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第3章
第203話 困っただっぺ
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「面白い魔法を使う子っすよね。」
シャインさんがニコニコして言った。
「まさか、雪の壁を崩さずに動かすとは思わなかったよ。」
コンラートさんもちょっと楽しそうに笑ってる。
「あ、どうも‥‥。」
褒められているのかな?彼らの仕事に文句を言った形になってたので、ちょっと気まずいんだけど。
「あー、ちょっと話しをしてみたいところだけど、今は時間なかったわ。また今度ね。」
「あーっす。」
話しをしたそうにしているシャインさんをコンラートさんが引っぱっていく、こちらに手を振ってから宿を出て行った。
「除雪魔導士の宿って、商業旅団が用意していたりしないのかな。」
彼らが出て行った後にトマソンが言った。
「宿を探していたっぽいよな。」
「見つかるとよいでござるなぁ。」
彼らの宿確保を祈りつつ、ユリウスが宿の名前が書かれたカードに無事日付を記入できたようなので街歩きに出た。
風は冷たく、足下は雪というよりは氷のようだった。
「寒っ。」
溜まらず温風魔法を展開する。
「おお!」
「うぉ!温かいでござる!」
急に温風に包まれて、驚かせてしまったようだ。マーギットさんとユリウスが驚いた声をあげた。
「ほう‥‥。」
デリックさんは俺から離れてみたり近付いたりして、温風魔法の有効範囲を測っていた。トマソンは眉間に皺を寄せたままマフラーを結び直していた。
「面白いであるな。離れると寒いがくっつくほどではないのであるな。」
マーギットさんも手を伸ばして、離れた場所との気温の差を比べて見ていた。
「今いるくらいの位置までで指定していますよ。ぴったりくっつかなくても大丈夫です。」
温風魔法の環境に慣れて来たみたいなので、通りを歩いてみる。日暮れ近くになってきて、開いている店も店仕舞の準備を始めている雰囲気だ、
「気になった店があったら、入らないとすぐ閉店しそうだよ。」
「わわっ!」
間もなく閉店すると言ったら、少し焦ったのかユリウスがキョロキョロし始めた。
とは言っても、慌てて買うものもそうないのだが。
馬車の中で小腹が減った時用のドライフルーツだとかを少し買い込んでみたり、薬草茶を温めた物が売られていたので飲んでみたりした。
薬草茶屋の軒先に置いてあるの樽をテーブル代わりにして皆で囲み、薬草茶を立ち飲み。
薬草茶はいかにも身体に良さそうな味?うっすら苦みと甘みがある。温かさで旨く感じる。
「まったりするでござるなぁ。」
冷たい風を温風魔法で遮断しながらホカホカの茶を飲みながら雪景色の街並みを眺めていたらユリウスがしみじみと言った。
通りを歩いている人達を見ると、凄く寒そうに背中を丸め気味に歩いている。
確かにそうかも、と思いながらと降りの向かい側に目をやったら、魔導士姿のグループがいるのが目に留まった。見覚えがある人達だ。
「あれ、魔導科クラスの人達だよね。」
寒いからかフードをしっかり頭に被り顔がよく見えないが、間違いないだろう。
「おお、本当でござる!」
話している内容は聞き取れないが、
背が高いローブの人物が腕を振り上げている様子を見ると言い争っている様にもみえる。
「おーい!」
ユリウスが手を振って声をかけた。ローブ姿の人物の何人かがこちらを振り向いた。
そのうちの一人はマルロイ君だ。と思ったら,通りを渡ってこちらに向かって来た。途中、雪で滑りそうになっている。馬車が通っていないタイミングでよかった。
「ユリウス氏~!困っただっぺ~!」
マルロイ君がなんだかシオシオの泣きそうな顔をしてやってきた。後ろからシン君も近付いて来た。
「どうしたでござるか?宿が取れなかったでござるか?」
「宿は取ったっぺ!取ったんだっぺよぉ~、僕は~。」
