだろうか。
少し様子を見ていたが、ショー君が運ばれていくのを邪魔したりはしなくなったようだ。
橋の上では騎士達による消火活動が続けられていた。
マーギットさんが橋の方に近づいて行って、腕組みをしながら行った。
「かなり燃えているであるな。この距離なら街の建物に飛び火する心配はなさそうであるが。」
「消火作業自体は上手くいっていそうだね。」
川の水を汲み上げる魔道具らしきものから勢いよく水が放水されている様が見える。
橋の反対側からも消火が始まっているようだ。
暫くすると増援らしい騎士達が騎馬や馬車でやってきた。消火作業の邪魔になりそうなので、その場は離れて商業ギルドまで
戻ることにした。
「あ!ユリウス氏達~!」
「マルロイ氏!シン氏~!」
商業ギルドの建物の前にいたマルロイ君とシン君が、商業ギルドに向かって歩いてきた俺達を見つけて手を振ってきた。
ユリウスが両手を振り上げて応えている。
先ほど来た時より商業ギルドは混雑していた。
マルロイ君とシン君の姿しか見当たらなかったので、アメリー嬢達はどうしたのかと聞いてみると、迎えの馬車に伝言をする為にギルド内に入って行ったのだそうだ。
暫くするとアメリー嬢とシエラ嬢が疲れた様子でギルドの正面玄関から姿を現した。
「伝言できた?」
「いえ‥‥。」
商業ギルドの窓口に押し寄せてきた人達の罵声や怒声が怖くて、諦めて外に出てきてしまったそうだ。
「宿泊施設に戻って待っていようよ。部屋は延泊しても大丈夫だよ。」
「でも‥‥商業ギルドで待ち合わせと約束してしまって。」
迎えの馬車が他の橋を使って迂回してくるとしたら、到着するのは時間がかかるわけだから商業ギルド前でずっと待っているより、暫く何処かでゆっくりしていても良いと思うんだけど落ち着かないらしい。
「そうだな‥‥。こっちで魔鷹を飛ばしてみようか。」
「え?出来るの?」
「ちょっと色々経由するから、ギルド間でのやりとりより時間かかるけど。迎えの馬車に特徴があるかな。ハーン伯爵家の紋章はついている?」
川向こうの街、ツヴィーロの知り合い商人の所に魔鷹を飛ばして、アメリー嬢の迎えの馬車を探してもらって伝言を届けてもらうという作戦だ。
迎えの馬車はもう迂回路を通っているかもしれないけど、その可能性も合わせて伝えて様子を見てきて貰えば良いだろう。
問題は迎えの馬車に乗っている人を知らないというところだけど、貴族家の馬車だから特徴はあるんじゃないだろうか。
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