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第3章

第149話 婚約の行方は

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今ここで、ロセウス子爵の頭髪事情を聞くわけにはいかないので、後で調べさせることにした。

ラウム伯爵の頭髪は?なんて考えていたら、イリーが話しかけて来た。

「ねえ、聞いてよ!クラーラったら、まだあのボンクラ公爵令息とは婚約を続けるっていうのよ。」
「‥‥それは‥‥。エルマーさんはクラーラさんのことを庇ってたし、二人がそれで良いならいいんじゃないのか?」

イリーがちょっと感情的な感じなので、冷静になるように少しゆっくり目に話をしてみる。

「でもねー、そもそもあのへんてこ令嬢とペアルックとかあり得ないわよ。」
「ペアルックじゃないだろ、確か図書委員5人で着てたし。」
「それ自体が作戦じゃない!あの趣味悪いジャケットも意味分かんないけど、5人で歩いているならともかく、二人以外はわざと離れて座ってたわよね!
嫉妬させようとしてたってことでしょ。サイアク~。」
「エルマーさんが考えたんじゃなさそうな気がするけど。」
「気がつかない無神経さがサイアクなのよ!もう!何なの?マーカスはあのボンクラを庇うの?」

イリーの怒りが俺の方に向いて来た?

「い、いや庇ってるわけじゃないよ。ただ、婚約は家同士のことでもあるだろ。無闇に批判をして引っ掻き回しても、と思ってさ。」
「大人の事情は大人が考えれば良いのよ!」
「うーん、気持ちはわかるけどさ。貴族の子息子女としては少しは考えないとまずいだろ?」
「何よ!もう!オトナ的なやつ!」

イリーが頬を膨らませた。俺は別に大人な考えって訳でもないと思うんだけどなぁ。
ただ、自分より感情的な人物を前にするとちょっと冷静になっちゃうって感じだと思う。

「俺だってクラーラさんの事は友達だと思っているからね。クラーラさんがもうエルマーさんと別れたいっていうなら協力をするよ。
もし、家同士の事情だけ気にしていて婚約を解消できないってクラーラさんが思っているならなんとかしてあげたいけど、エルマーさんの事を想っているんだったら、ちょっと落ち着いて考えさせてあげたいと思うんだよ。」
「むぅ~。」

イリーは腕組みをしてまだ不満気な様子だ。
そこにカサンドラが来た。

「イリー、私達がクラーラに寄り添ってあげれば良いんだと思うよ。」
「カサンドラ‥‥、まあ、そうね‥‥。」

チロリと不満そうな目を俺に向けながらイリーが席に戻って行った。俺だってダメ男を庇う気はないんだけどね。
エルマーさんはかなりダメダメではあるけど、クラーラさんの事は想っているみたいだったから、様子を見ているだけだ。
もし、改善の余地なしってなったら、何か裏で手を回す事も考えるけどそこまでではないだろうと想う。

ジョセフィン辺りは、俺がGOサインだしたらやる手段を既に考えていそうな気がするけどさ。何かちょっとした事故とかね、でもそれはあまりやりたくないよね。
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