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第3章
第143話 祭りのあと
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エルマーさんとクラーラさんの婚約が解消されたとしたらベーレンドルフ家に利がある訳だから,彼らを唆した可能性が高い。
でもちょっと計画が杜撰すぎだよななぁ。
ベーレンドルフが裏で糸を引いていても、計画からはロセウス子爵令嬢やラウム伯爵令息らで考えたのかもしれない。ベーレンドルフの性格を知っているわけでは全然ないけど、何となくそんな気がする。
そうなるとベーレンドルフが関わっている証拠とかは出て来ないかもな。
せっかくの晩秋の夕べのイベントが最後になってめちゃくちゃになってしまった訳だが、後から聞いた話だと吟遊詩人やプロの演奏家達は面白い小芝居が見れたと喜んでいたそうだ。
歌にできないかな、なんて言っていたらしい。あんな出来事を国中で歌われちゃったらヤバいよね!
イベント最後に繰り広げられた小芝居を見物していた生徒達が、うわさ話を持ち帰りながら解散して行った。
トリー殿下は会場を出る直前にチラリと俺の方を見て、口元に少し笑みを浮かべた。
エドワードは小さく手を振っていた。
ロセウス子爵令嬢の元婚約者のデリックさんがもの凄く複雑そうな顔をして、いつもより更に眉間に皺を寄せていた。トマソンも難しそうな顔をしている。
ユリウスは、最後の騒動には関心がなかったのか「鮮血の~」とか言ってちょっとトリップ状態だ。
マーギットさんは「ふむ。我の封印せし左眼の出番はなかったであるか。」と呟いていた。
出番があったら何が出てくるのか、ちょっと気になる‥‥。
エルマーさんとクラーラさんは事情聴取の為に騎士達の呼ばれて行った。イリーとカサンドラはイラーラさんの付き添いとして同行していった。イベントで騒ぎを起こしたってクラーラさんが責められたりしないといいな。エルマーさんは‥‥ある程度責任あると思うけど。
アレクシス、ヘンリー、フェリクスは「愛だなぁ」と良くわからない感想を述べていた。
晩秋の夕べのイベントが終わり会場も後片付けがすっかり終わった頃、俺はカフェテリアでちょっと脱力しながらお茶を飲んでいた。
結果的に座っていただけだが、気を回して疲れた。
一応、エルマーさんとクラーラさんの婚約解消なんて自体にはならずに済んだけどクラーラさんを晒しものにしちゃったよなぁ。
「うーん、結果微妙かも‥‥。」
「でもシュバルツ公爵令息が少しマシになったじゃないですか。」
「まあねぇ。」
チラリと目の端にヴィルヘルムさんがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。目が合ったらヴィルヘルムさんが片手を上げてきた。
近くまで来たので挨拶をしてから、消音魔法を発生させる。立ち上がって挨拶をした。
「お疲れさまです。」
「お疲れだよ。本当に!」
はぁ~とヴィルヘルムさんが溜め息をついた。
どかっと椅子に腰を下ろす。身体が大きいから椅子がきしんでいる気がする。
「お前の言った通り当日警備を緩めたら動きやがったよ。特進科の女子寮に潜り込もうとしやがった。」
「実際に女子寮に潜り込みはしなかったんですか。」
王宮から派遣された騎士達が何日も前から学園中を厳重に警備していた。盗んだ猫の目魔石を移動させるなり何かしようとすると思ったからだ。
ただ、厳重に警備しているだけじゃ、証拠も挙げられないから、「晩秋の夕べ」当日一刻前くらいから警備を会場中心にして、わざと他の警備をがら空きにしてみせておおくようにしたんだ。
実際は、何か仕掛けそうな場所、女子寮だとか、教室だとかは密かに張り込んでいた。
そうしたら、想定通り開演の少し前に動きがあった。
でもちょっと計画が杜撰すぎだよななぁ。
ベーレンドルフが裏で糸を引いていても、計画からはロセウス子爵令嬢やラウム伯爵令息らで考えたのかもしれない。ベーレンドルフの性格を知っているわけでは全然ないけど、何となくそんな気がする。
そうなるとベーレンドルフが関わっている証拠とかは出て来ないかもな。
せっかくの晩秋の夕べのイベントが最後になってめちゃくちゃになってしまった訳だが、後から聞いた話だと吟遊詩人やプロの演奏家達は面白い小芝居が見れたと喜んでいたそうだ。
歌にできないかな、なんて言っていたらしい。あんな出来事を国中で歌われちゃったらヤバいよね!
イベント最後に繰り広げられた小芝居を見物していた生徒達が、うわさ話を持ち帰りながら解散して行った。
トリー殿下は会場を出る直前にチラリと俺の方を見て、口元に少し笑みを浮かべた。
エドワードは小さく手を振っていた。
ロセウス子爵令嬢の元婚約者のデリックさんがもの凄く複雑そうな顔をして、いつもより更に眉間に皺を寄せていた。トマソンも難しそうな顔をしている。
ユリウスは、最後の騒動には関心がなかったのか「鮮血の~」とか言ってちょっとトリップ状態だ。
マーギットさんは「ふむ。我の封印せし左眼の出番はなかったであるか。」と呟いていた。
出番があったら何が出てくるのか、ちょっと気になる‥‥。
エルマーさんとクラーラさんは事情聴取の為に騎士達の呼ばれて行った。イリーとカサンドラはイラーラさんの付き添いとして同行していった。イベントで騒ぎを起こしたってクラーラさんが責められたりしないといいな。エルマーさんは‥‥ある程度責任あると思うけど。
アレクシス、ヘンリー、フェリクスは「愛だなぁ」と良くわからない感想を述べていた。
晩秋の夕べのイベントが終わり会場も後片付けがすっかり終わった頃、俺はカフェテリアでちょっと脱力しながらお茶を飲んでいた。
結果的に座っていただけだが、気を回して疲れた。
一応、エルマーさんとクラーラさんの婚約解消なんて自体にはならずに済んだけどクラーラさんを晒しものにしちゃったよなぁ。
「うーん、結果微妙かも‥‥。」
「でもシュバルツ公爵令息が少しマシになったじゃないですか。」
「まあねぇ。」
チラリと目の端にヴィルヘルムさんがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。目が合ったらヴィルヘルムさんが片手を上げてきた。
近くまで来たので挨拶をしてから、消音魔法を発生させる。立ち上がって挨拶をした。
「お疲れさまです。」
「お疲れだよ。本当に!」
はぁ~とヴィルヘルムさんが溜め息をついた。
どかっと椅子に腰を下ろす。身体が大きいから椅子がきしんでいる気がする。
「お前の言った通り当日警備を緩めたら動きやがったよ。特進科の女子寮に潜り込もうとしやがった。」
「実際に女子寮に潜り込みはしなかったんですか。」
王宮から派遣された騎士達が何日も前から学園中を厳重に警備していた。盗んだ猫の目魔石を移動させるなり何かしようとすると思ったからだ。
ただ、厳重に警備しているだけじゃ、証拠も挙げられないから、「晩秋の夕べ」当日一刻前くらいから警備を会場中心にして、わざと他の警備をがら空きにしてみせておおくようにしたんだ。
実際は、何か仕掛けそうな場所、女子寮だとか、教室だとかは密かに張り込んでいた。
そうしたら、想定通り開演の少し前に動きがあった。
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