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第3章

第316話 また足止め?

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クレイリー君も早速練習を始めたようだ。

「あれ~?あれれ~?うんともすんとも。」

左手の袖口の辺りに右の掌をかざして、ブツブツと言っている。

「クレイリー君、インターバルに入っちゃってるよ。」
「え?でも、発動してないですよぅ?」
「中途半端に発動しちゃったみたいだね。もう少し待ってからもう一度やってみると良いよ。」
「ああ、沢山練習したいのにぃ。インターバルってぇ。」
「連発できちゃうと、魔力を使い過ぎたりするから、インターバルある位がちょうど良いよ。」

クレイリー君は、クリーン魔法を失敗してもやり直しができるようになるまでに時間がかかることを嘆いていた。

「魔力を込める」だとかインターバルに影響しない魔法の練習方法はあるのだけど、まだ魔法の発動自体が安定していない時に、色々できてしまうと、魔力不足になったりなどの問題があるので素直にインターバルを待ってもらう方が良いのだ。

「はぁ~。中々上手くいかない。でも、楽しいぃ~。」

少し待ってインターバルが開けて、クレイリー君はもう一度チャレンジしたのだが、2回目も不発だった。
しかし、なんだか嬉しそうにしていた。


朝食の時間になって、食堂に魔導科メンバーが集まってきた。
皆が席に着き食事が並べられ始めたのだが、アメリー嬢とシエラ嬢がまだ来ていなかった。

「商業ギルドに行っているんだったっけ。」
「うん。アメリーが迎えの馬車と待ち合わせで、シエラが付き添い。でも、朝食までに戻るって言ってたんだけどな。」
「心配だっぺ。」
「だすだす。」

商業ギルドまで様子を見に行こうかと話し合っていたら、食堂の扉が開いてアメリー嬢とシエラ嬢が入ってきた。
二人の表情がなんだか暗い。

「どうしたの?何かあった?」

足早に俺たちのいるテーブルに近づいてきた二人に声をかけた。
アメリー嬢が困った表情で言った。

「迎えの馬車が遅れているの。途中の橋が通行止めらしくって。」
「橋が?どこの?」
「はっきりとはわからないけど、東方面のツヴァル川にかかっている橋だと思うわ。そこを通って帰る予定だったから。」

待ち合わせていた迎えの馬車が中々来ないので、商業ギルドの窓口に何か伝言が届いていないかを訊ねたら
橋の情報を教えてくれたのだそうだ。
伝言自体は届いていないが、到着が遅れているのはその為だろうと言われたらしい。

「ツヴァル川の橋って通る所だっぺ?」
「だすだす。」
「ありゃぁ。前進あるのみとはいかないだっぺかぁ~。」

マルロイ君が軽くのけぞって頭を抱えた。シン君も戸惑っている様子だった。二人が乗る馬車のルートらしい。
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