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第3章
第96話 進む買い物ツアー計画
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情報を集めてくれるというので、ローズピンク令嬢の名前と特徴を行ったら、三人が微妙な顔をした。
「‥‥ロセウス子爵令嬢って‥‥、俺がフリードリヒに情報を頼もうとした対象だぞ。」
「え!‥‥ああ‥‥。」
クラーラさん達が揉めていた光景を思い出して思わず納得していると、ヴィルヘルムさんが俺に詰め寄ってきた。ヴィルヘルムさんが俺の肩を掴もうと手を伸ばして来たが、ジョセフィンがそれを腕を広げて防御した。
「クラーラさんとシュバルツ公爵令息とロセウス子爵令嬢が渡り廊下で揉めていました。僕達が見たのはそれだけです。」
ジョセフィンが落ち着いた声で言う。
「その令嬢がローズピンクの髪?」
オスカー先輩が意味ありげにフリードリヒ先輩を見た。
フリードリヒ先輩は、眉をぴくんと動かした。
「先週、飛んで来た剣に悲鳴を上げた令嬢も、ローズピンク色の髪をしていた。」
「ええ?」
同一人物か判らないけどね。と付け足すフリードリヒ先輩。
ヴィルヘルムさんは、エルマーさんがロセウス子爵令嬢と距離が近い事をクラーラさんが悩んでいると最近知ったらしい。それでフリードリヒ先輩に情報集めの協力を依頼しに来たのだそうだ。
俺達からの情報と令嬢悲鳴事件の情報を聞いて、ヴィルヘルムさんは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「クラーラから聞いて、状況を知らなければと思ったが‥‥。その令嬢が少々常識ハズレな行動をしていたと知っても、何かできるわけでもないのだな‥‥。」
「まだ、何も調べてないじゃないですか。悲鳴令嬢本人かも確認していないし。」
オスカー先輩はそう言って水筒を飲み、手の甲で口を拭った。
「そうだな‥‥。」
ヴィルヘルムさんが少し考えて頷くと、フリードリヒ先輩がヴィルヘルムさんに向き直って言った。
「学園内での情報は集めてみます。」
「‥‥ああ、頼む。」
ヴィルヘルムさんが深々と頭を下げた。
***********
早朝の冷え込みに比べると、始業開始の鐘が鳴る頃には日差しが少し暖かみを帯びてくる。
教室に行くと、日の光が集まる辺りに皆が集まっていた。
「あ、おはよう。マーカス、ジョス。」
ヘンリーが、教室に入って来た俺達に気がついて手を振った。
「今、週末の買い物の話をしてたんだよ。」
「え。」
いよいよ、楽しみにしていたフローラと買い物に行く日が迫っている。しかし俺が言い出した事なのに俺のいないうちに計画がどんどん進んで行っている気がするなぁ。
「帰りの荷物を考えると馬車何台かで行った方がいいと思うんだけど、どうかな。」
アレクシスが馬車貸し出し申請書を手にして言った。そんなに大量に買うの?分乗したら、もしかしてフローラと同じ馬車に乗れなくなっちゃう可能性もある?