「女子が取れなかったから譲れっていわれているだす。」
シン君が、げんなりした様子で補足した。
シャインさんがニコニコして言った。
「まさか、雪の壁を崩さずに動かすとは思わなかったよ。」
コンラートさんもちょっと楽しそうに笑ってる。
「あ、どうも‥‥。」
褒められているのかな?彼らの仕事に文句を言った形になってたので、ちょっと気まずいんだけど。
「あー、ちょっと話しをしてみたいところだけど、今は時間なかったわ。また今度ね。」
「あーっす。」
話しをしたそうにしているシャインさんをコンラートさんが引っぱっていく、こちらに手を振ってから宿を出て行った。
「除雪魔導士の宿って、商業旅団が用意していたりしないのかな。」
彼らが出て行った後にトマソンが言った。
「宿を探していたっぽいよな。」
「見つかるとよいでござるなぁ。」
彼らの宿確保を祈りつつ、ユリウスが宿の名前が書かれたカードに無事日付を記入できたようなので街歩きに出た。
風は冷たく、足下は雪というよりは氷のようだった。
「寒っ。」
溜まらず温風魔法を展開する。
「おお!」
「うぉ!温かいでござる!」
急に温風に包まれて、驚かせてしまったようだ。マーギットさんとユリウスが驚いた声をあげた。
「ほう‥‥。」
デリックさんは俺から離れてみたり近付いたりして、温風魔法の有効範囲を測っていた。トマソンは眉間に皺を寄せたままマフラーを結び直していた。
「面白いであるな。離れると寒いがくっつくほどではないのであるな。」
マーギットさんも手を伸ばして、離れた場所との気温の差を比べて見ていた。
「今いるくらいの位置までで指定していますよ。ぴったりくっつかなくても大丈夫です。」
温風魔法の環境に慣れて来たみたいなので、通りを歩いてみる。日暮れ近くになってきて、開いている店も店仕舞の準備を始めている雰囲気だ、
「気になった店があったら、入らないとすぐ閉店しそうだよ。」
「わわっ!」
間もなく閉店すると言ったら、少し焦ったのかユリウスがキョロキョロし始めた。
とは言っても、慌てて買うものもそうないのだが。
馬車の中で小腹が減った時用のドライフルーツだとかを少し買い込んでみたり、薬草茶を温めた物が売られていたので飲んでみたりした。
薬草茶屋の軒先に置いてあるの樽をテーブル代わりにして皆で囲み、薬草茶を立ち飲み。
薬草茶はいかにも身体に良さそうな味?うっすら苦みと甘みがある。温かさで旨く感じる。
「まったりするでござるなぁ。」
冷たい風を温風魔法で遮断しながらホカホカの茶を飲みながら雪景色の街並みを眺めていたらユリウスがしみじみと言った。
通りを歩いている人達を見ると、凄く寒そうに背中を丸め気味に歩いている。
確かにそうかも、と思いながらと降りの向かい側に目をやったら、魔導士姿のグループがいるのが目に留まった。見覚えがある人達だ。
「あれ、魔導科クラスの人達だよね。」
寒いからかフードをしっかり頭に被り顔がよく見えないが、間違いないだろう。
「おお、本当でござる!」
話している内容は聞き取れないが、
背が高いローブの人物が腕を振り上げている様子を見ると言い争っている様にもみえる。
「おーい!」
ユリウスが手を振って声をかけた。ローブ姿の人物の何人かがこちらを振り向いた。
そのうちの一人はマルロイ君だ。と思ったら,通りを渡ってこちらに向かって来た。途中、雪で滑りそうになっている。馬車が通っていないタイミングでよかった。
「ユリウス氏~!困っただっぺ~!」
マルロイ君がなんだかシオシオの泣きそうな顔をしてやってきた。後ろからシン君も近付いて来た。
「どうしたでござるか?宿が取れなかったでござるか?」
「宿は取ったっぺ!取ったんだっぺよぉ~、僕は~。」
「女子が取れなかったから譲れっていわれているだす。」
シン君が、げんなりした様子で補足した。
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