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第3章
第79話 買い物の誘い
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その後は屋台で予定通りホットレモネードを買って、屋台のランプで照らされたベンチに座って飲みながら軽くおしゃべりをした。寒いからあまり長時間はじっとしていられなかったけど。
その後寮まで送って行くと、エドワードが満面の笑顔で言った。
「凄く楽しかった!‥‥いつか‥‥四人でも一緒に行きたいね!」
「‥‥そうだね!」
笑顔で別れてから、ジョセフィンと二人で二番街にある部屋へ向かう。歩きながら、ジョセフィンの方を見た。
「‥‥ねえ、ジョスゥ。」
「なんですか?」
「『いつか四人で』って、実現できるかなぁ」
俺がそういうと、ジョセフィンは、軽く目を見張った後、ふっと微笑んだ。
「できるんじゃないですか?‥‥マーカス様なら。」
「え、そこ、俺に丸投げ?」
「マーカス様ですから。」
「ちょっとぉ~ジョスゥ~。ジョスの助けが必要だよー。」
「知ってます。」
「マジか~。」
ポケットに手を突っ込んだまま、トンと、肩をジョセフィンに軽くぶつけた。ジョセフィンが、くいッとぶつけ返した。
笑いあって、また少しして真面目な顔になって、並んで歩く。
「‥‥まあ‥‥やろうって思わないと、出来ないよな。」
「そうですよ。」
ジョセフィンが頷く。ふぅ~と大きく息を吐き出して空を見上げた。星が瞬いている。
トリー殿下のキラキラした笑顔を思い出した。
弟みたいなトリー殿下。あの笑顔を護りたいって思う。
ふと、騎士が護るって気持ちは、こんな感じかな、と思った。
********************
窓から見える木々から枯れ葉がちらほらと舞う。北風が時々ガラスを震わせる。
広いダンスルームは、暖房が充分ではなく、肌寒い。
でも、触れている手はとても温かい。そして柔らかい。
淑女科と騎士科の合同のダンスレッスン。
最近のダンスパートナーは、くじ引きで決められるんだけど、今日はなんと、一回目でフローラがパートナーに決まったのだ。
もう一日の運を使い果たしたような気分だ。
「よろしくお願いします。」
お互いお辞儀をする。フローラの水色の髪がふわふわと揺れた。
見上げて、ふふふと微笑みかけてくれる。可愛い。
手を合わせ、もう一方の手を背中に添える。
体温が伝わって来てドキドキする。心臓の鼓動が聞こえちゃわないかな。
「マーカス、何か緊張してる?」
「うん。ちょっと、久しぶりだろう?」
「スマイルよ。」
にこっと、口角を上げてみせるフローラ。可愛い。
クラヴィーアの演奏が響いてきて、ステップを踏み始める。
先程までの寒々しいダンスルームが、まるで春のお花畑のように感じる。
くるくると回り、今日の課題のステップの部分をクリアした後、思い切って、話を切り出した。
「王都の冬って雪が結構すごいらしいんだって。」
「そうなの?もっと寒くなるってこと?」
「うん。だから、雪が本格化する前に、もし、冬の準備で買い物に行くなら一緒にいかない?」
「冬の準備?」
「寒さ対策用の衣料とか。雪用のブーツとか。」
「ああ!必要ね!」
「じゃあ、買い物行く?」
「ええ!」
「やった!」
「皆に声かけるわね。」
「あ、うん‥‥。」
お誘い成功?‥‥成功なのかな?
その後寮まで送って行くと、エドワードが満面の笑顔で言った。
「凄く楽しかった!‥‥いつか‥‥四人でも一緒に行きたいね!」
「‥‥そうだね!」
笑顔で別れてから、ジョセフィンと二人で二番街にある部屋へ向かう。歩きながら、ジョセフィンの方を見た。
「‥‥ねえ、ジョスゥ。」
「なんですか?」
「『いつか四人で』って、実現できるかなぁ」
俺がそういうと、ジョセフィンは、軽く目を見張った後、ふっと微笑んだ。
「できるんじゃないですか?‥‥マーカス様なら。」
「え、そこ、俺に丸投げ?」
「マーカス様ですから。」
「ちょっとぉ~ジョスゥ~。ジョスの助けが必要だよー。」
「知ってます。」
「マジか~。」
ポケットに手を突っ込んだまま、トンと、肩をジョセフィンに軽くぶつけた。ジョセフィンが、くいッとぶつけ返した。
笑いあって、また少しして真面目な顔になって、並んで歩く。
「‥‥まあ‥‥やろうって思わないと、出来ないよな。」
「そうですよ。」
ジョセフィンが頷く。ふぅ~と大きく息を吐き出して空を見上げた。星が瞬いている。
トリー殿下のキラキラした笑顔を思い出した。
弟みたいなトリー殿下。あの笑顔を護りたいって思う。
ふと、騎士が護るって気持ちは、こんな感じかな、と思った。
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窓から見える木々から枯れ葉がちらほらと舞う。北風が時々ガラスを震わせる。
広いダンスルームは、暖房が充分ではなく、肌寒い。
でも、触れている手はとても温かい。そして柔らかい。
淑女科と騎士科の合同のダンスレッスン。
最近のダンスパートナーは、くじ引きで決められるんだけど、今日はなんと、一回目でフローラがパートナーに決まったのだ。
もう一日の運を使い果たしたような気分だ。
「よろしくお願いします。」
お互いお辞儀をする。フローラの水色の髪がふわふわと揺れた。
見上げて、ふふふと微笑みかけてくれる。可愛い。
手を合わせ、もう一方の手を背中に添える。
体温が伝わって来てドキドキする。心臓の鼓動が聞こえちゃわないかな。
「マーカス、何か緊張してる?」
「うん。ちょっと、久しぶりだろう?」
「スマイルよ。」
にこっと、口角を上げてみせるフローラ。可愛い。
クラヴィーアの演奏が響いてきて、ステップを踏み始める。
先程までの寒々しいダンスルームが、まるで春のお花畑のように感じる。
くるくると回り、今日の課題のステップの部分をクリアした後、思い切って、話を切り出した。
「王都の冬って雪が結構すごいらしいんだって。」
「そうなの?もっと寒くなるってこと?」
「うん。だから、雪が本格化する前に、もし、冬の準備で買い物に行くなら一緒にいかない?」
「冬の準備?」
「寒さ対策用の衣料とか。雪用のブーツとか。」
「ああ!必要ね!」
「じゃあ、買い物行く?」
「ええ!」
「やった!」
「皆に声かけるわね。」
「あ、うん‥‥。」
お誘い成功?‥‥成功なのかな?
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