「そうよね。帰りに馬車で一人一人送り届けていたら大変そうよね。」
イリーが納得した様子。ちょっと待って。思いつきだけで進めるられちゃうとどうなるかわからないぞ。
「いや、俺とジョスは違うけど皆ほとんど寮住まいだよね。淑女科の人達はわからないけど、荷物は多すぎたら配達を頼めばいいし、あちこち送り届ける前提で考えなくてもいいんじゃないかな。」
「あー、配達って手があったわね。」
前回は俺とジョスは参加できなかったが‥‥、フローラを含む淑女科の女子達と一緒に行った時、帰りは荷物が多くなってしまったそうだ。馬車の中が手狭になったり、
二名程王都の屋敷住まいの女生徒がいて送り届けるのに時間がかかったのだという。
「少なくとも行きは全員同じ馬車に乗った方が楽しいんじゃない? 王都住まいの人がいたら、場所と時間を決めておいて、迎えに来てもらうとかさ。」
「なるほど、いいかも。でも1台で全員乗れるかしら。」
「人数次第ではあるけど、大きめの馬車にすればいいんじゃない。」
「そうね。まずは人数確認ね。」
イリーが納得してくれた。よし、全員同じ馬車計画で行けそうだ。
イリーが中心になってフローラ達淑女科の女子達と買い物計画の話をしてくれている。だからイリーが納得してくれていた方が話が進みやすいんだよな。
「‥‥ロセウス子爵令嬢って‥‥、俺がフリードリヒに情報を頼もうとした対象だぞ。」
「え!‥‥ああ‥‥。」
クラーラさん達が揉めていた光景を思い出して思わず納得していると、ヴィルヘルムさんが俺に詰め寄ってきた。ヴィルヘルムさんが俺の肩を掴もうと手を伸ばして来たが、ジョセフィンがそれを腕を広げて防御した。
「クラーラさんとシュバルツ公爵令息とロセウス子爵令嬢が渡り廊下で揉めていました。僕達が見たのはそれだけです。」
ジョセフィンが落ち着いた声で言う。
「その令嬢がローズピンクの髪?」
オスカー先輩が意味ありげにフリードリヒ先輩を見た。
フリードリヒ先輩は、眉をぴくんと動かした。
「先週、飛んで来た剣に悲鳴を上げた令嬢も、ローズピンク色の髪をしていた。」
「ええ?」
同一人物か判らないけどね。と付け足すフリードリヒ先輩。
ヴィルヘルムさんは、エルマーさんがロセウス子爵令嬢と距離が近い事をクラーラさんが悩んでいると最近知ったらしい。それでフリードリヒ先輩に情報集めの協力を依頼しに来たのだそうだ。
俺達からの情報と令嬢悲鳴事件の情報を聞いて、ヴィルヘルムさんは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「クラーラから聞いて、状況を知らなければと思ったが‥‥。その令嬢が少々常識ハズレな行動をしていたと知っても、何かできるわけでもないのだな‥‥。」
「まだ、何も調べてないじゃないですか。悲鳴令嬢本人かも確認していないし。」
オスカー先輩はそう言って水筒を飲み、手の甲で口を拭った。
「そうだな‥‥。」
ヴィルヘルムさんが少し考えて頷くと、フリードリヒ先輩がヴィルヘルムさんに向き直って言った。
「学園内での情報は集めてみます。」
「‥‥ああ、頼む。」
ヴィルヘルムさんが深々と頭を下げた。
***********
早朝の冷え込みに比べると、始業開始の鐘が鳴る頃には日差しが少し暖かみを帯びてくる。
教室に行くと、日の光が集まる辺りに皆が集まっていた。
「あ、おはよう。マーカス、ジョス。」
ヘンリーが、教室に入って来た俺達に気がついて手を振った。
「今、週末の買い物の話をしてたんだよ。」
「え。」
いよいよ、楽しみにしていたフローラと買い物に行く日が迫っている。しかし俺が言い出した事なのに俺のいないうちに計画がどんどん進んで行っている気がするなぁ。
「帰りの荷物を考えると馬車何台かで行った方がいいと思うんだけど、どうかな。」
アレクシスが馬車貸し出し申請書を手にして言った。そんなに大量に買うの?分乗したら、もしかしてフローラと同じ馬車に乗れなくなっちゃう可能性もある?
「そうよね。帰りに馬車で一人一人送り届けていたら大変そうよね。」
イリーが納得した様子。ちょっと待って。思いつきだけで進めるられちゃうとどうなるかわからないぞ。
「いや、俺とジョスは違うけど皆ほとんど寮住まいだよね。淑女科の人達はわからないけど、荷物は多すぎたら配達を頼めばいいし、あちこち送り届ける前提で考えなくてもいいんじゃないかな。」
「あー、配達って手があったわね。」
前回は俺とジョスは参加できなかったが‥‥、フローラを含む淑女科の女子達と一緒に行った時、帰りは荷物が多くなってしまったそうだ。馬車の中が手狭になったり、
二名程王都の屋敷住まいの女生徒がいて送り届けるのに時間がかかったのだという。
「少なくとも行きは全員同じ馬車に乗った方が楽しいんじゃない? 王都住まいの人がいたら、場所と時間を決めておいて、迎えに来てもらうとかさ。」
「なるほど、いいかも。でも1台で全員乗れるかしら。」
「人数次第ではあるけど、大きめの馬車にすればいいんじゃない。」
「そうね。まずは人数確認ね。」
イリーが納得してくれた。よし、全員同じ馬車計画で行けそうだ。
イリーが中心になってフローラ達淑女科の女子達と買い物計画の話をしてくれている。だからイリーが納得してくれていた方が話が進みやすいんだよな。
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