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第3章
第170話 社交の場と宿題
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馬車の便乗計画が、だんだんバカンス計画みたいになっていく。それはそれで楽しい。
試験が終わった後なので教室の雰囲気はかなりゆったりしていた。
既に授業は自習だ。急いで帰省する人はすぐ休みに入るし、補講を受ける人以外は帰省の馬車の日程に合わせて通学している人だったりで、日を追う毎に教室の人数が少なくなって来ていた。
イリーとカサンドラは、補講はないけど淑女科で一緒に帰省をする人に日程を合わせているらしい。
「淑女科にも試験の慰労会とかあるの?」
「お茶会があるみたいよ。」
試験の日程は各学科で大差ないのに、淑女科のスケジュールに合わせて帰省するというから聞いてみたらそんな返事が返って来た。
「お茶会の為に帰省を遅らせるの?雪がどんどん深くなって行くこの時期に?」
試験が終わって、仲間内で羽を伸ばしてということは理解できるんだけど、それだけで何日も帰省を遅らせるというと良くわからない。
「うーん。結局は特進科の慰労会の日程と絡んでいるんだと思う。兄妹で特進科と淑女科っていう家も結構あるでしょ。
帰省は一緒にってなると、特進科の慰労会までは王都に残るからその間にお茶会を開催するみたいなのよね。」
嫡男は特進科に通っていて子女は淑女科に通うというケースは確かに多そうだ。
特進科の慰労会の日程までは、帰省が延期されるからその間に淑女科では、お茶会を開催する。参加者の中にはお茶会参加だけの為に帰省の日程を遅らせる人もいるということか。
「社交の場だからね。」
「イリーとカサンドラもお茶会に出るの?」
「出ないわ。お茶会と言っても、1年から3年までの淑女科の生徒が参加する規模が大きい会なのよ。部外者が入ると浮いちゃうから。」
「ああ、ほぼ公式の規模だね。」
特進科だけ「慰労会」というものを開催する事についての対抗心もあるのではないかとイリーは小声で話していた。
まあ、確かに特進科だけ特別待遇な面はあるよね。対抗心で規模が大きいお茶会が開催されるようになって、規模が大きいので参加しないと話題から取り残されるというような空気になっていくのかもしれないな。
「うーん。ちょっと面倒くさそうだね。結果的にイリー達の帰省のタイミングまで遅くなるわけだし。」
「大勢で帰った方が楽しいから待つのはよいのよ。それにその間に宿題片付けるし。」
「宿題かぁ。確かに学園の図書室使えるうちに片付けちゃうのはありだね。」
ガタッ!っと音を立ててヘンリーが立ち上がった。
「宿題!ねえ!レポート一緒にやらない?」
俺達の話が聞こえていたらしい。
更にガタッとユリウスも立ち上がる。
「しゅ、宿題って皆でやるでござるか~?」
冬季休暇は長いので、当然、宿題が色々出されている。各実家の地域に関するレポートなど地元でやった方が良いもののあるけど、図書室で資料を身ながらの方が進めやすいものも多いのだ。
俺の実家の図書室も蔵書は多い方だと思うので実家でやれば良いと思っていたけど、帰省まで時間に余裕があるから片付けられるものは片付けてしまってもよいかと思った。
ヘンリーは、一人で調査をするより皆でやりたい派のようだ。ユリウスは宿題をこなす事自体に不安があるみたいだ。
「ヘンリーとユリウスは補講があるだろ。」
「宿題も不安でござるよ。」
「補講以外の時間でできればいいんだね。皆でやろうよぅ~。」
ヘンリーとユリウスが詰め寄って来た。
試験が終わった後なので教室の雰囲気はかなりゆったりしていた。
既に授業は自習だ。急いで帰省する人はすぐ休みに入るし、補講を受ける人以外は帰省の馬車の日程に合わせて通学している人だったりで、日を追う毎に教室の人数が少なくなって来ていた。
イリーとカサンドラは、補講はないけど淑女科で一緒に帰省をする人に日程を合わせているらしい。
「淑女科にも試験の慰労会とかあるの?」
「お茶会があるみたいよ。」
試験の日程は各学科で大差ないのに、淑女科のスケジュールに合わせて帰省するというから聞いてみたらそんな返事が返って来た。
「お茶会の為に帰省を遅らせるの?雪がどんどん深くなって行くこの時期に?」
試験が終わって、仲間内で羽を伸ばしてということは理解できるんだけど、それだけで何日も帰省を遅らせるというと良くわからない。
「うーん。結局は特進科の慰労会の日程と絡んでいるんだと思う。兄妹で特進科と淑女科っていう家も結構あるでしょ。
帰省は一緒にってなると、特進科の慰労会までは王都に残るからその間にお茶会を開催するみたいなのよね。」
嫡男は特進科に通っていて子女は淑女科に通うというケースは確かに多そうだ。
特進科の慰労会の日程までは、帰省が延期されるからその間に淑女科では、お茶会を開催する。参加者の中にはお茶会参加だけの為に帰省の日程を遅らせる人もいるということか。
「社交の場だからね。」
「イリーとカサンドラもお茶会に出るの?」
「出ないわ。お茶会と言っても、1年から3年までの淑女科の生徒が参加する規模が大きい会なのよ。部外者が入ると浮いちゃうから。」
「ああ、ほぼ公式の規模だね。」
特進科だけ「慰労会」というものを開催する事についての対抗心もあるのではないかとイリーは小声で話していた。
まあ、確かに特進科だけ特別待遇な面はあるよね。対抗心で規模が大きいお茶会が開催されるようになって、規模が大きいので参加しないと話題から取り残されるというような空気になっていくのかもしれないな。
「うーん。ちょっと面倒くさそうだね。結果的にイリー達の帰省のタイミングまで遅くなるわけだし。」
「大勢で帰った方が楽しいから待つのはよいのよ。それにその間に宿題片付けるし。」
「宿題かぁ。確かに学園の図書室使えるうちに片付けちゃうのはありだね。」
ガタッ!っと音を立ててヘンリーが立ち上がった。
「宿題!ねえ!レポート一緒にやらない?」
俺達の話が聞こえていたらしい。
更にガタッとユリウスも立ち上がる。
「しゅ、宿題って皆でやるでござるか~?」
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俺の実家の図書室も蔵書は多い方だと思うので実家でやれば良いと思っていたけど、帰省まで時間に余裕があるから片付けられるものは片付けてしまってもよいかと思った。
ヘンリーは、一人で調査をするより皆でやりたい派のようだ。ユリウスは宿題をこなす事自体に不安があるみたいだ。
「ヘンリーとユリウスは補講があるだろ。」
「宿題も不安でござるよ。」
「補講以外の時間でできればいいんだね。皆でやろうよぅ~。」
ヘンリーとユリウスが詰め寄って来た。
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