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第3章
第244話 伝言をお届け
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商業ギルドの前までつくと、入り口の外まで人が溢れていた。
「うわ‥‥。人が一杯‥‥。」
ローレ嬢が臆した様子で歩く速度を落とした。
ロアン君は、グッと唇を引き結び、ローレ嬢の手を取った。
「でも行かないと。」
「うん‥‥。」
ローレ嬢、不安で泣きそうって顔している。いや、そんな怖い所じゃないよ?
よく見ると、ギルドの入り口の脇に大きなボードがかけてあり、張り紙がしてあった。
避難の情報などがそこに掲示されているようだ。そのボードを見るために人が集まっているらしい。
「あ。ドライフリュス商人組合って書いてある。」
ボードを見るために近付いて行ったロアン君が言った。見て見ると確かに、商人組合の名前が見えた。
「あ、商人組合の代表者ってロイメルさんなのか‥‥。」
ボードにはドライフリュス商人組合の代表者にはロイメルさんの名前が書いてあった。
それと馬車隊の中でも行き先別に状況が記載されていた。ネーダベルク行きは待機と書いてある。
連絡先は、ロイメルさんで、商業ギルドに経由で伝言を渡すようにと記載されていた。
「え、ピエールさんの名前が書いてない!どうしよう!」
「ロイメルさんに伝えれば、連絡してもらえるよ。」
「ピエールさんしか判らないんですが、大丈夫でしょうか。」
「大丈夫だよ。」
ポンとロアン君の背中を叩いた。
伝言となっていたけど、ロイメルさん、商業ギルドのホール内にまだ居るんじゃないかな。
ロイメルさんに話した方が早そうだけど、ピエールさん向けにはちゃんと伝言メッセージを書いた方が良いよな。
ホール内は人でごった返しているので、ホール内に入る前にメッセージを書いておくことにした。
「羊皮紙とか‥‥持ってないのですけど‥‥。」
ロアン君が気まずそうに言う。用紙はこちらで提供して、近くのベンチに腰を下ろしてメッセージを書いてもらう。
ロアン君がメッセージを書いている間、ローレ嬢は隣で一緒に文面を考えていて、デヴィン君は商業ギルドの中の様子を見に行っていた。
「なんだか、番号札みたいなのを配ってるんだけど。貰った方が良い?」
「メッセージを書き終わってからにしよう。もう少しで書き終わるよ。」
商業ギルドでは受付の順番整理に番号札を配っているようだ。
ロアン君はなんとかメッセージを書き上げたようだ。途中、デリックさんが色々アドバイスをしていた。
マーギットさんはユリウスと一緒に商業ギルド内の中に入って行って、しばらくして戻って来た。
「ロイメル殿はギルド内に居るようであったが、話し合いの最中のようである。」
商業ギルドのホールの奥にいくつか衝立があり、話し合いが行われている中にロイメルさんの姿があったそうだ。
迂回避難の話が進んでいるのだろうか。とりあえず護衛対象のピエールさんへのメッセージは書き終わったので、さらに、ロイメルさん宛に、そのメッセージを
ピエールさんに伝えて欲しいという内容のメッセージを付け加えた。
それをロアン君に持たせて一緒に商業ギルドに向かう。
商業ギルド内は混雑しているので、窓口まで向かうのはロアン君と俺とジョセフィンだけだ。
俺だけでも良いかと思ったんだけど、「何があるかわからないから。」とジョセフィンは同行する気満々だった。ジョセフィンは、なんとなく最近気を張りすぎているかもしれない。
ハプニング続きだからかな。俺があちこち首を突っ込んじゃっているからかもしれないけど。
ロアン君への同行自体をマーギットさんが行こうかという案もあったんだが、商業ギルドの会員の俺が行った方が有利な場合もあるので俺が同行する事にしたのだ。
「うわ‥‥。人が一杯‥‥。」
ローレ嬢が臆した様子で歩く速度を落とした。
ロアン君は、グッと唇を引き結び、ローレ嬢の手を取った。
「でも行かないと。」
「うん‥‥。」
ローレ嬢、不安で泣きそうって顔している。いや、そんな怖い所じゃないよ?
よく見ると、ギルドの入り口の脇に大きなボードがかけてあり、張り紙がしてあった。
避難の情報などがそこに掲示されているようだ。そのボードを見るために人が集まっているらしい。
「あ。ドライフリュス商人組合って書いてある。」
ボードを見るために近付いて行ったロアン君が言った。見て見ると確かに、商人組合の名前が見えた。
「あ、商人組合の代表者ってロイメルさんなのか‥‥。」
ボードにはドライフリュス商人組合の代表者にはロイメルさんの名前が書いてあった。
それと馬車隊の中でも行き先別に状況が記載されていた。ネーダベルク行きは待機と書いてある。
連絡先は、ロイメルさんで、商業ギルドに経由で伝言を渡すようにと記載されていた。
「え、ピエールさんの名前が書いてない!どうしよう!」
「ロイメルさんに伝えれば、連絡してもらえるよ。」
「ピエールさんしか判らないんですが、大丈夫でしょうか。」
「大丈夫だよ。」
ポンとロアン君の背中を叩いた。
伝言となっていたけど、ロイメルさん、商業ギルドのホール内にまだ居るんじゃないかな。
ロイメルさんに話した方が早そうだけど、ピエールさん向けにはちゃんと伝言メッセージを書いた方が良いよな。
ホール内は人でごった返しているので、ホール内に入る前にメッセージを書いておくことにした。
「羊皮紙とか‥‥持ってないのですけど‥‥。」
ロアン君が気まずそうに言う。用紙はこちらで提供して、近くのベンチに腰を下ろしてメッセージを書いてもらう。
ロアン君がメッセージを書いている間、ローレ嬢は隣で一緒に文面を考えていて、デヴィン君は商業ギルドの中の様子を見に行っていた。
「なんだか、番号札みたいなのを配ってるんだけど。貰った方が良い?」
「メッセージを書き終わってからにしよう。もう少しで書き終わるよ。」
商業ギルドでは受付の順番整理に番号札を配っているようだ。
ロアン君はなんとかメッセージを書き上げたようだ。途中、デリックさんが色々アドバイスをしていた。
マーギットさんはユリウスと一緒に商業ギルド内の中に入って行って、しばらくして戻って来た。
「ロイメル殿はギルド内に居るようであったが、話し合いの最中のようである。」
商業ギルドのホールの奥にいくつか衝立があり、話し合いが行われている中にロイメルさんの姿があったそうだ。
迂回避難の話が進んでいるのだろうか。とりあえず護衛対象のピエールさんへのメッセージは書き終わったので、さらに、ロイメルさん宛に、そのメッセージを
ピエールさんに伝えて欲しいという内容のメッセージを付け加えた。
それをロアン君に持たせて一緒に商業ギルドに向かう。
商業ギルド内は混雑しているので、窓口まで向かうのはロアン君と俺とジョセフィンだけだ。
俺だけでも良いかと思ったんだけど、「何があるかわからないから。」とジョセフィンは同行する気満々だった。ジョセフィンは、なんとなく最近気を張りすぎているかもしれない。
ハプニング続きだからかな。俺があちこち首を突っ込んじゃっているからかもしれないけど。
ロアン君への同行自体をマーギットさんが行こうかという案もあったんだが、商業ギルドの会員の俺が行った方が有利な場合もあるので俺が同行する事にしたのだ。
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