317 / 324
第3章
第316話 また足止め?
しおりを挟む
クレイリー君も早速練習を始めたようだ。
「あれ~?あれれ~?うんともすんとも。」
左手の袖口の辺りに右の掌をかざして、ブツブツと言っている。
「クレイリー君、インターバルに入っちゃってるよ。」
「え?でも、発動してないですよぅ?」
「中途半端に発動しちゃったみたいだね。もう少し待ってからもう一度やってみると良いよ。」
「ああ、沢山練習したいのにぃ。インターバルってぇ。」
「連発できちゃうと、魔力を使い過ぎたりするから、インターバルある位がちょうど良いよ。」
クレイリー君は、クリーン魔法を失敗してもやり直しができるようになるまでに時間がかかることを嘆いていた。
「魔力を込める」だとかインターバルに影響しない魔法の練習方法はあるのだけど、まだ魔法の発動自体が安定していない時に、色々できてしまうと、魔力不足になったりなどの問題があるので素直にインターバルを待ってもらう方が良いのだ。
「はぁ~。中々上手くいかない。でも、楽しいぃ~。」
少し待ってインターバルが開けて、クレイリー君はもう一度チャレンジしたのだが、2回目も不発だった。
しかし、なんだか嬉しそうにしていた。
朝食の時間になって、食堂に魔導科メンバーが集まってきた。
皆が席に着き食事が並べられ始めたのだが、アメリー嬢とシエラ嬢がまだ来ていなかった。
「商業ギルドに行っているんだったっけ。」
「うん。アメリーが迎えの馬車と待ち合わせで、シエラが付き添い。でも、朝食までに戻るって言ってたんだけどな。」
「心配だっぺ。」
「だすだす。」
商業ギルドまで様子を見に行こうかと話し合っていたら、食堂の扉が開いてアメリー嬢とシエラ嬢が入ってきた。
二人の表情がなんだか暗い。
「どうしたの?何かあった?」
足早に俺たちのいるテーブルに近づいてきた二人に声をかけた。
アメリー嬢が困った表情で言った。
「迎えの馬車が遅れているの。途中の橋が通行止めらしくって。」
「橋が?どこの?」
「はっきりとはわからないけど、東方面のツヴァル川にかかっている橋だと思うわ。そこを通って帰る予定だったから。」
待ち合わせていた迎えの馬車が中々来ないので、商業ギルドの窓口に何か伝言が届いていないかを訊ねたら
橋の情報を教えてくれたのだそうだ。
伝言自体は届いていないが、到着が遅れているのはその為だろうと言われたらしい。
「ツヴァル川の橋って通る所だっぺ?」
「だすだす。」
「ありゃぁ。前進あるのみとはいかないだっぺかぁ~。」
マルロイ君が軽くのけぞって頭を抱えた。シン君も戸惑っている様子だった。二人が乗る馬車のルートらしい。
「あれ~?あれれ~?うんともすんとも。」
左手の袖口の辺りに右の掌をかざして、ブツブツと言っている。
「クレイリー君、インターバルに入っちゃってるよ。」
「え?でも、発動してないですよぅ?」
「中途半端に発動しちゃったみたいだね。もう少し待ってからもう一度やってみると良いよ。」
「ああ、沢山練習したいのにぃ。インターバルってぇ。」
「連発できちゃうと、魔力を使い過ぎたりするから、インターバルある位がちょうど良いよ。」
クレイリー君は、クリーン魔法を失敗してもやり直しができるようになるまでに時間がかかることを嘆いていた。
「魔力を込める」だとかインターバルに影響しない魔法の練習方法はあるのだけど、まだ魔法の発動自体が安定していない時に、色々できてしまうと、魔力不足になったりなどの問題があるので素直にインターバルを待ってもらう方が良いのだ。
「はぁ~。中々上手くいかない。でも、楽しいぃ~。」
少し待ってインターバルが開けて、クレイリー君はもう一度チャレンジしたのだが、2回目も不発だった。
しかし、なんだか嬉しそうにしていた。
朝食の時間になって、食堂に魔導科メンバーが集まってきた。
皆が席に着き食事が並べられ始めたのだが、アメリー嬢とシエラ嬢がまだ来ていなかった。
「商業ギルドに行っているんだったっけ。」
「うん。アメリーが迎えの馬車と待ち合わせで、シエラが付き添い。でも、朝食までに戻るって言ってたんだけどな。」
「心配だっぺ。」
「だすだす。」
商業ギルドまで様子を見に行こうかと話し合っていたら、食堂の扉が開いてアメリー嬢とシエラ嬢が入ってきた。
二人の表情がなんだか暗い。
「どうしたの?何かあった?」
足早に俺たちのいるテーブルに近づいてきた二人に声をかけた。
アメリー嬢が困った表情で言った。
「迎えの馬車が遅れているの。途中の橋が通行止めらしくって。」
「橋が?どこの?」
「はっきりとはわからないけど、東方面のツヴァル川にかかっている橋だと思うわ。そこを通って帰る予定だったから。」
待ち合わせていた迎えの馬車が中々来ないので、商業ギルドの窓口に何か伝言が届いていないかを訊ねたら
橋の情報を教えてくれたのだそうだ。
伝言自体は届いていないが、到着が遅れているのはその為だろうと言われたらしい。
「ツヴァル川の橋って通る所だっぺ?」
「だすだす。」
「ありゃぁ。前進あるのみとはいかないだっぺかぁ~。」
マルロイ君が軽くのけぞって頭を抱えた。シン君も戸惑っている様子だった。二人が乗る馬車のルートらしい。
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました
上野佐栁
ファンタジー
前世では、愛されることなく死を迎える主人公。実の父親、皇帝陛下を殺害未遂の濡れ衣を着せられ死んでしまう。死を迎え、これで人生が終わりかと思ったら公爵家に転生をしてしまった主人公。前世で愛を知らずに育ったために人を信頼する事が出来なくなってしまい。しばらくは距離を置くが、だんだんと愛を受け入れるお話。
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
断罪される1か月前に前世の記憶が蘇りました。
みちこ
ファンタジー
両親が亡くなり、家の存続と弟を立派に育てることを決意するけど、ストレスとプレッシャーが原因で高熱が出たことが切っ掛けで、自分が前世で好きだった小説の悪役令嬢に転生したと気が付くけど、小説とは色々と違うことに混乱する。
主人公は断罪から逃れることは出来るのか?
恋より友情!〜婚約者に話しかけるなと言われました〜
k
恋愛
「学園内では、俺に話しかけないで欲しい」
そう婚約者のグレイに言われたエミリア。
はじめは怒り悲しむが、だんだんどうでもよくなってしまったエミリア。
「恋より友情よね!」
そうエミリアが前を向き歩き出した頃、グレイは………。
本編完結です!その後のふたりの話を番外編として書き直してますのでしばらくお待ちください。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる