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第3章
第306話 パイでの交渉
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そしてロアン君が意を決したように眉毛をキリッとさせて俺達に向かって言った。
「あのっ。それなら、ローレに。ローレにクリーン魔法を教えてあげてもらえませんか?お礼は‥‥働いて必ずします!」
「え?三人で覚えないの?」
「三人ともなんて‥‥費用が‥‥。それならローレに覚えてもらって、俺とデヴィンはローレから習えば‥‥。」
「時間があるなら三人一緒に覚えなよ。教える時間は変わらないからね。お礼は‥‥、そうだ、明日の朝、時間ある?芋焼きを手伝って欲しいんだけど。」
「芋?」
オレの言葉にロアン君が首を傾げたら、ユリウスが指をピッと一本立てた。
「イーモでござる!」
食堂の厨房が使えるかは交渉してみないとわからないのだが、食堂で断られても、他を探せば良いだけなので、ロアン君達にはもう手伝いを依頼してしまった。
宿に戻る前にロアン君達の洗濯をちょっと手伝うことにした。洗濯していた物は部屋の窓際等あちこちに吊るして干すというので、一つの部屋に細いロープを何本か張って干し、まとめて温風魔法をかけた。
即行で乾くという程ではないけど、魔法が解ける頃には、ほぼ乾いていると思う。尚、ローレ嬢は、下着はダメだとか言って隠していた。何も言っていないのに‥‥。
ユリウスが温かい風が拭いている所に手を伸ばして、掌で温度を確認していた。
「温風魔法でも乾くのが早いならあの依頼を達成できそうでござるな!」
「その場合、あの洗濯物を手で洗うことになるぞ。」
「‥‥それは、ちょっと嫌でござるな。」
ロアン君達には、明日の早朝に商業旅団組合の施設に来てもらう事にした。
商業旅団組合の施設に戻ってから食堂にパイを持って行って交渉した。食事の時にデザートでパイを出してもらえるかということと、厨房を貸して欲しいということを頼んでみた。
俺達と魔導科クラスの食事の後にパイを出してもらう事はすぐに了承してもらえた。
厨房を使わせてもらう件については、組合の事務局のキャセロルさんという人にも了承を得る必要があると言われた。
「パイを一切れ持って行けば大丈夫だと思うよ。旨いし。」
料理長は、受け取ったパイをササッと切って、キャセロルさんに持って行く分を更に乗せた。そしてもう一切れ小さく切ってそれを口に放り込んで二カッと笑った。
事務局の人の了承がとれて、厨房の人が立ち会えば、厨房を使わせてもらえるそうだ。俺達が厨房を使うのがまずいようなら、厨房の人に焼いてもらうように頼んだ方が良いのかと思ったけど許可が出ればどちらでもよいけど、焼いてもらうと、その分の人件費がかかるという。
それならロアン君達に手伝いも頼んでいるし、自分達で焼くことにした。
事務局のキャセロルさんに、パイを紅茶と一緒に持って行ったら、大げさな程喜ばれた。
「嬉しいィ~ん!こんなの初めてぇ~!」
ごつい胸板をしていて、声が野太いキャセロルさんがクネクネしていた。背も高くて迫力がある。俺にハグして来ようとしてジョセフィンに阻止されていた。
「厨房ォ?いいわよん。いくらでも使ってぇ。」
キャセロルさんはパイが乗った皿を顔の前に掲げてうっとりとした様子で眺めた。そして、あっさり許可証に判を押してくれた。
費用は薪代だけで良いという。掃除については特に言われなかったけどクリーン魔法はかけておこう。
「あのっ。それなら、ローレに。ローレにクリーン魔法を教えてあげてもらえませんか?お礼は‥‥働いて必ずします!」
「え?三人で覚えないの?」
「三人ともなんて‥‥費用が‥‥。それならローレに覚えてもらって、俺とデヴィンはローレから習えば‥‥。」
「時間があるなら三人一緒に覚えなよ。教える時間は変わらないからね。お礼は‥‥、そうだ、明日の朝、時間ある?芋焼きを手伝って欲しいんだけど。」
「芋?」
オレの言葉にロアン君が首を傾げたら、ユリウスが指をピッと一本立てた。
「イーモでござる!」
食堂の厨房が使えるかは交渉してみないとわからないのだが、食堂で断られても、他を探せば良いだけなので、ロアン君達にはもう手伝いを依頼してしまった。
宿に戻る前にロアン君達の洗濯をちょっと手伝うことにした。洗濯していた物は部屋の窓際等あちこちに吊るして干すというので、一つの部屋に細いロープを何本か張って干し、まとめて温風魔法をかけた。
即行で乾くという程ではないけど、魔法が解ける頃には、ほぼ乾いていると思う。尚、ローレ嬢は、下着はダメだとか言って隠していた。何も言っていないのに‥‥。
ユリウスが温かい風が拭いている所に手を伸ばして、掌で温度を確認していた。
「温風魔法でも乾くのが早いならあの依頼を達成できそうでござるな!」
「その場合、あの洗濯物を手で洗うことになるぞ。」
「‥‥それは、ちょっと嫌でござるな。」
ロアン君達には、明日の早朝に商業旅団組合の施設に来てもらう事にした。
商業旅団組合の施設に戻ってから食堂にパイを持って行って交渉した。食事の時にデザートでパイを出してもらえるかということと、厨房を貸して欲しいということを頼んでみた。
俺達と魔導科クラスの食事の後にパイを出してもらう事はすぐに了承してもらえた。
厨房を使わせてもらう件については、組合の事務局のキャセロルさんという人にも了承を得る必要があると言われた。
「パイを一切れ持って行けば大丈夫だと思うよ。旨いし。」
料理長は、受け取ったパイをササッと切って、キャセロルさんに持って行く分を更に乗せた。そしてもう一切れ小さく切ってそれを口に放り込んで二カッと笑った。
事務局の人の了承がとれて、厨房の人が立ち会えば、厨房を使わせてもらえるそうだ。俺達が厨房を使うのがまずいようなら、厨房の人に焼いてもらうように頼んだ方が良いのかと思ったけど許可が出ればどちらでもよいけど、焼いてもらうと、その分の人件費がかかるという。
それならロアン君達に手伝いも頼んでいるし、自分達で焼くことにした。
事務局のキャセロルさんに、パイを紅茶と一緒に持って行ったら、大げさな程喜ばれた。
「嬉しいィ~ん!こんなの初めてぇ~!」
ごつい胸板をしていて、声が野太いキャセロルさんがクネクネしていた。背も高くて迫力がある。俺にハグして来ようとしてジョセフィンに阻止されていた。
「厨房ォ?いいわよん。いくらでも使ってぇ。」
キャセロルさんはパイが乗った皿を顔の前に掲げてうっとりとした様子で眺めた。そして、あっさり許可証に判を押してくれた。
費用は薪代だけで良いという。掃除については特に言われなかったけどクリーン魔法はかけておこう。
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